ストラバが2022年をまとめ 自転車通勤や海外渡航が回復

目次

アスリートのためのソーシャルネットワークサービスで、1億人以上のアスリートが参加するStrava(ストラバ)が、2022年版の「Year In Sport(イヤーインスポーツ)」 を発表した。Year In Sportは、スポーツとアクティブトランスポーテーションの世界的なトレンドを明らかにし、1年を締めくくる年次報告書だ。

ストラバイヤーインスポーツ2022

2022年はトレイルスポーツの人気は継続し、通勤のトレンドが変化、そしてテクノロジーやグループアクティビティを通じて仲間たちと生活の一部を共有する習慣など、ニューノーマルのルーティンとなるものが定着していると言える。

また、1年で最も急速に成長しているスポーツは、パンデミックの最初の年に閉鎖されたスキー場やジム、プールなど共同スペースで行われるアクティビティだった。特に女性においては、アルペンスキーに次いで増加したアクティビティはウェイトトレーニングだった。そして、過去1年間にアスリートが自国外でアップロードしたアクティビティは101%増加しおり、海外渡航が復調している。

 

海外渡航がパンデミック前の水準に迫る

パンデミック以来、各国で旅行規制が緩和され始めたこの1年。自国外でアクティビティをアップロードしたアスリートのシェアは、全世界的に昨年より101%増加し、また、2019年の水準までわずか3%と迫った。日本からの渡航者によるアップロードが最も多かった国は、ダントツでアメリカだった。

日本のアスリートの旅行先ランキング

 

トレーニングパートナーの存在意義

ペアでアクティビティを行なったアスリートは、単独の場合よりも時間・距離ともに長くなり、3人以上のグループだとさらに長くなる傾向がある。特に日本のサイクリストは、ペアの方が単独の場合よりも2倍以上、3人以上のグループで3倍以上の時間と距離をライドした。また、サイクリストは単独よりもグループの方が速度が出るという結果も出ている。

しかし、日本は主要国の中で唯一、ランニングにおいてこの傾向が当てはまらなかった。より詳しく紐解くと、18〜29歳の若年層および49歳以下の男性は、グループで走ることで、むしろ距離も活動時間も短くなる傾向が見られた。

世界でのグループと個人とのアクティビティの比較
日本でのグループと個人とのアクティビティの比較

 

 

欧米諸国におけるeバイクの普及

ストラバでeバイクに乗るサイクリストの世界シェアは2022年に26%増加した。スイス、イタリア、オーストリアなど、山岳地域で有名な国での人気が目立つ中、日本ではeバイクの顕著な普及は見られなかった。

国別のeバイクライドの割合

 

eバイクの使用率は、年齢層が上がるにつれて顕著に高まる傾向があった。また、eバイクのライドは非eバイクよりも通勤に使われる確率が30%高いという傾向が見られた。

世代ごとのeバイクライドの割合

 

自転車通勤の変化

出社の自粛に伴い、ライドにおける通勤の割合は減少した。しかし、パンデミックから2年経ち、世界的にストラバでの自転車通勤の割合は再び増加し、女性の自転車通勤率は、男性よりも早くパンデミック前の数値に戻っている。

2019年からの自転車通勤するサイクリストの割合比較

 

ストラバメトロと提携し、より良いサイクリング用の交通インフラを構築したパリを含むいくつかの都市では、2019年と比較して自転車通勤が大幅に増加した。また、東京でも46%増加している。

自転車通勤が急増している都市

一方で、依然として減少傾向にある都市もあり、変化に地域性が見られた。

自転車通勤が減少したままの都市

また、世界の多くの都市部では、自転車はレクリエーションのためではなく、主に交通手段として利用されている。その傾向はヨーロッパの都市で最も顕著だが、ボストンや東京でも高い割合を占めている。2022年に日本で記録されたライドの49%が通勤ライドだった。

自転車通勤の割合が高い都市

多くの都市では、週明けの月曜日ではなく、火曜日または水曜日に通勤が増加する傾向が見られた。

 

イベントの再開に伴うマラソンの復活

多くのレースが復活した2022年、ストラバでマラソンのアクティビティを記録したランナーの割合は、2021年に比べてほぼ倍増した。オランダでは、フルマラソンを完走したランナーの増加率は3倍にものぼり、日本でも1.6倍に増加している。

マラソンが増加した国ランキング

 

2022年最も盛り上がったスポーツは?

ハイキングの人気は過去3年間でストラバ上で3倍になり、2022年には52%のアスリートがトレイルアクティビティをストラバにアップロードしている。

また、1年で最も急速に成長しているスポーツは、パンデミックの最初の年に閉鎖されたスキー場やジム、プールなど共同スペースで行われるアクティビティだった。特に女性においては、アルペンスキーに次いで増加したアクティビティはウェイトトレーニングだった。

最も伸びたスポーツタイプ