ジロ・デ・イタリア2025 第11ステージはカラパスが優勝

イタリアで開催中の第108回ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、5月21日にトスカーナ州のヴィアレッジョからエミリア・ロマーニャ州のカステルノーヴォ・ネ・モンティまでの186kmで、中級山岳区間の第11ステージを競い、エクアドルのリチャル・カラパス(EFエデュケーション・イージーポスト)が最後の9kmを独走で逃げ切って区間優勝した。
 

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2019年の総合優勝者であるカラパスが独走で逃げ勝った (photo : LaPresse)

 
31歳のカラパスがジロで区間優勝したのは、総合優勝した2019年以来で、通算4勝になった。マリア・ローザを着たメキシコのイサーク・デルトロ(UAEチーム・エミレーツ・XRG)は10秒遅れの区間2位でゴールし、6秒のボーナスタイムを獲得して総合首位を守った。区間3位には地元イタリアのジューリオ・チッコーネ(リドル・トレック)が入った。
 

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デルトロがマリア・ローザを守った (photo : LaPresse)

 
アルペ・サン・ペッレグリーノ峠でマリア・アッズーラがアタック

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アルペ・サン・ペッレグリーノ峠を先頭で上るマリア・アッズーラのフォルトゥナート (photo : LaPresse)

 

第11ステージは171選手が快晴のヴィアレッジョからスタート。逃げに有利な区間とあって、スタートからアタックと吸収が続き、最初の1時間の平均時速は52.4km/hだった。中盤に越えたカテゴリー1のアルペ・サン・ペッレグリーノ峠のふもとで30人ほどの大きなグループが逃げ出し、マリア・チクラミーノのマス・ピーダスン(リドル・トレック)とマリア・アッズーラのロレンツォ・フォルトゥナート(XDS・アスタナ チーム)も加わっていた。

アルペ・サン・ペッレグリーノ峠が始まると逃げ集団からマリア・アッズーラのフォルトゥナートがアタックし、単独で山頂を通過した。ゴールまで残り81.4kmの下り坂でペリョ・ビルバオ(バーレーン・ヴィクトリアス)、ナイロ・キンタナ(モビスターチーム)、ルーク・プラップ(チームジェイコ・アルウラー)、ワウテル・プールス(XDS・アスタナ チーム)が追いつき、先頭は5人になった。

ゴールまで残り39kmのトアノ峠(カテゴリー2)もフォルトゥナートが先頭で通過し、山岳賞ポイントを稼いだ。ここで集団は2分43秒遅れていたが、マリア・チクラミーノのピーダスンが先頭を引き続け、残り13kmでタイム差は1分を切った。ゴールまで残り9kmのピエトラ・ディ・ビスマントーヴァ峠(カテゴリー2)の上りで、逃げが集団に吸収された瞬間にカウンターでカラパスがアタックし、あっという間にリードを広げた。マリア・ローザのデルトロが自ら追走を開始し、集団は20人ほどになった。

カラパスは残り5kmの頂上でマリア・ローザ集団に30秒以上のタイム差を付けていた。彼はそのままリードを保ち、独走でカステルノーヴォ・ネ・モンティにゴールした。カラパスは総合順位も2分10秒遅れの9位から1分56秒遅れの6位へと上げる事ができた。

5月22日はイタリア北東部エミリア・ロマーニャ州のモデナから、北部ロンバルディア州のヴィアダーナまでの172kmで、スプリント区間の第12ステージが行われる。
 

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絶妙なタイミングでアタックを決めたカラパス (photo : LaPresse)

 
ジロで総合優勝した2019年以来の区間優勝を上げたカラパスのコメント
「このステージはとても難しく、最初の上りで大勢が苦しんでいたが、ボクは良い脚があり、兆しがあった瞬間にアタックする機会を得られた。集団はバラバラになったかもしれなかったが、ボクは単独になり、ゴールまではタイムトライアルだった。

昨日はがっかりしていないよ。タイムトライアルは得意分野ではないと分かっているからね。可能な限り全てをセーブした。これで自分が良い脚を持っていて、闘い続けられる確信が得られた。このステージで勝つのは特別で感動的だ。多大な努力の後で、家族や友人たちを喜ばせたかったからだ。ジロで勝つために最後までトライするよ。我々には素晴らしいライバルたちがいる。ローマに到着するまで闘いを止めないだろう」
 

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マリア・ローザのデルトロは区間2位で6秒のボーナスタイムを獲得した (photo : LaPresse)

 
■第11ステージ結果

[5月21日/ヴィアレッジョ~カステルノーヴォ・ネ・モンティ/186 km]
1. CARAPAZ Richard (EF EDUCATION – EASYPOST / ECU) 4:35:02
2. DEL TORO ROMERO Isaac (UAE TEAM EMIRATES XRG / MEX) + 0:10
3. CICCONE Giulio (LIDL-TREK / ITA) + 0:10
4. PIDCOCK Thomas (Q36.5 PRO CYCLING TEAM / GBR) + 0:10
5. BERNAL GOMEZ Egan Arley (INEOS GRENADIERS / COL) + 0:10
6. TIBERI Antonio (BAHRAIN VICTORIOUS / ITA) + 0:10
7. AYUSO PESQUERA Juan (UAE TEAM EMIRATES XRG / ESP) + 0:10
8. RUBIO REYES Einer Augusto (MOVISTAR TEAM / COL) + 0:10
9. GEE Derek (ISRAEL – PREMIER TECH / CAN) + 0:10
10. ULISSI Diego (XDS ASTANA TEAM / ITA) + 0:10
12. ROGLIČ Primož (RED BULL – BORA – HANSGROHE / SLO) + 0:10

■第11ステージ後の総合成績(マリア・ローザ)
1. DEL TORO ROMERO Isaac (UAE TEAM EMIRATES XRG / MEX) 38:47:01
2. AYUSO PESQUERA Juan (UAE TEAM EMIRATES XRG / ESP) + 0:31
3. TIBERI Antonio (BAHRAIN VICTORIOUS / ITA) + 1:07
4. YATES Simon Philip (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / GBR) + 1:09
5. ROGLIČ Primož (RED BULL – BORA – HANSGROHE / SLO) + 1:24
6. CARAPAZ Richard (EF EDUCATION – EASYPOST / ECU) + 1:56
7. CICCONE Giulio (LIDL-TREK / ITA) + 2:09
8. MCNULTY Brandon (UAE TEAM EMIRATES XRG / USA) + 2:16
9. YATES Adam Richard (GBR) + 2:33
10. ARENSMAN Thymen (INEOS GRENADIERS / NED) + 2:33
11. BERNAL GOMEZ Egan Arley (INEOS GRENADIERS / COL) + 2:39

[各賞]
■ポイント賞(マリア・チクラミーノ): PEDERSEN Mads (LIDL-TREK / DEN)
■山岳賞(マリア・アッズーラ): FORTUNATO Lorenzo (XDS ASTANA TEAM / ITA)
■新人賞(マリア・ビアンカ): DEL TORO ROMERO Isaac (UAE TEAM EMIRATES XRG / MEX)
(※第12ステージは AYUSO PESQUERA Juan (UAE TEAM EMIRATES XRG / ESP) が着用)
 

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(photo : LaPresse)

 

ジロ・デ・イタリア公式サイト

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