自転車旅の有効アイテム「輪行袋」の種類と選び方
目次
自転車を公共交通機関で運ぶ「輪行」は、サイクリストの行動範囲を大きく広げてくれる手段だ。その必須アイテムとなるのが、自転車を収納・運搬するための専用袋「輪行袋」である。本記事では、輪行袋の種類と特徴を整理しつつ、用途に応じた選び方を紹介する。

そもそも輪行袋とは何か

本記事のアドバイザー:アズマ産業 伊美哲也さん。アズマ産業の代表取締役かつ輪行のスペシャリスト。国産輪行袋「オーストリッチ」を手がけ、自ら工房に立つ職人でもある。自社製品を通じ、輪行文化啓発に情熱を注ぐ

輪行袋とは、自転車を分解して収納し、鉄道・船・飛行機で安全に運ぶための専用アイテムだ。輪行の原則は「自転車を完全に袋に収めること」。サドルやハンドルが露出した状態は基本的にはルール違反となる。
緊急時であっても、ゴミ袋など自転車用途ではない袋の流用はNGだ。大人のサイクリストであれば、必ず専用の輪行袋を用意しよう。
輪行袋の主なタイプ
輪行袋は、大きく以下のタイプに分けられる。
超軽量タイプ

極薄生地を採用し、圧倒的な軽さとコンパクトさを追求したタイプ。前後輪を外して収納する設計が主流で、基本は縦型で使用する。ジャージのポケットに入るほど小さく畳めるモデルもあり、緊急用のお守りとして携行するのにも適している。一方で生地が薄いため、取り扱いには注意が必要だ。
おすすめ用途
・オンロードツーリング
・鉄道輪行
・緊急時の携行用
縦型タイプ

前後輪を外して収納する、もっともスタンダードな輪行袋で、汎用性が高い。パッキングには多少の慣れが必要だが、荷姿をコンパクトにまとめやすく、鉄道輪行でもサイズオーバーになりにくい。現状では、このタイプを選んでおくのが無難といえる。
おすすめ用途
・鉄道輪行
・船輪行
横型タイプ

前輪だけを外して収納できるタイプで、パッキングが非常に簡単なのが特徴だ。短時間で収納でき、ツーリングバイクやマッドガード、キャリヤ付きバイクにも対応しやすい。ただし荷姿が大きくなりやすく、鉄道ではサイズオーバーで持ち込み不可となるケースもある。事前に利用予定の交通機関へ確認することが必須だ。
おすすめ用途
・船輪行
ソフトケースタイプ

厚手の生地やウレタンパッドを内蔵し、輸送時の衝撃や圧迫から自転車を守るタイプ。飛行機輪行など、外部ストレスが大きい場面で安心感が高い。前後輪を収める仕切りを備えたモデルも多く、使い勝手も良好だ。未使用時は折り畳んで保管できる点もメリットとなる。
おすすめ用途
・飛行機輪行
ハードケースタイプ

外装にプラスチック板などを用いた、最も保護性能の高いタイプ。海外の航空会社では箱型ケースのみ受け付け可能な場合もあり、その際の有力な選択肢となる。重量は増すが、キャスター付きで移動が楽なモデルも多い。長期の海外遠征や、飛行機輪行を頻繁に行う人向けだ。
おすすめ用途
・飛行機輪行(特に海外)
輪行袋選びで押さえるべき2つのポイント

① 生地の厚みと保護性能
薄型軽量タイプは携帯性に優れる反面、耐久性や保護性能は控えめだ。一方、厚手の輪行袋やケースタイプは自転車をしっかり守れるが、重量と携帯性は犠牲になる。
どこまでの保護性能が必要かを、利用シーンから逆算して考えたい。
② 分解レベル(前後輪を外すかどうか)
前後輪を外すタイプは最もコンパクトになるが、パッキングには慣れが必要。前輪のみ脱着タイプは簡単だが、サイズオーバーのリスクがある。
鉄道輪行を想定するなら、前後輪脱着タイプが無難だ。











