スペシャライズドの人気フラットペダル用MTBシューズを使ってみた

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スペシャライズド(SPECIALIZED)が放つMTB(マウンテンバイク)トレイルライド向けのフラットペダル用シューズ「2FO ROOST FLAT MTB SHOE(2FOルーストフラットMTBシューズ)」を使用してみたレビューをお届けしよう。一時期品薄状態が続いた人気モデルだけに、気になっている人は多いはず。

スペシャライズド・2FOルーストフラットMTBシューズ

スペシャライズド・2FOルーストフラットMTBシューズ

「2FO ROOST FLAT MTB SHOE」の特徴

「2FOルーストフラットMTBシューズ」のアウトソール

「2FOルーストフラットMTBシューズ」のアウトソール

スペシャライズド独自の「スリップノットSTラバーソール」という、柔らかめのコンパンドを使ったソールが配置される。これによりペダルをしっかりとつかむような感覚で、ソールがペダルに食いついてくれる。またウェット環境下での食いつき性能も高められており、あらゆる天候でペダルとの一体感が得られるようになっている。

「2FOルーストフラットMTBシューズ」の爪先部分

「2FOルーストフラットMTBシューズ」の爪先部分

爪先部分にはプロテクションが配置され、もし岩や木の根に脚の指をヒットさせてもダメージが少なくなるようになっている。

ペダリング性能が追求されていることも大きな特徴だ。スペシャライズドが培った「ボディジオメトリー」のテクノロジーが用いられミッドソールとインソールの部分が人間工学に基づいた設計となっており、ペダリングしたときに股関節と膝、そして足の部分が一直線になる。これによって、ペダリングの効率が高められるのだ。

これらによって、下りはしっかりとペダルに食いつき安全性も確保してくれるうえ、上りも楽にペダリングできる作りの一足となっている。

デザインのスタイリッシュさも魅力の一つで、ぱっと見おしゃれなスニーカーのようだ。MTBシューズとしての性能を押さえつつも、山を降りた後でも違和感なく履ける、というわけだ。

「2FO ROOST FLAT MTB SHOE」スペック

●価格:1万4300円

●サイズ:36〜44

●カラー:ブラック/スレート、キャストアンバー、オークグリーン/ブラック

●重量:約360g(片足/サイズ42)

「2FO ROOST FLAT MTB SHOE」インプレッション

インプレッションライダー/サイクルスポーツ編集部・大宅

インプレッションライダー/サイクルスポーツ編集部・大宅。もともとはロードバイク一筋だったが、ここ数年でMTBトレイルライドにドハマリ中。基本的なスキルを勉強中だ

使ってみてまず感じるのは、ペダルへの食いつきの強さだ。軽く足を乗せただけで、ビシッとピンに食らいついてくれる感覚が気持ち良い。特に横にずれる動きに強く、トレイルを下っているときにドロップや木の根による衝撃で足が外れにくく、非常に頼もしい。また食いつきの強さから後輪を上げたりする動作もかなりやりやすい。

次に良いと感じたのは歩きやすさだ。トレイルではどうしてもバイクを押し歩くシーンはあるし、MTBパークでライドするときも頻繁にバイクを押して歩く。そんなときハイキングシューズを履いているかのような歩きやすさで、泥でぬかるんだ路面でも滑りにくく、安心感が非常に高い。

スペシャライズドお得意の「ボディジオメトリー」テクノロジーによるペダリング効率の良さも特徴ということだったが、これも確かにそのとおりで、ペダリング感は良好だ。またアウトソール自体のほどよい硬さもペダリングのしやすさに一役買っており、特にきつい上り坂になってもソールが踏み負けてしまうことがなく、ビンディングシューズを履いている並みのペダリングのしやすさを感じた。

と、完全無欠のトレイル系シューズのように思われたが、一つだけ気になった点が。アウトソールがペダルとの食いつきを高めた設計になっているからか、ぬかるんだ土の路面を歩いたときにそれがソールにややたまりやすく、かつそれを払いのけにくいように感じる。土がソールにたまってくると当然ペダルへのグリップも落ちるので、その際はよくこそげ落とす必要がある。とはいえ、欠点というほどのことでもなく、注意していれば問題はない。

さて、これだけの性能の高さで価格は約1万4000円と、コストパフォーマンスは申し分ない。性能とは直接関係ないが、ルックスもかなりいいと思う。トレイルライドやMTBパークでの下り系ライドで活躍してくれることはもちろん、近年人気のエンデューロレースでも使えるだろう。

が、いつ売り切れで入荷待ちになるかもわからないので、欲しい人は早めに注文しておいた方がいい。