ストラバが世界7300万人のアスリート統計データを公開

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ストラバは世界195か国、7300万人以上のアスリートがストラバに投稿した過去1年間のアクティビティの記録を集計し、分析した「イヤーインスポーツ2020(Year In Sport 2020)」を発表した。異例の状態が続いた2020年、世界中のアスリートは、パンデミックの渦中でも安全を保ちつつアクティブに過ごすという、新たな挑戦に立ち向かった。新しい生活様式の中で、世界のアスリートのアクティビティの新しい傾向や習慣、日本独自のアクティビティからのインサイトを見ることができる。

国ごとに異なるコロナ禍の状況、日本では

日本とブラジルでは屋外アクティビティがわずかに減少したが、3月下旬には活気を取り戻した

パンデミックの拡大によりロックダウンが行われたイタリアやスペインでは該当期間の屋外アクティビティの減少が顕著に見られたが、世界的な傾向としてストラバのアクティビティは前例がないほど増加した。日本国内においても、コロナウィルスの脅威が世界中に広がった3月上旬、屋外アクティビティがわずかに減少したが、3月下旬から徐々に活気を取り戻し、5月に最もアクティビティが盛んに行われた。

2020年1月1日〜11月29日の期間で、日本国内で最もアクティブだった日は517日(日)。次にアクティブだった日は5月25日(日)と、東京などの主要都市で緊急事態宣言が発令された期間(47日〜525日)終盤の日曜日となった。在宅ワークや外出の自粛が呼びかけられた期間中、インドアトレーニングを取り入れてるなど、アクティビティに励んだことが推測される。

サイクリストは8月2日(日)に屋外ライドが多く、その日の東京の最高気温31.5°だった

緊急事態宣言が発令された期間(4月7日〜5月25日)のアクティビティ

さらに、緊急事態宣言が発令された同期間のアクティビティを2019年と比較すると、それぞれの年の「最もアクティブな日TOP50」にランクインした日数は、2020年はランとインドアは大幅に増え、「最もアクティブでなかった日TOP50」にランクインした日数は大きく減少した。在宅ワークや外出の自粛が呼びかけられた期間中に、ランニングやインドアアクティビティに励んだアスリートは多かったと言える。

日本のラン、ライドともに1回の平均距離などは昨年よりも増加

2019年10月1日~2020年9月30日の公開アクティビティの総計(日本)

2020年と2019年のラン、ライドそれぞれの1回の平均距離を比較すると、平均ランニング距離は6.8kmから6.9kmに、平均ライド距離も21.5kmから21.6kmと昨年から微増平均ランニング時間は4023秒から4038秒に増え、ライドのアクティブトラベルは昨年比で男性のライド件数が13%増え、女性が22%増えている。世界的にもアクティブトラベルは昨対比で男性のライド件数が34.7%、女性が77.2%増加した。

ストラバ 共同創設者 / CEO マイケル・ホーヴァスのコメント

「フィジカル・ディスタンシングという難題に直面した1年でしたが、そうした中でもアスリートたちをモチベーションとパーソナルベストに導くお手伝いができ、大変うれしく思います。今年、ストラバのコミュニティはソロのバーチャルマラソンからエベレスティングのライド、そして日中の息抜きがてらの散歩まで、実に10億以上ものアクティビティと400万以上の写真を共有しました。世界中のアスリートたちがお互いを励まし合いながら乗り越えていく様子は、一つひとつの努力の積み重ねの重要さと“人を動かすのは人”であるということを改めて実感することができました」

パンデミックが起こした運動ブーム

全世界の週間アクティビティ数。予想をはるかに上回る数値だと見てとれる

屋内ライドは去年より1.7倍増加している

世界的なレベルで見ると、パンデミックの拡大によってストラバのアクティビティは前例がないほど増加した。

ストラバではライドとランニングが圧倒的にポピュラーなスポーツだが、パンデミックの中で屋内でのクロストレーニング系スポーツが2.2倍に増加、屋外でのウォーキングが飛躍し世界的には約3.0倍、国内でも昨年の2.0となった。また、ランナーの約11%が初めてライドのログをアップし、サイクリストの約8%がランのログを初めてアップした。

女性の飛躍

女性だけでなく男性のアクティビティ頻度が増えている

世界中で起きた変化は、ワークアウトの取り組み方だけでなく、その頻度にも影響を与えた。世界的に見ても、昨年アクティブだったアスリートは運動の頻度を13.3%増やし、特に女性と若年層でその傾向が顕著となった。世界的には18〜29歳の女性のアクティビティ数が45.2%増と飛躍が目立っており、日本国内では40〜49歳の女性が9.5%増と、国内の全年代の男女の中で最も飛躍していた。

クラウンの争奪戦

レースやイベントの中止が多かったなか、KOMやQOMの争奪戦が増加した

今年はセグメントリーダーボードにおけるクラウン保持者の入れ替わりが凄まじく、全世界でQOMで36%増、KOMで32%増。例年以上に白熱したトップ争いが繰り広げられた。

山は自分で作る、サイクリストの人気を集めたエベレスティング

5月からエベレスティングが注目され始め、6〜7月に挑戦者が増加した

1回のアクティビティでクライムを繰り返し、8848mの獲得標高を達成するエベレスティングがプロ・アマを問わず世界中のサイクリストの間で人気を集めた。日本国内でも人気を集め、「ストラバ ジャパンアワード 2020」で表彰された奥隆三郎さんも、エベレスティングのアクティビティによって「The MountainGoat」の賞を獲得した。

新規クラブ制作数はストラバ史上1

緊急事態宣言後に新規クラブとメンバーが急増している

ソーシャルディスタンスの確保やステイホームの要請は、コミュニティが今まで通りには活動できないことを意味した。しかしアスリートたちは、離れていてもつながり続ける方法を見つけた。例年、ストラバに登録されるクラブの新規作成数や参加数には大きな変化が見られないが、今年は新規クラブが増加し、参加者も多く見られた。これらの新しいクラブは、仲間との競争やコミュニケーション、モチベーションを共有する場として、企業のクラブから地元のショップ、学校のチームまで、多岐にわたる。

チャレンジに参加したアスリートは昨年の2倍

モチベーションを維持するためかチャレンジ参加者が増えた

ストラバのチャレンジは世界中のアスリートに共通の目標を提供し、モチベーションにつなげた。今年は3月から8月にかけて、チャレンジに参加したアスリートの人数は、全世界で昨年の2倍以上に増加した。

つながり続けること

新規クラブやメンバーが増えるにつれて、アスリートがフォローした数も増加した

コロナ禍で急変動した多くのデータのうち、おそらくこれが最も人間味を感じられるものだ。2019年と2020年の4月を比べると、ストラバアスリートがフォローした人の数は平均して約2倍増えた。

出典:ストラバ