ツール・ド・フランス2024 ガリヴィエを越えた第4ステージはポガチャルが制してマイヨ・ジョーヌ奪還

  • photo A.S.O. /Billy Ceusters /Charly Lopez / ©SprintCycling

イタリアで開幕した第111回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、7月2日にイタリアのピネローロをスタートし、国境を越えてフランスのヴァロワールにゴールする139.6kmの第4ステージを競い、スロベニアのタデイ・ポガチャル(UAEチーム・エミレーツ)が独走で区間優勝し、総合首位に返り咲いた。
 

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ポガチャルがガリヴィエ峠越え区間を制し、マイヨ・ジョーヌを奪還した (©SprintCycling)


イタリアに別れを告げ、国境を越えてフランスへ

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●第4ステージのコースプロフィール (MAP : A.S.O.)

 
第4ステージは174選手が出走。前日に落車したデンマークのカスパ・ピーダスン(スーダル・クイックステップ)が鎖骨骨折でスタートしなかった。この日はカテゴリー2のセストリエール峠を上り始めた18.9km地点に中間スプリント地点があり、デンマークのマス・ピーダスン(リドル・トレック)を含めた6人が逃げ出した。しかし、アルペシン・ドゥクーニンクがそれを許さず、中間スプリント地点まで残り3kmで逃げを捕まえた。

それでも18.9km地点の中間スプリント地点を先頭で通過したのはピーダスンで、前日に区間優勝したエリトリアのビニアム・ギルマイ(アンテルマルシェ・ワンティ)が2位になった。マイヨ・ベールを着たノルウエーのヨーナス・アブラハムセン(ウノエクス モビリティ)は5位通過だったが、ポイント賞総合首位はキープできた。

セストリエール峠の中腹で集団から17人が逃げ出し、アルカンシエルのマチュー・ファンデルプール(アルペシン・ドゥクーニンク)や、初日から遅れてしまったフランスのダヴィド・ゴデュ(グルパマ・FDJ)が加わっていた。カテゴリー2の山頂はスティーブン・ウイリアムズ(イスラエル・プルミエテック)が先頭で通過し、UAEがコントロールする集団とのタイム差は2分だった。
 

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集団をコントロールするUAEチーム・エミレーツのウェレンス (photo : A.S.O. /Billy Ceusters)

 
山頂にイタリアとフランスの国境があるモンジュネーヴル峠(カテゴリー2)もウイリアムズが先頭で通過したが、アブラハムセンの山岳賞総合首位を脅かす事はなかった。23km続くカテゴリー超級のガリヴィエ峠のふもとで、逃げ集団とメイン集団のタイム差はたった2分半しかなかった。

メイン集団はガリヴィエ峠でティム・ウェレンス(UAEチーム・エミレーツ)、マルク・ソレル(UAEチーム・エミレーツ)が先頭を引き、逃げを追い詰めていった。山頂まで残り9.8kmでオイエル・ラスカノ(モビスターチーム)がアタックして先頭を逃げ続けたが、1.5km先でソレルが引くメイン集団に吸収された。最後まで逃げ続けたラスカノは、この日の敢闘賞を受賞した。


ガリヴィエ峠山頂でポガチャルがアタック

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ガリヴィエ峠でアタックしたポガチャル (photo : A.S.O. /Charly Lopez)

 
逃げを全員捕まえたメイン集団はジョアン・アルメイダ(UAEチーム・エミレーツ)が先頭を引き始め、山頂まで6.4kmでマイヨ・ジョーヌを着たリチャル・カラパス(EFエデュケーション・イージーポスト)が遅れてしまった。続いてアダム・イェーツ(UAEチーム・エミレーツ)が先頭で仕事を始めると、ゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアズ)やロマン・バルデ(チームDSM・フィルメニッヒ・ポストNL)が遅れてしまった。

15人に減ったメイン集団は、まだ雪が残るガリヴィエ峠を上り続けた。山頂まで残り4.5kmでフアン・アユソ(UAEチーム・エミレーツ)が先頭を引き、今度はマッテーオ・ヨーゲンソン(チーム ヴィスマ・リースアバイク)が遅れ、ディフェンディングチャンピオンのヨーナス・ヴィンゲゴー(ヴィスマ・リースアバイク)はアシストがいなくなってしまった。
 

