Go e-bike! 最新eバイク情報【スペシャライズド・VADO SL2 6.0】
目次
eバイクは年々進化を続けてきた。そして今は走りに加えてテクノロジーも楽しめるものになり、そこに魅力を感じる新たな層がeバイクに乗り始めている。そんな、eバイクにいま乗っている、もしくは購入を検討しているアンテナの高い人に向けて、スペシャライズのクロスバイク「VADO SL2 6.0」を取り上げる。
走りだけでなく作り込みに惚れる
VADO SL2 6.0を見たとき思ったのは、「造形をはっきりと見せる写真を撮ろう」ということ。それぐらいデザインに引かれたのである。走らせることも楽しいが、所有するだけでも価値がある。そんな一台だ。
SPEC
価格/77万円
フレーム/2024 VADO SL
フォーク/2024 VADO SLカーボン
モーター/スペシャライズド・SL1.2 SLシステム
バッテリー/スペシャライズド・SL2-520 内装520Wh
UI/マスターマインド H3
クランクセット/スラム・FC5699カーボン
チェーンリング/プラクシスワークス・44T
カセットスプロケット/シマノ・SLX 12速 10-51T
リヤディレーラー/シマノ・デオーレXT 8100 12速
フロント・リヤブレーキ/TRP・HD油圧ディスク
フロント・リヤホイール/DT スイス・G540 700×24mm
タイヤ/700×47C
最近のロードバイクではエアロフォルムのデザインが主流で、それはある面かっこいいのだが、レーシングの視点で考えるデザインなので、造形の果てには何かしらの答えはあるものだ。それだけに趣味的な視点から望まれるかっこよさを表現するに限界がある。答えは超えられないものだから。
それに対してクロスバイクのVADO SL2は、速さに縛られないデザインが可能となる。ただ、そうはいっても乗り物においてのかっこいい造形は、速さを感じさせるものであるので、そうした特徴も抑えているが、レーシング系とは大きく違うところとして、造形にデザインのためのデザインといえる要素を盛り込んでいるところである。
これは映画やアニメに登場するメカで使われるような手法であり、リアル感を出しながらよりかっこよく見せることができるもの。そしてその造形はSF好き、機械好きな人の心を躍らせる独特の魅力を放つものになっているのだ。
VADO SL2で「そうしたことを感じるのはどこか」というのを具体的に言えば、まずヘッドチューブからトップチューブ、ダウンチューブにかけての絞り込みの造形。
ヘッドチューブまわりは剛性が必要な部分だけに、ここのボリュームが増す傾向は多い。でもそれは視覚的に重さを感じるものとなるし、ヘッド周りのボリュームがあると、そこから後ろをシャープにしても全体のバランスが取りにくい。そのため見る角度によって印象が変わったりすることもある。
しかし6.0はヘッド周りのボリュームをグッと抑えているのでスリムな印象を持つ。さらにカーボンだからできる造形としてトップチューブの厚みを抑え、しかも少し湾曲をしているところにも、理屈ではない、何とも言えないかっこよさが感じられるのだ。
そして、バッテリーが収まるダウンチューブは骨太のスクエア形状とし、そのボリュームでミッドマウントされるドライブユニットを自然な形でつなぎ合わせている。
こうしたいわゆる「前三角」だけでも様々なデザイン手法が盛り込まれているが、それに加えて低い位置からエンドに向かって延びるシートステーもまた凝ったもの。
アクスルへ延びる部分はチェーンステーと合流部に設けられたブラケット状の造形につながるよう配置。鋭角な造形のブラケットは存在感のあるものなので、前三角とのバランスを取る役割をしている。
それにこの形状はリヤホイールをしっかりと支持するようなイメージでもあるので、それはVADO SL2から採用された最大パワーが320WhというSL1.2モーターの力強さを視覚的に表す効果もある。
直訳の意味ではなく比喩的な使い方になるが、VADO SL2は「マシン」と表現することが似合うeバイクで、気に入ってしまったら、他に競合となるものがないくらい心を引きつける存在となるのは確実だ。

走りの質も向上している。それだけにオートバイやクルマ、公共の交通手段を使っていたところをVADO SL2に置き換えるのもいいだろう。電費にも優れているので、最長で5時間のアシスト時間が得られる。これだけであればしばらく充電不要で乗ることができる
Point
- 新デザインのカーボンフレーム&フォーク
- パワフルなSL1.2モーターの採用
- 乗り心地向上のフューチャーショック3.2搭載
- 47Cブロックタイヤながら重量は 15.9kg
このダイナミックでありシャープでもあるフレームの造形を可能としているのは、スペシャライズドが採用する技術、超軽量FACTカーボンを採用しているところにある。
カーボンフレームはプリプレグという特殊な繊維を型に合わせて積層することで造形していくもの。そして使用する繊維には強度違いなどでいくつかの種類があるので、それらを適材適所で使い分けることで、理想的な剛性感を持つフレームを作っていくのだ。
また、ご存じのとおりカーボンは軽量素材なので、6.0では700×47Cの太いタイヤを履きながら、車両重量を15.9kgという軽量なレベルでまとめている。クロスバイクは、休日のライドの他に日常的な使われ方もするだけに、軽量だとバイクの移動がしやすいという面も無視できない性能だ。
次にアシスト性能だが、上でも触れたように、今回のモデルからハイパワーなSL1.2モーターが採用されているので、これまで以上にライダーのフォローが手厚く、踏み込む力が必要なシーンでも頼りがいが増している。
なおスペシャライズドのSLモーターは、自社開発なので車体とのマッチングが良いだけでなく、特性を決める制御プログラムの味付けもモデルに合わせた理想的なもので、VADO SL2ではクロスバイクらしいワイドなギヤを有効に使えることを考慮しつつ、パワフルで自然なペダリングが楽しめる設定となっている。そのため乗る人を選ばないという面もあるのだ。
以上のことから選んで間違いはないモデルであるが、価格的にはなかなかに高価である。そこでもう1台紹介するのが、アルミフレームのVADO SL2 4.0だ。こちらには欧州で人気が高いSUVスタイルが用意されているので、より実用的に乗りたい場合は、こちらのモデルも検討してみて欲しい。
Detail
アルミフレームのVADO SL2 4.0
こちらはアルミフレームのVADO SL 2 4.0。カーボンのような造形はできないが、それでも十分かっこいい仕上がりとなっている。アルミフレームVADO SL 2には4.0と5.0があり、違いは4.0が10速で5.0が11速というところ。アシスト系のシステムに違いはない。前後フェンダーとリヤキャリヤが標準装備されているので、パニアバックを付ければ積載性を向上させつつ、より都会派イメージにすることもできる。
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