英国のサイクリング協会が新型コロナウイルス感染を防ぐための乗り方を発表

目次

日本サイクルツーリズム推進協会(JCTA)が提携する英国のサイクリング協会「Cycling UK」が、2020年4月16日(日本時間17日)に「Coronavirus: A guide to social distancing and cycling」と題して、新型コロナウイルスの感染をどのように防ぎサイクリングをするのかを具体的にまとめて発表した。日本でも参考になる内容が含まれている。

英国サイクリング協会

Cycling UKの発表

英国ではロックダウンで外出制限が敷かれているが、散歩やランニング、サイクリングは心身の健康を保つ手段として認められている。ただし、2メートルのSocial Distancing(ソーシャル・ディスタンシング)を保つため、以下のような制限が課せられている。

  • 集団やグループで走らない
  • 他の人と2メートル以上離れる
  • 走行中も手を清潔に保つ
  • 前を走る人と十分な距離を保つ
  • 人通りの多い道や狭い道を避ける
  • 川沿いのルートや緑道、狭い自転車専用道路などは空いている時に走る
  • 歩道よりは、車道を走る
  • 車道を走る時は歩道を歩く人に配慮を!

集団やグループで走らない

1人、または同居する家族で走る(家族に自主隔離の人がいる場合はNG)。グループでは走らないようにする。

他の人と2メートル以上離れる

2メートルのソーシャル・ディスタンシングを保とう。新型コロナウィルスは飛沫で感染するため、感染した人が(たとえ、症状が出ていなくても)咳やくしゃみをするとウィルスが飛散し、移ってしまうので、たとえ、走行中に友人や知り合いに会っても、近づいて雑談をするようなことは行ってはいけない。

走行中も手を清潔に保つ

新型コロナウィルスは表面の硬いものに付着した場合もしばらくは生き続けるため、それに触れることでも感染する。走行中に手洗いに行くときもドアノブなどが汚染されている可能性もあることから、それに触れた手で顔などを触ると感染する恐れがある。サイクリング中も手洗いを頻繁に行い、清潔に保つ。アルコール消毒液を小さな容器に詰め、持っていくことも一案だ。

前を走る人と十分な距離を保つ

最近の調査では、前を歩いている人が咳やくしゃみをすると、ウィルスはしばらく空気中に残るため、後ろを歩く人に感染する可能性があることが指摘されている。ランニングやサイクリングをしている人の後ろを走るときは、それを念頭において走ろう。

人通りの多い道や狭い道を避ける

サイクリングに出かけるときは他の人との距離を2メートル以上保てるルートを選ぼう。人通りの多い道や狭い道、歩道もできるだけ避ける。また、人の少ない時間帯を選ぶようにする。

一昨年来日し、日本でもサイクルインストラクター講習を行ったCycling UKのトレーニングマネージャー、マット・ウッドコック氏は、

「人とすれ違う時は、スピードを落とし、軽いギヤに変え、惰性でホイールを回しながら、できるだけスペースを空けるようにしてください。ルート上に狭い道がある場合は、そのルートは避けるようにします。また、後ろから追い越す時は、短くHelloと声がけをするかベルを鳴らして(ベルを鳴らすのは日本では道路交通法54条2項違反となる場合がある)、自分が追い越そうとしていることを知らせ、追い越しぎわに軽くThank youとお礼を言いましょう。このような状況下では、いつもよりほんの少しレンドリーな気持ちになれると良いですね」

とアドバイスしている。

緑道や狭い自転車専用道路は空いている時に走る

普段なら安心して気持ちよく走れる自転車専用道路や川沿いのルート、自転車の入れる散歩道だが、自転車で走ろうとしても、人が多いと歩くようなスピードになり、後ろにぴったりとつくことになる。2メートルの距離を保ったり追い越したりすることが難しくなるので、空いている時間帯に走るようにする。

歩道よりは、車道を走る

走ることが許されている歩道は、人がすれ違うときに2メートルの距離を取ることができない。外出が制限されている今、空いている道路が多くなっている。もし、車道を走っても大丈夫と思ったら、車道を走るようにする。

車道を走る時は歩道を歩く人に配慮を

車道の両サイドにある歩道や路肩を歩いている人がいるときにも、十分な距離(2メートル)を確保するように努めよう。

マット・ウッドコック氏は、

「歩道を歩いている人の横を追い越す時には、後方確認をし、安全を確認した上で中央寄りに出てスペースを作りましょう。追い越してから、再び左に寄ってください。また、郊外や地方の狭い道を走っている時にも、道を歩いている人と出会ったら、安全を確認した上で、道路の反対側に寄り、できるだけスペースを作るようにしてください。」

とアドバイスしている。

問い合わせ先

日本サイクルツーリズム推進協会
https://cycletourismjp.org/