2025年までのサイクルスポーツを一挙に振り返り!「オレたちのロードバイク時代 1970-2026」
目次
サイクルスポーツ2026年2月号の特集「オレたちのロードバイク時代 1970-2026」の語り手となるのは、吉本司と安井行生の二人のサイクリスト。序章としてこれまでのロードバイクを二人が見つめるなかで、話題に出てくる「サイクルスポーツ」の内容を、本記事では一挙に紹介していこう。
Back to Cyclesports 1970-1999
ランドナーとスポルティーフ全盛【1970年4月号】
記念すべきサイスポ創刊号。色あせたページをめくり最初に目に飛び込んできたバイクは、ブリヂストン・ST10シャインスター。26インチランドナーで重量18kg、現金正価3万2500円。当時はロードレースよりもツーリング全盛であり、誌面のテイストは旅企画に寄ったものに。いよいよ日本のロードバイク文化は花開いていく。
25万円の超高級ロードレーサー【1973年11月号】
ニューモデル特集として掲載されていたのはプジョー・PX10E。レイノルズ531バテッド管、マファックのブレーキ、サンプレックスの変速機と当時の“ロードレーサー”の最先端。誌面のテイストは変わらずツーリング色が強く、峠走や旅行記から当時の道路事情がうかがい知れる。カラーは最初の8ページのみで、残りはモノクロ。
ツール国内放映開始直前 プロ機材にスポットライトが【1984年10月号】
今号ではツール、ジロ、そしてロス五輪でのレースバイク特集が掲載。プロ仕様のロードレーサーへの注目度が次第に増していくと共に、当時からエアロを追求する機材戦略が見て取れる。誌面にはカーボンという文字が現れるように(主にトラックバイクのディスクホイール用途)。「ニューデュラエース」のうたい文句で登場したのも今号にて。
宇都宮でロード世界選手権が開催【1990年10月号】
「グレッグ・レモン敗れる!」の見出しで掲載されたのは、宇都宮での世界選手権特集。本場のロードレースの興奮を綴る記事には熱量を感じる。同大会はジャパンカップへと受け継がれてゆく。自身の名を冠したレモンのバイクがページの隅に掲載されたのみで、見開きのバイク特集ページはなし。レモンのロングインタビューが掲載、まさにお宝物の一冊だ。
スチール時代末期 カーボンはまだアルミラグ【1993年9月号】
カーボンバイクの3モデルインプレッションが掲載。アラン・カーボンはカーボンチューブをつないだアルミ製ラグドフレームで、見た目はクロモリバイクのように細身で美しい。同インプレ記事ではデュラエースのSTIレバーが絶賛され、ダブルレバーからの移行期を思わせる。MTBとトライアスロンの特集ページが目立ち始め、次第にスポーツ色の強い誌面に。
ロードバイクにMTBのエッセンスを投入【1997年12月号】
ロードバイクにMTB由来のスローピングフレームの概念を持ち込んだジャイアント・TCRが登場。カーボンモノコックのMCRと並んでオンセチームに供給された。巻頭特集の第6回ジャパンカップレポートは、阿部良之(マペイ・GB)の優勝、そして今中大介の引退と歴史に残る大会に。MTBの流行期で誌面の半数はオフロードテイストに変化した。
Back to Cyclesports 2000-2025
ロードレーサーへのカウンタームーブ【2004年5月号】
エンデュランスロードの始祖と言うべき名車、スペシャライズド・ルーベが登場。ロードレーサーへのカウンターという立ち位置は画期的であった。メイン企画は「一から始めるロードバイク大全」。カーボン、アルミ、チタン、ハイブリッド、スチールの5系統が等しく共演する豪華な世代だ。総予算20万円で全てそろう羨ましい時代でもあった。
シマノ・Di2の登場で電動変速時代へ【2009年4月号】
デュラエース初の電動変速システム「Di2」が登場。リヤ10速、大型の外付けバッテリーと時代を感じるスペックだが、現代のメインストリームとなったことはご存じのとおり。この頃から誌面はロードバイク特集が色濃くなっていき、ロングライドイベント目録や完走マニュアルが厚めに展開されることに。カーボンフレームのバリエーションも増えてきた。
エアロロード開発競争の幕開け【2011年8月号】
スコットの名車フォイルが登場。カムテール形状を全面に採用しエアロロードの先駆けとなった。同誌にはサーヴェロ・S5チームも掲載されたように、現代に続く空力戦争の始まりとなる年代であった。メイン特集は「自転車でカラダを変える」と題し、速く遠くにというスポーティさがモットーの構成。硬派なサイスポの一時代を印象づけた。
ロードバイクブームの黄金期【2012年2月号】
ロードバイクブームの黄金期は、毎月4~5台ものニューモデル試乗記が展開されていた時代。専用Vブレーキを搭載した意欲作リドレー・ノアファストを掲載。リムブレーキのエアロロードの成熟を印象づけた。この頃から誌面はロードバイク一色で、タイヤやホイールのインプレが厚め。先述のノアのタイヤサイズは何と21Cだった。
“小野田坂道”君が表紙を飾る特大号【2013年12月号】
2008年連載開始、2013年にアニメ化を果たした弱虫ペダルが表紙を飾った号。サイクルモードのガイドブック、シマノのカタログが付録となった超特大号であり、第3回全国店長最速選手権が目玉企画に。優勝者であるサイクルフリーダム岩佐店長の愛車はルック・695SR。スーパーレコードEPSにボーラウルトラ2で武装したレースマシンだ。
グラベルバイクならぬニューロード?【2016年3月号】
現代グラベルバイクの原型とも言えるキャノンデール・スレートが登場。レフティフォーク、ワイドなスリックタイヤというスタイルは根強いファンを獲得した。当時は“脱力系ロード”や“ニューロード”という見出しで掲載されていたのが興味深い。現代では一般的なSNSでのコミュニティ活用術も展開され……フェイスブックが主流だった。
デュラエースに油圧ディスクブレーキが追加【2016年9月号】
デュラエースR9170が登場、電動変速+油圧ディスクブレーキという現代ロードバイクの礎を築く。この頃はリムブレーキロードが円熟の域に達し、変わらず誌面の大半を占めていた。初期のディスクロードはクイックリリース式でホイールの選択肢も狭く、荒削りな部分が多かった。ちなみに今号にて、バイクパッキングが新たな旅スタイルとして紹介されている。
グラベル専用コンポ登場【2019年7月号】
シマノ初のグラベル特化コンポーネント「GRX」がデビュー。専用コンポと共にエアロレースからアドベンチャーツアラーまでバイクの多様化が進む。国内イベントも少しずつ増えていき、グラベルを楽しむ層が育ってくるのもこの年代辺り。メイン企画は「令和サイクリストのやってはいけない50のこと」と題して、マナー指南が展開された。
サイクルスポーツ2月号 購入はこちら
サイクルスポーツ2月号では、過去編をベースにここから現代のロードバイクをカテゴリーごとに紹介。そして未来についてを語り合っていく。ぜひこの大ボリュームの内容を、誌面でチェックしてみてほしい。

※ 書店店頭注文ではこちらをお伝えください
雑誌コード:04137-6
ISBN:4910041371044










































