ジロ・デ・イタリア2024 第6ステージはサンチェスが区間初優勝

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イタリアで開催中の第107回ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、5月9日にトッレ・デル・ラーゴ・プッチーニ(ヴィアレッジョ)からラポラーノ・テルメまでの180kmで第6ステージを競い、スペインのペラヨ・サンチェス(モビスターチーム)がフランスのジュリアン・アラフィリップ(スーダル・クイックステップ)をゴールスプリントで打ち負かし、初参加で区間初優勝を果たした。
 

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区間初優勝したサンチェスはスペインに2019年以来の区間優勝をもたらした (photo : LaPresse)

 
区間3位はオーストラリアチャンピオンのルーカス・プラップ(チーム ジェイコ・アルウラー)だった。メイン集団は29秒遅れでゴールし、スロベニアチャンピオンのタデイ・ポガチャル(UAEチーム・エミレーツ)が総合リーダーのマリア・ローザを守った。
 

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ポガチャルがマリア・ローザを守って第7ステージの個人TTに挑む事になった (photo : LaPresse)


グラベルに挑むステージ

イタリア中部トスカーナ州が舞台となった第6ステージは、ストラーデ・ビアンケ(UCIワールドツアー)でお馴染みのグラベル(未舗装路)がコース後半に3カ所設定されていた。前日に落車したイスラエル・プルミエテックのマイケル・ウッズ、ライリー・ピックレル、ナダフ・ライスベルクと、フロリアン・リポヴィッツ(ボーラ・ハンスグローエ)が出走せず、165選手がスタートした。

オフィシャルスタートからアタックが始まったが、逃げはなかなか決まらず、最初の1時間の平均時速は51.8km/hになった。残り100kmを切ってやっと7人が逃げ出す事に成功し、ここにアラフィリップ、サンチェス、プラップが加わっていた。
 

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ストラーデ・ビアンケでお馴染みの白い未舗装路(グラベル)を走る集団 (photo : LaPresse)

 
ゴールまで残り49.5kmで、4.4km続く最初のグラベル区間が始まった時、先頭グループと集団のタイム差は2分53分になり、プラップがバーチャル・マリア・ローザになった。カテゴリー4の上りがあった2カ所目のグラベルで先頭グループからアラフィリップ、サンチェス、プラップが先行し、3人でゴールを目指した。集団はグラベル区間でイネオス・グレナディアズが先頭を引き続け、タイム差は1分半に縮まった。

最後のグラベル区間を通過した後、残り11kmで先頭を走っていたサンチェスがランドアバウトを回りそこなうアクシデントが発生したが、幸い落車はしなかった。ここで最後尾を走っていたプラップが単独で先行したが、1km先で2人に追いつかれた。最後は3選手でのゴール勝負になり、残り150mでスパートしたアラフィリップをあっさり追い越したサンチェスが、24歳でグランツール区間初優勝を勝ち取った。

■区間初優勝したサンチェスのコメント
「自分が何をしたのか理解できない。言葉にならない。今年の初めから、今日のために序盤のステージではエネルギーを節約する計画だった。逃げで区間優勝する事を念頭に置いていたが、それは難しかった。レース中、逃げ切るのは難しいだろうと思っていた。最後までエネルギーを温存する事にベストを尽くした。みんながアタックした時も、冷静でいようと努めた。(上りで)動いて、プラップとアラフィリップを蹴落とそうとしたが、それはボクでは不可能だった。だから唯一勝つ方法はスプリントだった。グランツールを走るのは夢だった。ブエルタ・ア・エスパーニャは去年ブルゴス・BHで走り、今初めてのジロ・デ・イタリアだ。ここで区間優勝するのは全くクレイジーだ」
 

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ジロ初参加のサンチェスがゴールスプリントでアラフィリップを打ち負かした (photo : LaPresse)

 
■第6ステージ結果

[5月9日/トッレ・デル・ラーゴ・プッチーニ(ヴィアレッジョ)~ラポラーノ・テルメ/180 km]
1. SANCHEZ MAYO Pelayo (MOVISTAR TEAM / ESP) 4:01:08
2. ALAPHILIPPE Julian (SOUDAL QUICK-STEP / FRA)
3. PLAPP Lucas (TEAM JAYCO ALULA / AUS) +0:01
4. PICCOLO Andrea (EF EDUCATION – EASYPOST / ITA) +0:24
5. NARVAEZ PRADO Jhonatan Manuel (INEOS GRENADIERS / ECU) +0:29
6. MEZGEC Luka (TEAM JAYCO ALULA / SLO) +0:29
7. HERMANS Quinten (ALPECIN-DECEUNINCK / BEL) +0:29
8. SCHULTZ Nicholas (ISRAEL – PREMIER TECH / AUS) +0:29
9. MARTINEZ POVEDA Daniel Felipe (BORA – HANSGROHE / COL) +0:29
10. LUTSENKO Alexey (ASTANA QAZAQSTAN TEAM / KAZ) +0:29

■第6ステージ後の総合成績(マリア・ローザ)
1. POGAČAR Tadej (UAE TEAM EMIRATES / SLO) 23:20:52
2. THOMAS Geraint (INEOS GRENADIERS / GBR) +0:46
3. MARTINEZ POVEDA Daniel Felipe (BORA – HANSGROHE / COL) +0:47
4. UIJTDEBROEKS Cian (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / BEL) +0:55
5. RUBIO REYES Einer Augusto (MOVISTAR TEAM / COL) +0:56
6. FORTUNATO Lorenzo (ASTANA QAZAQSTAN TEAM / ITA) +1:07
7. LOPEZ PEREZ Juan Pedro (LIDL-TREK / ESP) +1:11
8. HIRT Jan (SOUDAL QUICK-STEP / CZE) +1:13
9. LUTSENKO Alexey (ASTANA QAZAQSTAN TEAM / KAZ) +1:26
10. CHAVES RUBIO Jhoan Esteban (EF EDUCATION – EASYPOST / COL) +1:26
[各賞]
■ポイント賞(マリア・チクラミーノ): MILAN Jonathan (LIDL-TREK / ITA)
■山岳賞(マリア・アッズーラ): POGAČAR Tadej (UAE TEAM EMIRATES / SLO)
■新人賞(マリア・ビアンカ): UIJTDEBROEKS Cian (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / BEL)
 

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(photo : LaPresse)

 

ジロ・デ・イタリア公式サイト

J SPORTS ジロ・デ・イタリア特設サイト

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