税込13万円台! 話題の本格ロードバイク アルテマの「ライラス」に乗ってみた
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全国に150店舗以上を展開するダイワサイクルと、元プロロードレーサーである辻善光氏がタッグを組み、新スポーツバイクブランド「アルテマ」を発足。その中核を担うロードバイクがアルミフレームの「ライラス」だ。クラリスで組まれた完成車が13万1780円という安さであり、そこにはスポーツサイクルを普及させたいという思いが込められている。

アルテマ・ライラスの特徴

アルテマ・ライラス(13万1780円・税込) ●試乗車サイズ/520mm
コロナ禍を機にスポーツサイクルの価格が急騰。アルミフレームのエントリーモデルですら、かつては10万円台前半で買えていたものが、気が付けば20万円中盤~後半にまで上がっていた。この状況に危機感を抱いたダイワサイクルが、市場価格の半値程度で質の良いスポーツサイクルを提供するべく立ち上げたのが、アルテマという新ブランドだ。
ラインナップは、ロードバイク/クロスバイク/ジュニアMTBの3モデルで、そのすべてに元プロロードレーサーの辻善光氏が監修に携わっている。今回紹介するのは、ロードバイクのライラスで、完成車価格は何と13万円台前半という安さだ。一般的にサプライヤーの既製品を提供するブランドが多いが、ライラスはジオメトリーの検討段階から辻氏がテストを繰り返したオリジナル品。しかも、ヘッドチューブの長さやケーブル類の内装穴の位置、コンポ、各種パーツの選択に至るまで、すべてに氏のこだわりが反映されている。加えて、この価格帯でフレーム販売(8万7780円)が用意されている点にも注目してほしい。

ブレードにAL6061、コラムにAL6069をチョイスしたフルアルミ合金フォーク。テーパーコラムのベアリング径は上側が1-1/8インチ、下側が1-1/2インチだ。将来的にステムを下げた低いポジションにも対応できるよう、ヘッドチューブを短めとしているのもポイントだ

握力と制動距離の関係について検証した結果、ブレーキはディスク一択に。さらに輪行時のイージーさや、トラブルが発生した際のリカバリーのしやすさ、油圧式よりもSTIレバーが軽量などの理由から、ライラスでは機械式ディスクを選択している。フロントφ160mm、リヤφ140mmと、前後でローター径を変えているのもポイントだ

ダウンチューブのみにケーブルを通すセミ内装方式を採用。ブレーキ、シフターともトラブルが出にくいフルアウターとし、JISで定められた「右前/左後」ブレーキで組んだ際にワイヤがスムーズな流れになるように、内装穴の位置を決めている

フレームはAL6061アルミで、ドロップドシートステーは快適性とエアロダイナミクスの向上を狙ったもの。フロントディレーラーは、フロントシングル運用にも対応できるようにバンド式を選択している
オプションパーツのサドルが新登場

ARTMAサドル ●ラインナップ/クロモリレール(税込9900円)、カーボンレール/(税込1万7600円) ●カラー/ブラック、ホワイト
2026年3月に発売されるARTMAサドル。フラット&ワイドなノーズ、滑り止めと低摩擦素材という相反するマテリアルのハイブリッド配置、見た目の美しさと実用性の両立などが特徴となっている。頻繁にポジションを変える人や、ロングライドとスピード走行のどちらも楽しみたい人、さらには普段着でも乗る人などは、ぜひチェックしてほしい。
アルテマ・ライラスのラインナップとスペック
●ラインナップ/完成車(13万1780円・税込)、フレームセット(8万7780円・税込)
●フレーム&フォーク素材/アルミ
●サイズ/430、480、520
●カラー/ブルー
<完成車スペック>
●メインコンポーネント/シマノ・クラリス
●ホイール/オリジナル
●タイヤ/マキシス・パーサー 700×28C
●ハンドル&ステム/オリジナル
●サドル/オリジナル
●シートポスト/オリジナル
●付属品/ペダル
●完成車ペダルなし参考重量/10.7kg
アルテマ・ライラスを試乗インプレッション〜辻善光氏の想いがダイレクトに伝わる

インプレッションライダー:自転車ジャーナリスト 大屋雄一 モーターサイクルにも造詣が深いフリーランスライター。ヒルクライム、エンデューロ、ブルベ、シクロクロス、MTBレース、ママチャリ耐久、仮装レース、バイクパッキングなど、自転車遊びを一通り経験して今に至る
大阪府吹田市に本社を置くダイワサイクル。筆者の住む千葉県北西部でも店舗を見かけるようになり、家族のシティサイクルや子ども乗せ電動アシスト自転車をここで買ったという人も多いだろう。
そんなダイワサイクルが、アルテマ・ライラスを発売したのは2024年10月のこと。筆者が初めて実車を見たのは昨年6月に赤レンガ倉庫で開催されたサイクルイベントで、第一印象は「カッコいいじゃん!」だった。ブルーとシルバーのグラデーションカラーが非常に美しく、アルミフレームながら細身のチュービングも魅力的に見えた。完成車で13万1780円という価格は、ロードバイクとしてはかなり安い部類に入るが、ダイワサイクルの実店舗に足を運ぶビギナーにとっては非常に高額だ。ライラスは、その対価に見合うだけの所有欲を満たす美しさを備えており、そこは大いに評価したい。
さて、その走りはというと、直進からコーナーに進入する際、ふらりと舵角が付くハンドリングに個性的なものを感じた。だが、これは爪先がフロントタイヤに接触しないことを優先したジオメトリーや、重めのフルアルミフォークが影響しているようだ。もちろん、これは慣れの範疇であり、ロードバイクが初めてという人を怖がらせるほどではない。フレーム自体は高剛性であり、ペダリングに対してシャープに反応する。シティサイクルから乗り換えた人にとっては、そのレスポンスの良さに感激するはずだ。そして、本来であれば路面からの突き上げなど縦方向の硬さが気になるはずだが、マキシスのパーサー(28C)というしなやかなタイヤを組み合わせることで、それを緩和していることに感心した。
機械式ディスクブレーキについては、フルアウターゆえに、特にリヤの引きが重い傾向にある。だが、STIレバーが油圧式より細身なので握った際のフィット感が良く、しかも軽量なのでハンドル周りが軽いことがメリットとなっている。それに、納車時からどんどんポジションが変わっていくであろうビギナーにとっては、工賃も含めてハンドルやステムが安価で交換しやすいことのメリットは大きい。
辻善光氏のYouTubeでは、このフレームでカーボンフォークをテストしている動画がアップされており、こちらの発売にも期待大だ。なお、BB付近に「リヤキャリア取り付け不可」というコーションラベルが貼られていたので、これにバッグを装着して通勤通学やバイクパッキングに使おうと思っていた方は、そのことを頭に入れておいてほしい。
アルテマについて〜Brand Info
1999年にグループ1号店を大阪府八尾市にオープン。現在は全国に150店舗以上を展開する自転車量販店のダイワサイクルが手がけるスポーツバイクブランドがアルテマだ。発表されたのは2024年で、現在のラインナップはロードバイクのライラス、クロスバイクのサイレス、そしてジュニアMTBのポエリスだ。この3モデルすべてを元プロロードレーサーの辻善光氏が監修しており、低価格でありながら十分以上の性能が担保されている。













