ロードバイクで坂を攻めるための走り方とトレーニング法

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ヒルクライムで自己ベスト更新やレースでの目標達成を狙うなら、パフォーマンス向上が正攻法だ。だが、やみくもに走るだけでは成果につながりにくい。目的に合ったトレーニングと走り方を地道に積み重ねることが重要だ。本記事では、峠を攻めたい人のためのポイントを紹介しよう。

筧五郎さん

Adviser:筧 五郎(かけい ごろう)さん
56サイクル店長。マウンテンサイクリングin乗鞍チャンピオンクラス優勝、Mt.富士ヒルクライム総合優勝の輝かしい経歴を持つクライマー。現在はインドアサイクリング教室も開き、ホビーライダーの目標達成をサポートする

 

ヒルクライム力を高める2つの重点トレーニング

坂を走行

ヒルクライム能力を高めるには、FTPやエンデュランスといったベーストレーニングに加え、発展的な練習を取り入れることが効果的だ。

スムーズなペダリングを習得するためのSFRトレーニング

SFR(Slow Frequency Revolutions)は、上り坂で重いギヤを毎分50回転前後の低ケイデンスで回すトレーニングだ。狙いは、重いギヤでもスムーズなペダリングを身につけることにある。

フォームを維持しながら、ペダリング中に脚がカクカクしないよう、ゆっくり丁寧に回すことが重要だ。上死点付近ではペットボトルを前に倒すような脚の動きを意識し、3時の位置までペダルの真上から体重を乗せる。引き脚局面では荷重をしっかり抜き、アンクリングしないこともポイントとなる。

実施時間は1〜5分程度。勾配が一定で交通量の少ない上りが適しており、ウォームアップの途中で取り入れるのも効果的だ。

 

FTP向上に欠かせないインターバルトレーニング

ヒルクライムレースでは、1時間以上にわたって有酸素運動の限界ペースを維持する場面が多い。そのため、FTP強化は欠かせない。

ただし、FTPだけを鍛え続けると伸びが頭打ちになる。そこで必要なのが、VO2max以上の強度で刺激を入れるインターバルトレーニングだ。3分や5分など全力で走り、同じ時間レストするセットを3〜5本繰り返す。非常に厳しいが、実力アップには欠かせないトレーニングとなる。

 

ペダルに体重が乗るフォーム

後ろ乗り

よくありがちなのは、上り坂で骨盤が立ってへそが前を向き、腰が引けた後ろ乗りの状態。このフォームでは体幹をうまく使えず、上死点からペダルを踏み込むというよりは脚の力だけで前に蹴り出す動作になってしまう。本来、最大のトルクが掛けられるはずの3時のクランク位置でも脚に体重が十分に乗らないため、力強いペダリングができない。

サドルの適正位置に腰を据える

そこで、ペダルに体重が乗せやすい、サドルの適正位置に腰を据えたフォームが重要となる。このとき、骨盤が前傾しへそが斜め下を向いているのが分かる。肩まわりもリラックスしているため、肩甲骨を動かして上半身の力を生かしたペダリングがしやすい。また、上死点から3時の位置までしっかり真上からペダルに体重を乗せられるので、力強いペダリングができる。

 

長いヒルクライムでは脱力を意識

脱力して走る

ヒルクライムは長時間に及ぶことが多い。実に1時間以上も上り続けることもある。その間ずっと緊張して力んでいては、後半にバテてしまいやすい。休めるところではフーっと脱力することも意識しながら走ろう。意識的に力をセーブするのも効果的だ。