グルメも走りごたえも想像以上! 滞在型プランの相模湖コースを体験し、神奈川県の魅力を満喫
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海、山、川、歴史、そしてグルメ。サイクリストが求める全てが凝縮された神奈川県は、スポーツによる地域活性化を目指し、積極的にサイクルツーリズムを推進している。中でも1泊2日の滞在型ルートは、その地域の魅力にじっくりと触れられることから、特別な体験ができること間違いなし。今回は「相模湖ルート」の実走レポートをお届けしよう。
6つのモデルルートから“相模湖”をチョイス
潮風が心地良い湘南のコースから、脚自慢が集う箱根・丹沢の本格的なヒルクライムまで。神奈川県には、レベルを問わずあらゆるサイクリストを魅了する多彩なルートが広がっている。都心から近いこの地は、絶景、グルメ、そして走りごたえの全てを叶えてくれる、まさに我々にとっての「理想郷」と言えるのだ。
そんな神奈川県が、サイクルツーリズムに注力するのも当然の流れだろう。神奈川のサイクルツーリズムというサイトでは、「ジャパンエコトラックルートマップ神奈川」の中で、県内のモデルルートを14コースも掲載。さらに、最近になってここに「滞在型のサイクルルートプラン」として6コース(湘南海岸、三浦半島、県央、箱根、ヤビツ峠、相模湖)が加わった。今回はその中から、やや上級者向けとなる「相模湖コース」を、実際に1泊2日で体験してみた。

今回のメディアツアーに参加した面々。右からWEBメディア「TABIRIN」の岩田淳雄さん、自転車インフルエンサーのおおやようこさん、先導役を務めてくれた日本サイクリングガイド協会の佐藤修平さん、そして筆者だ
まずはオギノパンで腹ごしらえ
相模湖コースのスタート地点は、神奈川県相模原市にあるJR・京王橋本駅。ここからわずか700mの距離にあるのが、県民の方にとって馴染み深い「オギノパン」のカフェ橋本店だ。県内B級グルメ大会の神奈川フードバトルにおいて、2年連続で金賞を受賞した「あげぱん」をいただけるお店で、まずはここで腹ごしらえ!

こちらが名物のあげぱん。学校給食にも供されていることから、神奈川県民にとっては懐かしい味なのだとか。揚げたてにこだわっているため、フライヤー(揚げ器)がない店舗では販売していないとのこと。また、店舗での支払いは現金のみなのでご注意を
一部はオリンピックのレガシーロード
オギノパン カフェ橋本店から西へ6kmほど進むと、相模川を渡る小倉橋が見えてくる。この辺りは、TOKYO2020オリンピック自転車競技(ロード)でも使われており、何となく見覚えのある人も多いだろう。
レストラン&カフェでグルメを堪能
1日目のランチは、鳥居原ふれあいの館から500mほど西にある「オレンジツリー」にて。ここはログハウスのカフェレストランで、都心の名店で修業を重ねたオーナーシェフが腕を振るう。サイクリストにとっては、駐車場にバイクラックが設置されているのもうれしいポイントだ。
ランチのあとは、県道64号をしばらく北上して国道413号、通称「道志みち」へ。この道沿いに、2024年にオープンしたばかりのカフェ「アマライトコーヒー」がある。オレンジツリーからの距離は7kmほど。サイクルラックはないものの、混雑していなければ店内へ愛車を持ち込むことも可能とか。ここは、さまざまなコーヒーの香りをディフューザーで確認してから購入できるほか、マスターがドリップしてくれる1杯はとにかくおいしいの一言。道志みちまで足を運んだ際にはぜひ。
自然豊かな芸術体験施設に宿泊
今回のメディアツアーでの宿泊先は、神奈川カントリークラブの近くにある「藤野芸術の家」だ。ここは音楽スタジオやキャンプ場などもある複合施設で、工房体験も可能だ。宿泊施設は洋室、和室のほか、1Fと2Fに分かれたメゾネットタイプもある。
芸術の道で屋外環境アートを眺める
相模湖コースの2日目。前半のメインとなるのは、1周約6.3kmの「芸術の道」巡りだ。昭和末期から平成初頭にかけて、当時の藤野町(2007年3月に相模原市に編入)がまちづくりの一環として「ふるさと芸術村構想」をスタート。名倉地区におよそ30もの屋外環境アートが作られたのだ。なお、この芸術の道は交通量こそ非常に少ないものの、勾配が急峻なので走りごたえは十分以上だ。
サイクリストにお馴染みのカフェも
2日目のランチは、「カフェレストラン Shu」にて。提供されるメニューは、藤野産の素材や、テラス席から見える畑で採れた新鮮野菜を使用。オリジナルのカレーソースは、提供するまでに3日間を要するという非常に手の込んだもので、これを目当てに訪れるサイクリストも多いとか。

チキンカレーとベジタブルカレーの両方をいただけるハーフ&ハーフカレー(1400円)。玉ねぎを4時間以上かけて炒める上に、オリジナルブレンドのガラムマサラや、自家栽培のコリアンダーなども使用。味に深みというか奥行きがあり、3日間かけて作られると聞いて思わず納得
ベテランの設計が光る「滞在型」の提案
今回のメディアツアーは、前日の出発地と同じJR橋本駅でフィナーレを迎える。ゼブラコーヒー&クロワッサンからは、通称・津久井街道(国道413号)を10kmほど東進するルートだ。この区間は主要幹線道路ゆえに交通量が多く、都市特有のにぎやかさもある。もし静寂の中に余韻を残したいのであれば、手前のJR相模湖駅から輪行を選択し、スマートに帰途へ就くのも賢明な判断だろう。
2日目の走行データは、距離37.9km、獲得標高723m。2日間合計で約70km、累積標高1344mというスペックだ。健脚なサイクリストであれば1日で走破可能かもしれない。だが、今回の「相模湖コース」の本質はスピードではない。あえて時間をかけて巡ることで、旧道や城址に刻まれた神奈川の歴史、そして厳選された眺望やグルメを深く堪能できる設計となっている。
相模湖コースは、単に観光スポットを点線で結んだだけのルートとは一線を画す。この地の起伏と物語を知り尽くしたベテランサイクリストが監修したような、「走りの質」へのこだわりが随所に感じられた。こうなると気になるのは、他の滞在型サイクルルートであり、自然と期待が膨らむ。神奈川を訪れる際は、公式ルートマップを羅針盤に、自分だけの旅を構築してみてはいかがだろうか。












