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エクアドル人として初めてマイヨ・ジョーヌを着たカラパスだったが、ガリヴィエ峠で遅れてしまった (photo : A.S.O. /Billy Ceusters)

 
UAEチーム・エミレーツはイェーツが下がり、アユソとアルメイダが交代で先頭を引き続けた。そこから山頂まで残り1kmを切った所で、満を持してポガチャルがアタックし、付いていけたのはヴィンゲゴーだけだった。しかし、第2ステージのサン・ルーカの丘ではポガチャルを逃さなかったヴィンゲゴーだったが、この日はつづら折りの上りで遅れを取ってしまった。

ガリヴィエ峠山頂まで残り500mで単独トップになったポガチャルは、ヴィンゲゴーに6秒差を付けて山頂を通過し、8秒のボーナスタイムとスーヴニール・アンリ・デグランジュ賞を受賞した。この時マイヨ・ジョーヌのカラパスは既に3分以上遅れていた。ポガチャルは雪解け水で所々濡れていた下り坂を単独で駆け下り、後続に35秒差を付けてヴァロワールのゴールに飛び込んだ。これでポガチャルのツール区間優勝数は通算12勝になった。
 

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1日でマイヨ・ジョーヌを取り戻したポガチャル (photo : A.S.O. /Billy Ceusters)


■第4ステージ結果

[7月2日/ピネローロ(イタリア)~ヴァロワール/139.6 km ]
1. T. POGACAR (UAE TEAM EMIRATES / SLO) 03h 46′ 38”
2. R. EVENEPOEL (SOUDAL QUICK-STEP / BEL) + 00′ 35”
3. J. AYUSO (UAE TEAM EMIRATES / ESP) + 00′ 35”
4. P. ROGLIC (RED BULL – BORA – HANSGROHE / SLO) + 00′ 35”
5. J. VINGEGAARD (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / DEN) + 00′ 37’’
6. C. RODRIGUEZ (INEOS GRENADIERS / ESP) + 00′ 37’’
7. M. LANDA (SOUDAL QUICK-STEP / ESP) + 00′ 53”
8. J. ALMEIDA (UAE TEAM EMIRATES / POR) + 00′ 53”
9. G. CICCONE (LIDL-TREK / ITA) + 02′ 41”
10. S. BUITRAGO (BAHRAIN VICTORIOUS / COL) + 02′ 41”
32. R. CARAPAZ (EF EDUCATION – EASYPOST / ECU) + 05′ 10”

■第4ステージ後の総合成績(マイヨ・ジョーヌ)
1. T. POGACAR (UAE TEAM EMIRATES / SLO) 19h 06′ 38”
2. R. EVENEPOEL (SOUDAL QUICK-STEP / BEL) + 00′ 45”
3. J. VINGEGAARD (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / DEN) + 00′ 50”
4. J. AYUSO (UAE TEAM EMIRATES / ESP) + 01′ 10”
5. P. ROGLIC (RED BULL – BORA – HANSGROHE / SLO) + 01′ 14”
6. C. RODRIGUEZ (INEOS GRENADIERS / ESP) + 01′ 16”
7. M. LANDA (SOUDAL QUICK-STEP / ESP) + 01′ 32”
8. J. ALMEIDA (UAE TEAM EMIRATES / POR) + 01′ 32”
9. G. CICCONE (LIDL-TREK / ITA) + 03′ 20”
10. E. BERNAL (INEOS GRENADIERS / COL) + 03′ 21”

[各賞]
■ポイント賞:J. ABRAHAMSEN (UNO-X MOBILITY / NOR)
■山岳賞 : J. ABRAHAMSEN (UNO-X MOBILITY / NOR)
(※第5ステージは V. MADOUAS (GROUPAMA-FDJ / FRA) が着用)
■新人賞 :R. EVENEPOEL (SOUDAL QUICK-STEP / BEL)
■チーム成績:UAE TEAM EMIRATES (UAE)
■敢闘賞 : O. LAZKANO (MOVISTAR TEAM / ESP)
 

第5ステージはスプリント区間

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●第5ステージのコースプロフィール (MAP : A.S.O.)

 
7月3日はサン・ジャン・ド・モーリエンヌからサン・ヴルバまでの177.4kmで、平坦区間の第5ステージが行われる。
 

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(photo : A.S.O. /Charly Lopez)

 

ツール・ド・フランス 公式サイト

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