ジロ・デ・イタリア2024 頂上ゴールの第17ステージはシュタインハウザーが逃げ切りプロ初優勝

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イタリアで開催中の第107回ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、5月22日にセルヴァ・ディ・ヴァル・ガルデナから標高1610mでカテゴリー1のパッソ・ブロコン頂上までの159kmで第17ステージを競い、ドイツのゲオルク・シュタインハウザー(EFエデュケーション・イージーポスト)が独走で逃げ切り、グランツール初参加のジロでプロ初優勝を果たした。
 

22歳のシュタインハウザーが独走で逃げ切ってプロ初優勝した (photo : LaPresse)

 
総合リーダーのマリア・ローザを着たスロベニアチャンピオンのタデイ・ポガチャル(UAEチーム・エミレーツ)は、ゴールまで残り3kmでアタックし、1分24秒遅れの区間2位でゴール。総合成績でのライバルたちとのタイム差を更に広げた。
 

マリア・ローザのポガチャルは総合成績でのリードをさらに広げた (photo : LaPresse)

 
第17ステージは148選手が出走。この日は4カ所の峠を越えた後、パッソ・ブロコン頂上にゴールするレイアウトで、前日のステージで前半の峠越えがキャンセルになった影響で、最初に越えた標高2244mでカテゴリー2のパッソ・セッラ山頂通過にチマ・コッピ賞がかけられ、ジューリオ・ペッリツァーリ(VFグループ・バルディアーニCSF・ファイザネ)がそれを獲得した。

シュタインハウザーはパッソ・セッラ山頂通過後に形成された逃げに加わっていたが、この逃げはチームDSMフィルメニッヒ・ポストNLが引く集団に、ゴールまで残り61.5kmのパッソ・ゴッベラ(カテゴリー3)で吸収された。同じく序盤の逃げに加わっていたアマヌエル・ゲブラーザービエ(リドル・トレック)が残り59kmでもう一度逃げ出し、シュタインハウザーは11km先で彼に追いついた。

ゴールまで残り34kmで最初のパッソ・ブロコン(カテゴリー2)の登坂が始まり、ゲブラーザービエが遅れて先頭はシュタインハウザーだけになった。この時集団はすでに1分半後方だった。ゴールへと向かうパッソ・ブロコンのふもとでは、その差は3分に広がっていた。

メイン集団はイネオス・グレナディアズが先頭を引き始め、ベン・オコナー(デカトロン・AG2Rラモンディアル チーム)が遅れてしまった。ゴールまで残り3.5kmでダニエル・マルティネス(ボーラ・ハンスグローエ)がアタックを試みたが、マイヨ・ジョーヌを着たポガチャルのスイッチを入れるきっかけになっただけだった。
 

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最後の坂でアタックしたマルティネス。しかし、マリア・ローザのポガチャルを出し抜く事はできなかった (photo : LaPresse)

 
アタックを開始したポガチャルは単独で坂を駆け上がり始めたが、シュタインハウザーのアドバンテージはまだ2分あり、ゴールは2km先だった。前日のようなドラマはなく、シュタインハウザーはそのまま逃げ切り、22歳でジロ区間初優勝を手中に収めた。

■グランツール初参加で区間初優勝したシュタインハウザーのコメント
「これは信じられない事だ。第15ステージで既に自分が良い脚を持っている事に気がついていて、区間優勝できるに違いないと思っていた。リヴィンニョのクイーンステージは信じられないような日だった。区間3位でボクのジロは既に成功していた。そして今日は既に出走サインで自転車に乗った時に、今日は勝てるかもしれないと自分自身に語りかけていた。

最初から逃げに行った。自分たちが捕まったのが奇妙だった。それでもう一度トライする事に決めた。それをやって、うまくいった。道は(雨で)濡れていて滑りやすかった。最後の上りでは神経質になっていた。ゴールまでずっとプッシュしなければいけないのは分かっていた。ポガチャルがアタックしたのは(無線で)聞いていたが、既に残り2kmだった。これがビッグなキャリアの始まりである事を願うよ」
 

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メイングループからアタックしたマリア・ローザのポガチャル (photo : LaPresse)


■第17ステージ結果

[5月22日/セルヴァ・ディ・ヴァル・ガルデナ~パッソ・ブロコン/159 km]
1. STEINHAUSER Georg (EF EDUCATION – EASYPOST / GER) 4:28:51
2. POGAČAR Tadej (UAE TEAM EMIRATES / SLO) +1:24
3. TIBERI Antonio (BAHRAIN VICTORIOUS / ITA) +1:42
4. THOMAS Geraint (INEOS GRENADIERS / GBR) +1:42
5. MARTINEZ POVEDA Daniel Felipe (BORA – HANSGROHE / COL) +1:42
6. RUBIO REYES Einer Augusto (MOVISTAR TEAM / COL) +1:42
7. BARDET Romain (TEAM DSM-FIRMENICH POSTNL / FRA) +1:42
8. ARENSMAN Thymen ((INEOS GRENADIERS / NED) +1:55
9. HIRT Jan (SOUDAL QUICK-STEP / CZE) +1:55
10. MAJKA Rafal (UAE TEAM EMIRATES / POL) +1:55
12. O’CONNOR Ben (DECATHLON AG2R LA MONDIALE TEAM / AUS) +2:23

■第17ステージ後の総合成績(マリア・ローザ)
1. POGAČAR Tadej (UAE TEAM EMIRATES / SLO) 63:31:18
2. MARTINEZ POVEDA Daniel Felipe (BORA – HANSGROHE / COL) +7:42
3. THOMAS Geraint (INEOS GRENADIERS / GBR) +8:04
4. O’CONNOR Ben (DECATHLON AG2R LA MONDIALE TEAM / AUS) +9:47
5. TIBERI Antonio (BAHRAIN VICTORIOUS / ITA) +10:29
6. ARENSMAN Thymen ((INEOS GRENADIERS / NED) +11:10
7. BARDET Romain (TEAM DSM-FIRMENICH POSTNL / FRA) +12:42
8. RUBIO REYES Einer Augusto (MOVISTAR TEAM / COL) +13:33
9. ZANA Filippo (TEAM JAYCO ALULA / ITA) +13:52
10. HIRT Jan (SOUDAL QUICK-STEP / CZE) +14:44

[各賞]
■ポイント賞(マリア・チクラミーノ): MILAN Jonathan (LIDL-TREK / ITA)
■山岳賞(マリア・アッズーラ): POGAČAR Tadej (UAE TEAM EMIRATES / SLO)
■新人賞(マリア・ビアンカ): TIBERI Antonio (BAHRAIN VICTORIOUS / ITA)
 

(photo : LaPresse)

 

ジロ・デ・イタリア公式サイト

J SPORTS ジロ・デ・イタリア特設サイト

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