グラベルライドを支える頼もしきニューコンポーネンツ、シマノ・GRXがもたらす7つのメリット

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協力:シマノ、トレック・ジャパン

どんな道だって走りたい、その先へ行ってみたい……。グラベルバイクが引き寄せたサイクリストの夢を、いっそう確かな現実にするコンポーネンツが「シマノ・GRX」だ。Explore Beyond〜未知なる景色を切り拓く〜シマノの経験と技術が創り出したGRXの真価に迫る。

GRX

グラベルとは直訳すれば砂利道だが、その響きには非日常的な冒険へのあこがれが感じられる。街を離れた静かな細道、舗装が途切れて砂利に変わっていく林道……そして、車では入れないトレイルをイメージする人もいるだろう。

サイクルツーリストの多くがそうした道を求め、探し、旅をしてきたが、その相棒である自転車には常に限界があった。ロードバイクやシクロクロスバイクを流用するか、古式ゆかしくも重いランドナーで行くか、MTBをカスタムするか……。

そうした現状への回答がグラベルバイクに他ならない。そして、北米で盛り上がりつつあるグラベルイベントなどを通じてニーズを実感したシマノが創り出したニューコンポーネンツがGRXである。必ずしも規則にとらわれる競技ではなく、素直にグラベルを楽しむ多くの人の想いに触れ、それに応えるべく新しい提案として開発されたという。そんなGRXがもたらす7つのメリットを解き明かしていこう。

タフな道と装備にふさわしいワイドなギヤ構成

グラベルと呼ばれる未舗装路では、軽いギヤ比が絶対に必要だ。ギャップによる走行抵抗の増大だけでなく、そうした道には急勾配も多い。グラベルバイクの特性を生かしてキャンプ道具などを積む場合は、なおさら軽いギヤが欲しい。従来のロード用コンポーネンツではフロント34T×リヤ34Tといったギヤの組み合わせが限界だったが、GRXはフロントに48/31Tのダブル、もしくは40Tのシングルギヤを採用しているので、フィールドに合わせて最適なギヤを選ぶことができる。前者はロード用のカセットと組み合わせることで歯数差の少ないきめ細かな変速が可能であり、後者はMTB用のカセットと組み合わせることで超ワイドレシオと直感的な変速フィールを得ることができる。いずれもライダーの疲労軽減に直結するので、グラベルライドとロングライドの両立も現実的になる。これがGRXを選ぶ一番のポイントだ。

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人車一体感をもたらすレバーデザイン

GRXのSTIレバーは、ロード用コンポーネンツ同様の変速フィールを実現しつつ、ブラケット部のスペースが広がっており、トップ部分の延長と相まってホールド感が高まっている。さらにブレーキレバーのピボット位置が上がっているので、より広いスペースに指を置くことができ、指の第一関節がフィットするスクエアな形状も特徴だ。ブラケットの滑り止めや表面の特殊加工と相まって、荒れたグラベルにありがちな突発的なギャップに遭遇しても、余裕を持ってバイクを操ることができる。その快適性はオンロードでも有効なのは言うまでもない。

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DI2および機械式の11スピードと、機械式10スピードの3グレード4モデルが用意されたSTIレバー。DI2モデルはスリムながら上部が延長されており、手を添えるだけで抜群の安定感が得られる

多様な状況に応える油圧ディスクブレーキ

さまざまな路面状況で走行することを前提とするため、GRXは全シリーズ油圧ディスクブレーキシステムが標準装備となり、ロード用フラットマウントキャリパーを採用。ディスクブレーキローターは放熱性能に優れた「アイステクノロジー」により、安定した制動力を生む。ホールド感に優れたSTIレバーと相まって、長い下りのダートでも乗り手に緊張を強いない。

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ワイドタイヤに対応するオフセットデザイン

グラベルバイクの設計で難しいのが、チェーンリングと太いタイヤが入るクリアランスの両立だ。その難題に対応するため、GRXはチェーンラインを2.5mm外側にオフセットしたクランクを開発。ダブル仕様ではトータルキャパシティ17Tのフロントディレーラーが投入され、シングル仕様ではチェーン落ちを防ぐ「ダイナミックチェーンエンゲージメント」を採用した。

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チェーンを操るスタビライザー機構

MTB用リヤディレーラーでは標準装備されるチェーンスタビライザー。これをGRXも採用しており、路面状況に応じて使い分けることができる。クラッチをオンにすればチェーンテンションが高まるので不意の衝撃によるチェーン落ちを防ぐことができる。常時オンにし、ホイール着脱時にオフにするのがお勧めだ。

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グラベルに最適化された700C&650Bホイール

GRXシリーズには、太いタイヤと相性が良いワイドリム(内幅21.6mm)を採用したホイールセット「WH-RX570」も用意されている。700Cと650Bを選ぶことができ、泥ハケが良いリムデザインも特徴だ。前後セットで4万5040円(税抜)と手頃な価格設定も魅力。完成車のアップグレードや、走行シーンに対応するタイヤの使い分け・交換用として導入しやすい。

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乗り手の要望に応える高い拡張性

ハンドルのフラット部に取り付け可能でコンパクトなサブブレーキレバー「BL-RX812」も用意されている。油圧ディスクブレーキ用としては唯一の製品であり、多様な乗り手とシーンに応えるGRXを象徴するオプションパーツと言える。ドロッパーシートポストのリモート操作に対応した左STIレバーなども用意されており、こうした高い拡張性もGRXシリーズの特徴だ。

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info

RX815シリーズDI2(11速) セット参考価格:22万円(税抜)
RX810シリーズ機械式(11速) セット参考価格:13.5万円(税抜)
RX600シリーズ機械式(11速) セット参考価格:10万円(税抜)
RX400シリーズ機械式(10速) セット参考価格:7万円(税抜)

※価格は全てダブル仕様。ケーブルやチェーン長、BBの仕様などによって価格は前後します。