ジロ・デ・イタリア2025 落車でニュートラルになった第6ステージはグローヴズが優勝

イタリアで開催中の第108回ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、5月15日に南部のポテンツァからナポリまでの227kmで今大会最長距離の第6ステージを行ったが、ゴールまで残り71.4kmで発生した大きな落車事故の影響で総合成績はニュートラルとなり、タイム差は計測されず、ボーナスタイムもキャンセルされ、区間優勝だけが競われた。
 

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落車事故で区間優勝だけが競われた第6ステージはグローヴズが集団ゴールスプリントで圧勝した (photo : LaPresse)

 
雨の影響で路面が滑りやすくなっていた事もあり、総合首位でマリア・ローザを着ていたデンマークのマス・ピーダスン(リドル・トレック)はリスクを回避して区間優勝は競わず、10分以上遅れてゴールした。小さくなった集団で競われたゴールスプリントは、オーストラリアのケイデン・グローヴズ(アルペシン・ドゥクーニンク)が制し、2023年に続いて2度目の区間優勝を上げた。


落車事故で一時中断

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落車事故でレースは一時中断した (photo : LaPresse)

 
第6ステージは179選手が出走。カテゴリー2のヴァルコ・ディ・モンテ・カッルッツォ峠の上りが始まる前に、集団からエンゾ・パレニ(グルパマ・FDJ)とタコ・ファンデルホールン(アンテルマルシェ・ワンティ)が逃げ出した。上りで山岳賞のマリア・アッズーラを着たロレンツォ・フォルトゥナート(XDS・アスタナ チーム)が2人に合流し、56.8km地点の山頂を先頭で通過してポイントを稼いだ。

峠を下り終えた頃に雨が降り始め、路面は滑りやすくなった。フォルトゥナートは集団に戻り、先頭はパレニとファンデルホールンの2人に戻った。集団の前方ではゴールまで残り71.4kmで大きな落車事故が発生し、大勢の選手が巻き込まれた。この落車で2022年の総合優勝者であるジャイ・ヒンドリー(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)、ユーリ・ホールマン(アルペシン・ドゥクーニンク)、ディオン・スミス(アンテルマルシェ・ワンティ)が棄権した。

事故でレースは一時中断し、主催者は総合成績をニュートラルにする決定を下した。第6ステージは区間優勝だけが競われる事になり、それを望んだ小さな集団がナポリのゴール手前2.5kmで逃げていた2人を吸収した。最後は集団ゴールスプリントになり、優勝候補の1人だったオラフ・コーイ(チーム ヴィスマ・リースアバイク)は、マッテーオ・モスケッティ(Q36.5 プロサイクリングチーム)に左サイドに押し込まれてスプリントができず、中央でスパートしたグローヴズが圧勝した。ゴール後、モスケッティは降格処分となった。
 

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スプリンターが夢見るジロのナボリ区間を制したグローヴズ (photo : LaPresse)

 
■区間優勝したグローヴズのコメント
「今年初めての優勝でとてもホッとしている。チームはボクを信じてくれた。今シーズンは素晴らしいスタートではなかった。ケガでたくさんのレースを逃してしまった。だから勝ち星がない状態でジロに来たんだ。早くから逃げを追うためにチームメイトを数人使わなければならなかった。2人の逃げ選手は素晴らしい走りをしたからだ。早めにスプリントを開始したが、とても自信があった。雨が降り始めた時に調子が良いと感じていた。ナポリはアイコニックな街だから勝ててとても素晴らしい。ここで勝つのはスプリンターにとっては夢なのさ」
 

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落車事故で総合成績は変わらず、ピーダスンがマリア・ローザを守って今年最初の頂上ゴール区間を迎える事になった (photo : LaPresse)

 
■第6ステージ結果

[5月15日/ポテンツァ~ナポリ/227km]
1. GROVES Kaden Alexander (ALPECIN-DECEUNINCK / AUS) 4:59:52
2. FRETIN Milan (COFIDIS / BEL)
3. MAGNIER Paul (SOUDAL QUICK-STEP / FRA)
4. KANTER Max (XDS ASTANA TEAM / GER)
5. LONARDI Giovanni (TEAM POLTI VISITMALTA / ITA)
6. ZIJLAARD Maikel (TUDOR PRO CYCLING TEAM / NED)
7. MARCELLUSI Martin (VF GROUP BARDIANICSF-FAIZANE’ / ITA)
8. MOZZATO Luca (ARKEA-B&B HOTELS / ITA)
9. GOVEKAR Matevž (BAHRAIN VICTORIOUS / SLO)
10. KOOIJ Olav (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / NED)
(※区間8位に入った MOSCHETTI Matteo (Q36.5 PRO CYCLING TEAM / ITA) は降格処分となった)

■第6ステージ後の総合成績(マリア・ローザ)
1. PEDERSEN Mads (LIDL-TREK / DEN) 20:11:44
2. ROGLIČ Primož (RED BULL – BORA – HANSGROHE / SLO) + 0:17
3. VACEK Mathias (LIDL-TREK / CZE) + 0:24
4. MCNULTY Brandon (UAE TEAM EMIRATES XRG / USA) + 0:31
5. DEL TORO ROMERO Isaac (UAE TEAM EMIRATES XRG / MEX) + 0:32
6. AYUSO PESQUERA Juan (UAE TEAM EMIRATES XRG / ESP) + 0:35
7. POOLE Max David (TEAM PICNIC POSTNL / GBR) + 0:43
8. TIBERI Antonio (BAHRAIN VICTORIOUS / ITA) + 0:44
9. STORER Michael (TUDOR PRO CYCLING TEAM / AUS) + 0:46
10. PELLIZZARI Giulio (RED BULL – BORA – HANSGROHE / ITA) + 0:50

[各賞]
■ポイント賞(マリア・チクラミーノ): PEDERSEN Mads (LIDL-TREK / DEN)
(※第7ステージはKOOIJ Olav (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / NED)が着用)
■山岳賞(マリア・アッズーラ): FORTUNATO Lorenzo (XDS ASTANA TEAM / ITA)
■新人賞(マリア・ビアンカ): VACEK Mathias (LIDL-TREK / CZE)


第7ステージは今年最初の頂上ゴール

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●第7ステージのコースプロフィール (MAP : RCS Sport)

 
5月16日はイタリア中部アブルッツォ州のカステル・ディ・サングロから標高1425mでカテゴリー1のタリアコッツォまでの168kmで、今年最初の頂上ゴール山岳区間となる第7ステージが行われる。
 

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(photo : LaPresse)

 

ジロ・デ・イタリア公式サイト

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