対向自転車のフロントライトがまぶしい!そんな戦い、もうやめにしませんか。「レザイン・MACRO StVZO 500+ FRONT」レビュー

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夜間走行用ライトに求められる性能は、単に「明るい」ことだけなのだろうか? とくに市街地や交通量の多い道では、対向車や歩行者への配慮もまた、安全性を構成する重要な要素だ。
ドイツでは、厳格な道路交通法規 StVZOに準拠した光学設計を採用したライトが義務づけられている。“見える”と“眩しくない”を高い次元で両立したフロントライト「LEZYNE(レザイン)」の「MACRO StVZO 500+ FRONT」の使用レビューをもとに紹介しよう。

マクロシュタフトゾー500プラスフロント

「まぶしい!」がこわい

夜間にロードバイクでカントリーサイドを走っていると、対向車の「ハイビーム」の多さに思わず驚かされることがある。
そのたびに「まぶしッ!」と身構え、強烈な光に視界がホワイトアウトし、一瞬だけ進路が見えなくなる。あの感覚は何度経験しても慣れるものではなく、正直なところ恐怖すら覚える。

一方で、都市部の夜間走行では、立場が逆転する場面がままある。
たとえ自分自身は法規に沿ってフロントライトを取り付け、照射角度にも注意を払っていたとしても、対向する歩行者が「まぶしい」とジェスチャーを向けてきたり、対向車からパッシングを受けたりすることがある。
近年主流となった高光度LEDライトを使うようになってからは、なおさらそうした場面が増えたと感じている。

そして、そのたびに胸の奥に小さな「しこり」のような違和感が残る。
本当に必要なのは、ただ明るいだけのライトなのだろうか? ドイツでは、この“まぶしさ”を法規の段階から排除しようとしている。

ドイツの自転車ライト法規「StVZO」とは?

ドイツでは、自転車の装備について「StVZO(道路交通許可規則)第67条」により、非常に厳密なルールが定められている。
これは単なる安全基準ではなく、「交通の中で自転車をどう位置づけるか」という思想が反映された法律だ。

かいつまんで紹介すると、自転車用フロントライトについてStVZO(道路交通許可規則)第67条により厳格な基準が設けられている。最大の特徴は、防眩を前提とした配光設計だ。フロントライトは光が水平線より上に漏れない明確なカットオフラインを持つことが義務付けられ、対向車や歩行者を眩惑しないことが重視されている。
そして自転車ライトの点滅使用は違法で、常に一定の明るさで点灯し続ける必要がある。合法的に使用できるライトには認証マークが刻印され、基準を満たした製品であることが示される。
明るさについては、前方10m地点で10ルクス以上の照度が必要とされ、設置位置も路面から40〜120cmの範囲に固定することが定められている。現在はダイナモ式に加え充電式バッテリーライトも認められているが、走行中に常に正常に機能する状態であることが前提となる。
「MACRO StVZO 500+ FRONT」は、これらすべての条件を満たした正規StVZO対応ライトなのだ。

なぜ「標識を照らさない」のか

ちなみにドイツではライトだけでなく、交通標識そのものの設計も徹底的に規定されている。
交通標識は、速度域に応じてサイズが3段階に分けられ、自転車道や市街地では主に最小サイズが使用される。さらに設置高さも、歩行者やサイクリストの安全を考慮し、通常の自転車道では「路面から2.25m」が標準とされている。
つまりドイツの道路環境では、標識は「必要な位置・必要な高さ」に、必要最小限の大きさで、反射による眩惑が起きない角度で設置されているのだ。
その前提があるからこそ、StVZO対応ライトは「標識や遠方の物体を強く照らす必要がない」。むしろ、それらを過剰に照らしてしまうこと自体が“設計ミス”とされる。

では日本で使用してみると……?

実際に「MACRO StVZO 500+ FRONT」を使用してみると、その思想はすぐに体感できる。
足元から進路にかけては十分すぎるほど明るく、荒れた路面や段差も確実に把握できる。一方で、その光は歩行者の目線や対向車のドライバーの視界まで伸びてこない。
普段使い慣れている、円形に広がる配光のライトと比べると、進路の先にある標識や看板が不自然に白く浮かび上がることがほとんどない。
これは、先述したドイツ国内の標識サイズ・設置高さの厳密な規定とリンクした配光設計によるものだ。

マクロシュタフトゾー500プラスフロントの配光

そして本体はCNC加工アルミボディを採用。高い放熱性と耐久性、IPX7の防水性能により、雨天走行でも不安はない。
USB-C充電で最大18時間の点灯が可能。さらにGoProマウント(オプション)や外部バッテリー「Infinite Light Power Pack+」にも対応し、ロングライドや夜間の長時間走行を視野に入る拡張性を備える。

マクロシュタフトゾー500プラスフロント USBタイプC端子

「明るさ」とともに、「正しさ」を選ぶライト

日本で使用しながら考える。対向車や歩行者がまぶしくないことは、単なるマナーの問題ではないのかもしれない、と。
それは交通の中での「気遣い」であり、共存の姿勢であり、結果として「自転車は危険な存在ではない」という信頼につながる。
その信頼は、巡り巡って自分自身の安全として返ってくる。このライトが普及することは、対向車から不要にハイビームを受けることが減ることへと繋がっていくだろうから。

その意味では、「MACRO StVZO 500+ FRONT」は、“自分が見えること”だけでなく、“他者からどう見られているか”まで考えられたライトである。ただ明るさを売りにするだけではない、「交通の安全という、思想のある自転車用フロントライト」だ。

夜を走るすべてのサイクリストにとって、この“路面だけを照らす光”は、確かな価値を持っている。

マクロシュタフトゾー500プラスフロント

今回の「お試し」レビュアー・本誌エリグチ。ほぼ毎日都心や河川敷を自転車通勤しており、夜間走行時間は平均週3時間以上。安全走行第一で、2025年も無事故でした!

LEZYNE(レザイン)・MACRO StVZO 500+ FRONTの製品情報

マクロシュタフトゾー500プラスフロント

MACRO StVZO 500+ FRONT
価格:1万4960円
最大ルーメン:500ルーメン
最大点灯時間:18時間
バッテリー容量:3800mAh
充電タイプ:USB-C
重さ:153g
サイズ:92×42×32mm
特徴:IPX7、StVZO規格対応
※USB-Cケーブル別売

マクロシュタフトゾー500プラスフロントリバース

ハンドル下にマウントできるモデル「MACRO StVZO 500+ FRONT REVERSE」も展開する