ジロ・デ・イタリア2025 カテゴリー4頂上ゴールの第13ステージでピーダスンが4勝目

イタリアで開催中の第108回ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、5月23日に北東部ヴェネト州のロヴィーゴからヴィチェンツァまでの180kmで、カテゴリー4頂上ゴールの第13ステージを競い、ポイント賞のマリア・チクラミーノを着たデンマークのマス・ピーダスン(リドル・トレック)が、ゴールスプリントでベルギーのワウト・ヴァンアールト(チーム ヴィスク・リースアバイク)の追い上げを寄せつけず、今大会区間4勝目を上げた。
 

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マリア・チクラミーノのピーダスンはヴァンアールトの追い上げを退けて4勝目を上げた (photo : LaPresse)

 
マリア・ローザを着たメキシコのイサーク・デルトロ(UAEチーム・エミレーツ・XRG)はゴールスプリントで区間3位に入り、総合首位の座を守った。彼はライバルたちよりも3秒早くゴールしたうえ、レッドブルKMとゴールで合計6秒のボーナスタイムも獲得した。
 

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マリア・ローザを守ったデルトロはボーナスタイムも稼いだ (photo : LaPresse)

 
引退間近のバルデがアタック

第13ステージは171選手が出走。強い向かい風の中、序盤に9人が逃げ出したが、後半に入ってカテゴリー4の丘で生き残っていたのはイタリアのロレンツォ・ジェルマーニ(グルパマ・FDJ)だけだった。ここで集団は7秒差にまで追いつき、イタリアのクリスティアン・スカローニ(XDS・アスタナ チーム)が飛び出してジェルマーニに合流した。

ゴールまで残り45kmの頂上を越えた後、先頭の2人は集団に一時50秒のタイム差を付ける事ができたが、ローカルラップに入った後、残り20kmでヴィチェンツァのフィニッシュラインを越えた時には、その差は24秒に縮まっていた。最後まで逃げていたスカローニは、レッドブルKmが設定されたアルクニャーノの丘の頂上を越えた直後、集団に吸収された。

その集団の先頭は新人賞総合2位でマリア・ビアンカを着たスペインのフアン・アユソ(UAEチーム・エミレーツ・XRG)で、彼が2位通過で4秒のボーナスタイムを獲得し、マリア・ローザのデルトロが3位通過で2秒を獲得した。
 

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終盤逃げ続けたジェルマーニとスカローニのイタリアコンビ (photo : LaPresse)

 
アルクニャーノの丘の下り坂でフランスのロマン・バルデ(チームピクニック・ポストNL)がアタックし、チェコのマティアス・ヴァチェック(リドル・トレック)と一緒に逃げ出した。バルデは6月のクリテリウム・デュ・ドーフィネ(UCIワールドツアー)を走ってロードから引退すると表明していて、ジロは最後のグランツールだった。

しかし、バルデとヴァチェックの2人は頂上にモンテ・ベリコ聖堂がある最後のカテゴリー4の丘の中腹で集団に吸収されてしまった。最後はアップヒルゴールで残り300mから早めのスプリントを開始したピーダスンを、ヴァンアールトとデルトロが追走したが、誰もマリア・チクラミーノを追い越せはしなかった。

 

■今大会4勝目を上げたピーダスンのコメント
「これは何て素晴らしいジロだろう! 自分の努力のタイミングは本能任せだった。右側のフェンス近くで開始しなければならなかった。だからそうしたかったよりもちょっと早く行ったんだ。こういうハードな日のこういうゴールでは、みんな脚が燃えているものだ。

我々は最初にヴァチェックで区間優勝を目指していた。彼もチャンスを得るに値する選手だ。もしも集団に迷いがあれば、バルデと彼に勝つ可能性があっただろう。それは理想的だった。ボクは後ろにいて、他のチームに仕事を任せる事ができた。この勝利と、マリア・チクラミーノのためにさらに50ポイント加えられて満足している」
 

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頂上のモンテ・ベリコ聖堂へと続く回廊沿いがゴールだった (photo : LaPresse)

 
■第13ステージ結果

[5月23日/ロヴィーゴ~ヴィチェンツァ/180 km]
1. PEDERSEN Mads (LIDL-TREK / DEN) 3:50:24
2. VAN AERT Wout (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / BEL)
3. DEL TORO ROMERO Isaac (UAE TEAM EMIRATES XRG / MEX) + 0:02
4. ROCHAS Rémy (GROUPAMA-FDJ / FRA) + 0:05
5. GODON Dorian (DECATHLON AG2R LA MONDIALE TEAM / FRA) + 0:05
6. ROGLIČ Primož (RED BULL – BORA – HANSGROHE / SLO) + 0:05
7. TIBERI Antonio (BAHRAIN VICTORIOUS / ITA) + 0:05
8. GEE Derek (ISRAEL – PREMIER TECH / CAN) + 0:05
9. AULAR SANABRIA Orluis Alberto (MOVISTAR TEAM / VEN) + 0:05
10. BERNAL GOMEZ Egan Arley (INEOS GRENADIERS / COL) + 0:05
15. AYUSO PESQUERA Juan (UAE TEAM EMIRATES XRG / ESP) + 0:05

■第13ステージ後の総合成績(マリア・ローザ)
1. DEL TORO ROMERO Isaac (UAE TEAM EMIRATES XRG / MEX) 46:32:56
2. AYUSO PESQUERA Juan (UAE TEAM EMIRATES XRG / ESP) + 0:38
3. TIBERI Antonio (BAHRAIN VICTORIOUS / ITA) + 1:18
4. YATES Simon Philip (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / GBR) + 1:20
5. ROGLIČ Primož (RED BULL – BORA – HANSGROHE / SLO) + 1:35
6. CARAPAZ Richard (EF EDUCATION – EASYPOST / ECU) + 2:07
7. CICCONE Giulio (LIDL-TREK / ITA) + 2:20
8. MCNULTY Brandon (UAE TEAM EMIRATES XRG / USA) + 2:40
9. BERNAL GOMEZ Egan Arley (INEOS GRENADIERS / COL) + 2:50
10. GEE Derek (ISRAEL – PREMIER TECH / CAN) + 2:54

[各賞]
■ポイント賞(マリア・チクラミーノ): PEDERSEN Mads (LIDL-TREK / DEN)
■山岳賞(マリア・アッズーラ): FORTUNATO Lorenzo (XDS ASTANA TEAM / ITA)
■新人賞(マリア・ビアンカ): DEL TORO ROMERO Isaac (UAE TEAM EMIRATES XRG / MEX)
(※第14ステージは AYUSO PESQUERA Juan (UAE TEAM EMIRATES XRG / ESP) が着用)


第14ステージはスロベニア越境ゴール

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●第14ステージのコースプロフィール (MAP : RCS Sport)

 
5月24日の土曜日は、イタリア北東部ヴェネト州のトレヴィーゾをスタートし、隣国スロベニアへと越境してノヴァ・ゴリツァにゴールする195kmで、中級山岳区間の第14ステージが行われる。最後はイタリアとスロベニアの国境をまたいだローカルサーキットを走り、フィニッシュラインはスロベニア側にある。
 

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ヴィチェンツァを守るモンテ・ベリコ聖堂横に設置された表彰台 (photo : LaPresse)

 

ジロ・デ・イタリア公式サイト

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