チーム ソリューションテック・ヴィーニファンティーニのツアー・オブ・ジャパン2025【信州飯田ステージ】
ツアー・オブ・ジャパン2025 第5ステージ・信州飯田は、長野県飯田市の下久堅小学校グラウンド前をスタートし、下久堅地区に設定された1周12.2kmの周回コースを9周半するステージ。午前中雨の予報がずれて朝起きたときにはもう雨が止んでおり、今日もまた暑くなることが予想された。どのチームも大量の氷の手配に忙しかった。

かつて住んでいたエリア、飯田ケーブルテレビの取材を受ける新城幸也

チームはオーストリッチが初めて作ったレースバッグを使用している
レースはパレードスタートから0周目の上りに入り、1周目のコントロールラインを通過するころにはトレンガヌによる単騎の逃げを容認して集団は静かに進んでいたが、その後、フランシスコ・マンセボ(マトリックス・パワータグ)ら3人の逃げができた。タイム差は2分半ほどで推移し、集団は冷静にレースを進めた。
山岳賞ポイントを過ぎた先にある恒例の焼き肉コーナーは大盛況で、カンパを募りながらも肉がじゃんじゃん焼かれ、素敵な煙が選手の方にも流れていく。もちろん、集団が通過するときには誰もが肉から離れて選手に声援を送った。3周目の焼き肉コーナーで、逃げと集団のタイムギャップは3分になっていた。

0周目、中央アルプスが見渡せるコースを走り抜けるユキヤら

2周目、メイン集団の先頭ではユキヤがしっかり働いている

トレンガヌの逃げを容認しつつ集団は横に広がってペースを落とす。右端がユキヤ

恒例の焼き肉コーナーでは観客がみな選手に声援を送った
チーム ソリューションテック・ヴィーニファンティーニの補給地点には大きなクーラーボックスが運ばれ、ボトルには小さいナイロン袋に氷を入れたものが輪ゴムで止められて選手に渡された。そうこうしている間にも氷がどんどん溶けていく。縁の下の力持ち、スタッフもタイヘンだ!
5周目、逃げの3人を追って2人の追走が出た。ここにはソリューションテック・ヴィーニファンティーニのダヴィデ・バルダッチーニがいた。補給地点で止まったチームカーから「ミワ、前にいるのは誰?」と定点で見ている美和さんに質問が飛び、「ダヴィデ!」と美和さんが即答。チームカーはうなずいて前を追った。
追走は4人になってオリジナルの逃げの3人に追いつき、7人になった。レース中盤、しかしメイン集団も1分後ろに迫っていた。そろそろレースは勝負どころに差しかかかった。

補給地点を通過するマーク・スチュワート(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)。隣はグリーンのリーダージャージ

補給地点では穴田マッサーと早川メカがレース中にも補給ドリンクをアジャストし、レースの状況や気候に合わせた補給を行う

総合リーダーを守る動き、そして区間を取れるかもという動き
7周目、山岳賞ポイントに向けてJCLチーム右京がペースをガンガン上げ、一気に逃げを吸収して山岳賞ジャージのニッコロ・ガリッポが先頭で通過。この動きで集団は大きく割れ、30人ほどの先頭集団ができあがり、ソリューションテック・ヴィーニファンティーニからはそこに3人の選手を残したものの、ユキヤはその後ろの集団となった。
8周目、アタックしていたリアム・ウオルシュ(シーキャッシュ)が捕まったカウンターでシモーネ・ラッカーニ(JCLチーム右京)が独走を開始。ここに下りでマーク・スチュワート(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)が追いついて2人の逃げができた。後続集団にはこの2人のチームメイトが残っているため、この2人は存分に逃げることができる。
果たして。最終周回に至っても後続は1分差程度を保ち、逃げの2人がフィニッシュに向かう。ラッカーニとスチュワートの総合タイム差は4秒でスチュワートが上。しかしフィニッシュで1位をとればボーナスタイムは10秒、2位は6秒と決まっている。つまり、今日この2人が同タイムでフィニッシュすれば、スチュワートが勝てば8秒差でリーダーとなるが、負ければこれまで持っていた4秒差が消えて総合的には同タイムとなる。そして、フィニッシュ時にタイム差がついてしまえば(スチュワートが数秒負ければ)、それがそのまま総合成績1位と2位の差となるのだ。
スチュワートは総合でのタイム差を意識して前を牽き続け、結果的にラッカーニが区間勝利を果たした。総合上のタイム差は2秒、スチュワートはこの時点で総合2位となった。
「2秒はほぼナッシングだ」と話すのはソリューションテック・ヴィーニファンティーニの監督、レオナルド・カンチアーニだ。「2秒なんて、明日簡単に失うかもしれないし、稼げるかもしれない。明日の富士山は別のストーリーが待っているからね」。
ツアー・オブ・ジャパンの富士山ステージ、これこそYouTubeライブを刮目して見てほしい!

勝ったのはシモーネ・ラッカーニ(JCLチーム右京)。しかしプロチームの意地だ、マーク・スチュワートが2位に入った

ヴァレリオ・コンティが集団の頭をとり区間3位となった

3日間、石垣島からユキヤのーレースを見るためだけに来たユキヤの両親ら
ツアー・オブ・ジャパン2025
第5ステージ 綿半 信州飯田ステージ
5月22日(木)10:00〜
下久堅小学校グラウンド前→下久堅周回コース→下久堅小学校グラウンド前
<パレード 1.7km>10.8km+12.2km×9周+0.3km
走行距離=120.9km、獲得標高=2580m
綿半 信州飯田ステージ結果
1. シモーネ・ラッカーニ(JCL TEAM UKYO)3:06:01
2. マーク・スチュワート(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)+0:02
3. ヴァレリオ・コンティ(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)+0:47
19. ダヴィデ・バルダッチーニ(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)+0:47
43. 新城 幸也(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)+6:32
69. ジョルジェ・ジュリッチ(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)+9:58
個人総合時間賞
1. シモーネ・ラッカーニ(JCL TEAM UKYO)11:57:39
2. マーク・スチュワート(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)+0:02
3. アレッサンドロ・ファンチェル(JCL TEAM UKYO)+0:09
ポイント賞
アレッサンドロ・ファンチェル(JCL TEAM UKYO)
山岳賞
ニコロ・ガリッボ(JCL TEAM UKYO)
新人賞
マクサンス・プラス(ワンティ・NIPPO・リユーズ)
団体総合時間賞
JCL TEAM UKYO
ツアー・オブ・ジャパン公式サイト
https://toj.co.jp/2025/
ツアー・オブ・ジャパン公式YouTubeチャンネル「BPAJ ch」
https://www.youtube.com/@BPAJch











