東京発! サイクリング コース9 奥武蔵・峠チャレンジ

目次

map オゾングラフィックス

関東平野が途切れる埼玉県の西部、飯能から秩父にかけての山地を「奥武蔵」と呼ぶことが多い。ここには標高300〜1000mほどの峠が20近くもある。このエリアでサイクリストにとってメインルートといえるのが、舗装林道である「奥武蔵グリーンライン」だ。これを進むと、標高818mの刈場坂峠を筆頭に、いくつもの峠を連続して越えることができる。ここでは東武東上線の駅と道の駅がある小川町をスタート&ゴールにして、奥武蔵グリーンラインを体験する。書籍「東京発! サイクリング」の中では一番手強いコースなので、力試しのつもりで挑んで欲しい。都心から利用しやすい東武東上線と西武池袋線に挟まれたエリアなので、輪行を駆使すれば距離と獲得標高(上り量)を調整することもできる。

松村氏とパートナー

「東京発! サイクリング」の営業を担当する松村氏が、パートナーと共に峠に挑戦。eバイクがあれば、脚力差があっても楽しく峠越えができる、という狙いだったが……

 

コース情報

走行距離 約69km

小川町駅→(約100分・約20km)→黒山三滝→(約70分・約8km)→顔振峠→(約80分・約10km)→刈場坂峠→(約30分・約5km)→白石峠→(約20分・約3km)→定峰峠→(約70分・約23km)→小川町駅

コースデータはこちら

奥武蔵・峠チャレンジのルートマップ

近年の風水害で通行止めが続いた奥武蔵グリーンラインだが、2021年5月に復旧。顔振峠から定峰峠まで走れるようになったが、県道11号は秩父側で通行止めが続いている。サイクリングを計画する際は、埼玉県のホームページで通行可否を確認しよう

アクセス

奥武蔵は山深いエリアだが、山間の盆地に秩父という比較的大きな街があるため、鉄道路線には恵まれている。東武東上線と西武池袋・秩父線が共に池袋から伸びており、豊島区や練馬区といった都内西部からのアクセスが抜群にいい。秩父盆地から熊谷へ延びる秩父鉄道はサイクルトレインも実施しており、味わい深いローカル線だ。ここではカーサイクリング向けの周回コースを設定したが、輪行を活用したワンウェイコースも組みやすい。荒川を経由して自走で訪れる人も多い。

小川町駅

東武東上線の小川町駅。池袋駅から快速で70分弱だ

 

eバイクで華麗に峠越え?

いったん奥武蔵グリーンラインに上がってしまえば、もう極端な急坂は現れない。稜線沿いをゆるゆる上りながら、自分なりのペースで刈場坂峠をめざそう。木陰が多いので、夏場も走りやすい。奥武蔵グリーンラインは分岐が多いので、あらかじめスマホやハンディGPSにコースを登録しておくと安心だ。

槻川

小川町の道の駅から走り出すと、しばらくは槻川(都幾川の支流)沿いの穏やかな道が続く

下里分校

廃校後も保存されている下里分校。開放されている校庭に入ると、懐かしい木造校舎や遊具が迎えてくれる

都幾川

都幾川の土手に延びる農道を進む。次第に住宅が途切れ、山並みが迫ってくる。梅林が有名な越生(おごせ)町に入ると上りのスタートだ

八高線

コースはJR八高線をまたぐ。埼玉県内では珍しい非電化路線(一部)だから空が広い

黒山三滝

コース沿いのパワースポット、黒山三滝へ。男滝、女滝、天狗滝と3つの滝が飛沫を上げる

傘杉峠

奥武蔵グリーンラインは麓からの取り付きがしんどいが、道中の傘杉峠や飯盛峠などは楽に越えることができる

上りで泣きを入れる松村氏

パートナーのために用意したeバイクだが、上りで泣きが入った松村氏も乗ることに

eバイクに乗る松村氏

あと5分だけ、などと言ってなかなか返さない

顔振峠

黒山三滝から標高差300mを一気に上り詰めて奥武蔵グリーンラインに出ると、標高502mの顔振峠が現れる

平九郎茶屋

顔振峠の平九郎茶屋でおそばをいただく。さっぱりした喉越しが上りの疲れを癒してくれる

奥武蔵グリーンラインの舗装

奥武蔵グリーンラインは全線が舗装されているが、路面が傷んだり苔で滑りやすい箇所も多い。慎重に進もう

刈場坂峠

奥武蔵グリーンラインで最高地点となる標高818mの刈場坂峠。これで上りはほぼ終了。熊谷方面の視界が広い

刈場坂峠からの広い展望を満喫したら、道なりに下っていき(左折する正丸峠方面への下りは激坂なので要注意)、大野峠の分岐で右折して白石峠へ。健脚自慢が集う白石峠だが、奥武蔵グリーンラインから向かえば下りだけで到着する。ここも道なりに進んでいき、定峰峠から県道11号で下界へ降りよう。上り返しがないので、スムーズに小川町へ戻ることができる。

白石峠

広いT字路に出たら白石峠。ときがわ町からの上りでタイムアタックするロードレーサーが多い

白石峠~定峰峠の下り

峠を含むコースは下りこそ要注意。白石峠〜定峰峠の間には走り屋対策のバンプや溝があるので慎重に下ろう

定峰峠の茶屋

50年の歴史を誇る定峰峠の茶屋。飾らないラーメンや味噌おでんが味わえる。爽やかな水出しコーヒーもおすすめ

 

使用バイク:BESV JG1

eグラベルバイクが新しい世界を見せてくれる

JG1

フォルムの美しさとタフな走破性を併せ持つスポーツeバイクが登場

BESV JG1
価格:36万9600円
問:ベスビージャパン

スポーツ自転車のジャンルとしてすっかり定着した感があるeバイク。上りが苦にならないから、峠を含むコースにも積極的に走り出すことができる。eバイクのトップブランドであるベスビーから登場したJG1は、大きな盛り上がりを見せているグラベルシーンに対応したモデル。軽量なアルミフレームにバッテリーを内蔵しており、一見するとeバイクに見えない流麗なスタイルを実現しつつ、悪路をものともしない700×38Cのタイヤを備えているのが魅力だ。油圧ディスクブレーキと幅広いギア比を使いこなせるシマノ・GRXを採用し、あらゆるシーンで爽快なライドが楽しめる。

JG1のバッテリー

36V 7.0Ahの大容量リチウムイオンバッテリーをフレームに収納。オプションのトップチューブ用バッテリーバッグと予備バッテリーを用意すれば、さらなるロングライドも可能

JG1のカラー液晶パネル

見やすいカラー液晶パネル

JG1のスイッチ

ドロップハンドルに対応したデュアルアシストコントロールスイッチを備える

JG1のリヤディレーラー

コンポーネントにはシマノ・GRXを採用

JG1

距離と上り量が多いコースも余裕で走りきれるパワーとスタミナを備えたeグラベルバイク

 

 

今回ピックアップした魅力いっぱいのコースだけでなく、他にもたくさんのコースを紹介しているサイクルスポーツ特別編集「東京発! サイクリング」は、都民や近県にお住まいで、自転車通勤や休日ライドによってサイクリングに関心が高まっている方へ贈るコースガイドです。都心から自走圏内、もしくは輪行で1時間〜2時間ほどでアクセスできる関東近郊での、超おすすめなサイクリングコースを紹介します。巻頭では、関東を代表する5つの自転車道を徹底リポート。輪行の方法もわかりやすく解説します。日帰りから一泊二日で楽しめる、自転車をとおした「大人の遠足」を提案します。

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