初開催のグラベル欧州選手権2023で地元のストゥイヴェンが優勝

  • photo ©SprintCycling

ベルギー北部ブラームス・ブラバント州のオウド・ヘーベルレーで、10月1日に2023年UECグラベル・ヨーロッパ選手権が初開催され、近隣のヘーベルレーに住んでいるベルギーのヤスペル・ストゥイヴェン(リドル・トレック)が、独走で初優勝した。
 

EK-GRAVEL 2023

近隣に住んているストゥイヴェンがグラベル・ヨーロッパ選手権でサプライズな勝利を収めた (©SprintCycling)

 
グラベル・ヨーロッパ選手権は、ベルギーのナショナル選手権が同時開催され、31歳のストゥイヴェンはグラベルのベルギーチャンピオンにもなった。2位は1分21秒遅れでベルギーのティム・メルリール(スーダル・クイックステップ)、3位はドイツのパウル・フォスだった。
 

EK-GRAVEL 2023

初代グラベル欧州チャンピオンになったベルギーのストゥイヴェン (©SprintCycling)

 
初開催の欧州選手権

近年ヨーロッパでも人気が高まっているグラベルレースは、昨年10月にイタリアで世界選手権が初開催され、ベルギーのジャンニ・ヴェルメールシュ(アルペシン・ドゥクーニンク)が初代王者になった。これに続き、今年は欧州自転車競技連合(UEC)がベルギーでヨーロッパ選手権を初開催し、ロードやシクロクロスのトップ選手たちが大勢参加し、男子エリートは130選手がスタートした。

ストゥイヴェンは開幕前にベルギーのスポーツTVチャンネル『スポルザ』のインタビューで、メルリールやティボー・ネイス(リドル・トレック)のような、シクロクロスでの経験が豊富な選手たちと競えるとは思えないと語っていた。

ベルギーも今年は記録的に気温の高い秋が続き、大会当日は晴れで気温は24℃だった。男子エリートのレースは全長160.9kmで、28.4kmのローカルラップを2周した後、1周47.3kmのビッグループを周り、再びローカルラップに戻って2周するレイアウトになっていた。優勝候補の1人だったネイスは2周目で落車し、レースを棄権した。ビッグループには2カ所の坂があり、そこで先頭には12人の精鋭グループが形成され、ストゥイヴェンも加わっていた。

ゴールまで残り56kmでローカルラップに戻ってきた時、ストゥイヴェンはパンクに見舞われたが、幸運にも機材ステーションが近くにあり、チームメイトのネイスが車輪交換を手助けしてくれたお陰で、すぐ精鋭グループに復帰する事ができた。一方、グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(AG2R・シトロエン チーム)は森の中でパンクに見舞われ、精鋭グループから脱落してしまった。
 

EK-GRAVEL 2023

地元の大声援を受けて走ったストゥイヴェン (©SprintCycling)

 
ゴールまで残り28.4kmの最終周回に入ってすぐに、ストゥイヴェンは精鋭グループからアタックし、単独で逃げ続けていたアレックス・コルマン(チームフランダース・バロワーズ)を追い抜いて先頭に立った。後方ではアルカンシエルを着たヴェルメールシュ、メルリール、フォス、フロリアン・ヴェルメールシュ(ロット・デスティニー)、ペトル・ヴァコッチュが追走したが、オウド・ヘーベルレーの道を知り尽くしているストゥイヴェンとのタイム差は広がる一方だった。

ストゥイヴェンは後続に1分以上の差を付けてゴールし、2021年にイタリアのミラノ~サンレモ(UCIワールドツアー)で勝って以来の勝利を収めた。ゴールで彼は応援に駆けつけていた家族や友人たちに囲まれ、祝福されていた。後続はゴールスプリントを競い、メルリールが2位、フォスが3位になった。グラベル世界チャンピオンのヴルミールシュは4位でレースを終えた。

来週10月8日にはイタリア北東部のヴェネト州で、第2回UCIグラベル世界選手権大会が開催される。ヨーロッパチャンピオンになったストゥイヴェンは、同じ日にフランスで開催されるパリ~ツール(UCIプロシリーズ)に参加する予定だが、予定を変更してグラベル世界選に参加する可能性も出てきた。

来年のUCIグラベル世界選手権はベルギーで開催され、ヨーロッパ選手権の舞台となったオウド・ヘーベルレー近郊のルーヴァンがゴールになる為、今回使われた未舗装路がコースに加わる事になるだろう。
 

EK-GRAVEL 2023

グラベル・ヨーロッパ選手権男子エリートの表彰台。左から2位メルリール(ベルギー)、優勝したストゥイヴェン(ベルギー)、3位のフォス(ドイツ) (©SprintCycling)


■UECグラベル・ヨーロッパ選手権・男子エリート結果

[10月1日/オウド・ヘーベルレー(ベルギー)/160.9km]
1. STUYVEN Jasper (LIDL TREK / BEL) 4:16:27
2. MERLIER Tim (SOUDAL – QUICK-STEP / BEL) +1:21
3. VOSS Paul (GER) +1:21
4. VERMEERSCH Gianni (ALPECIN-DECEUNINCK / BEL) +1:21
5. VERMEERSCH Florian (LOTTO DSTNY / BEL) +1:22
6. VAKOC Petr (CANYON ISADORE / CZE) +1:23
7. VAN LERBERGHE Bert (SOUDAL QUICK-STEP / BEL) +4:20
8. RAßMANN Frederik (DAUNER AKKON / GER) +4:20
9. LOOCKX Lander (BEL) +4:22
10. PANHUYZEN Kevin (GIANT LIV BENELUX OFFROAD TEAM / BEL) +4:26
 

EK-GRAVEL 2023

女子エリートはオーストラリアのクロムウェルが優勝したが、17秒遅れで2位に入ったオランダのウィーベスが初代欧州チャンピオンになった (©SprintCycling)

 

UECグラベル・ヨーロッパ選手権/ベルギー選手権公式サイト

UEC公式サイト