Go e-bike! 最新eバイク情報【オルベア・ゲインM20i】

目次

eバイクは年々進化を続けてきた。そして今は走りに加えてテクノロジーも楽しめるものになり、そこに魅力を感じる新たな層がeバイクに乗り始めている。そんな、eバイクにいま乗っている、もしくは購入を検討しているアンテナの高い人に向けて、オルベアのロードバイク「ゲインM20i」を取り上げる。

 

カーボンロードの新たな楽しみ方

ロードバイクにおける「高性能」とは、速く走るためにあるものだった。しかし、技術は性能を尖らせるだけのものではない。速いだけでなく快適に走らせることができるようにもできる。そしてその好例がオルベアのゲインだ。

 

ゲインM20i

SPEC
価格/120万2300円
フレーム/オルベア・OMRカーボン
フォーク/オルベア・OMRカーボンフォーク
ドライブユニット/マーレ・リヤハブ式X20
バッテリー/マーレ・iX350 36V 353Wh
ディスプレイ/マーレ・パルサーモノクロ
ディレーラー/シマノ・アルテグラDi2 R8150(前後)
クランクセット/シマノ・アルテグラR8100 34×50T
シフター/シマノ・ST-8170
ブレーキ/シマノ・R8170ハイドロディスク
ホイール/カーボン42 チューブレス21
タイヤ/ピレリ・Pゼロ レースXスマートエヴォ TLR 700×30C
サドル/フィジーク・ベント アンタレスR3 140mm幅
シートポスト/ OC・パフォーマンスXP10-S カーボン 27.2mm
フロントライト/ディスプレイホルダー一体 60ルーメン
リヤライト/サドルクランプ 12ルーメン

問・オルベアジャパン

 

ゲインM20i

 

カーボンフレームのロードバイクと言うと、スピードや獲得標高といった「きつい数字」を求めるために選ぶイメージもあるが、このオルベアゲインシリーズはそういう方向性のロードバイクではない。

初心者だったり女性だったり、そしてロードバイクに長年乗り続けてきた人が年齢的な理由から選ぶことを想定したもので、一言で言えばフレンドリー。気を張ることなく乗れる特性になっている。

それにとにかく「かっこいい」のだ。ゲインが搭載するドライブユニットは、ドイツの総合自動車パーツサプライヤーである「マーレ」製。

詳細は以下で触れるが、ゲインが採用したのはリヤハブ式で、サイズ的にカセットスプロケットやディスクローターにすっぽり隠れてしまうもの。ゆえにeバイクでありながら、ロードバイクらしいシンプルさが一切失われていないのだ。

それにもうひとつ。ゲインではドライブユニットをつなぐハーネスを内装しているが、モーターとハーネスの結線に接点接触タイプのコネクターを使用しているので、最後の最後まで配線が表に出ていない。

これはルックスが良いというだけでなく、リヤホイールを外したり付けたりする際、結線の手間を軽減する効果もある。そのため整備がしやすかったりするし、輪行で出かけたときの作業性もいいのだ。

そしてバッテリーが収まるダウンチューブも現代のロードバイクと同等のデザイン&太さであるため、本当にeバイクには見えない。

いや、これはeバイクのスタイルを否定しているわけではない。機械は進化をすると性能向上と同時に小型化していくものなので、このゲインのスタイルはeバイクの未来を見せているような印象を受けたのだ。

 

ゲインM20i

ゲインは「誰にでも乗れる高性能なeロードバイク」。ゆっくり走るときは快適で、速度を上げた走りでは体の使い方に車体が素直に反応してくれる。軽量な車体はアシストが切れた後に速度を維持するのも容易。そしてルックスもいい。とてもぜいたくな一台だ

 

そして「軽い」。写真のモデルは、上位グレードの上から2番目となるゲインM20iで、こちらの重量は約12kg。これはほんとに驚きの軽さである。順序が逆になってしまったが、前出の輪行をするということについては、「この軽さがあるから」が前提となっているのだ。

ゲインシリーズに使われるフレームはオルベア独自の技術「OMRカーボン」。基本的な繊維の積層に加えて、モデルごとに要所となる部分を解析し、そうしたところには適切な強度を持つ繊維をチョイスし、重ねて貼っていくという手の込んだ作りをしている。

このような特徴を持つゲイン。フレンドリーではあるが持っているポテンシャルは高いので、乗り手が経験不足であっても、気持ちよくライドすることができる。また、目の前に手強そうな坂が現れてもパワフルに乗り越えることができるだろう。

ロードバイクの趣味は身体能力によって楽しめる幅が決まる面もあるが、ゲインを選べばそんなことはない。「行きたいところに行く」「遠くまで行く」は誰にでも実行できるものとなる。これこそeバイクの本質、サイクリングを楽しむには、最適なチョイスになるだろう。

 

Point

  • マーレ製リヤハブモーターを採用
  • しなやかなオルベアOMRカーボンフレーム
  • eバイクながら重量は約12kgの軽さに収まる
  • 自分好みに仕上げられるカラーオーダー対応

 

ゲインM20i

 

ドライブユニットはドイツの自動車部品メーカー「マーレ」が開発、製造をする「X20」を使用する。

スポーツ系のeバイクではBB部にドライブユニットを装備するミッドマウント(センターマウントとも言う)も多いが、オルベアはフレームの設計にこだわるため、フレーム内にドライブユニットを配置しないリヤハブモーターを選択した。

それにクランクがドライブユニットと直接つながっているミッドマウントでは、ペダリングを止めた滑走時に「引きずり」のような感覚があるのに対し、リヤハブ式ではそうした違和感が出ることがない。

この差は些細なものであるが、分かる人には分かるので「eバイクだから」と言わず、走りの質にこだわる姿勢は実にオルベアらしい。

次はアシストの制御についてだ。アシストモードは「ミニマム」「ミディアム」「マックス」の3つで、出力特性はミニマムとミディアムが立ち上がりからアシスト終了まで出力の出し方を一定で増やすような設定(実際はもっと細かい設定)。そのためこぎ始めはノーアシストのようなしっかりした踏み心地を一瞬感じるが、クランクをほんの少しストロークすると「じわっ」とアシストが効いてくるので、するすると走り出すという具合。

マックスモードは立ち上がりからアシストを強めに出す設定となっているので、疲れたときや目の前の勾配に対して自信がないときに頼れるモードとなっている。ちなみにX20iの最大トルクは50NmとeMTB並なので、勾配のきついコースにも挑んでいける力がある。

バッテリーの容量も十分あり、さらに車体の軽さから来る軽快な走りにより、アシストが入る領域を超えた速度に達しても車体の重さを感じることはない。ベテランのサイクリストが、年齢なりの理由からeバイクに乗り換えるときにゲインを選ぶケースが多いのだが、その理由はここなのだ。

 

ゲインM20i

乗りやすさを高い次元で求めた車体に強力なモーター、そしてこだわりのセッティングが加わることで、誰にでも楽しめるeロードバイクになっている

 

Detail

クランク

全てのグレードでベテランサイクリストや品質を重視するホビーユーザーも納得の高品位なパーツチョイスがされている(ペダルは撮影用に装着)のも特徴

リヤディレーラー

ディレーラーは前後ともアルテグラDi2。電動シフトとなる。電動なので機械的なワイヤがない。そしてハーネスはスマート処理されているので見栄えもいい

リヤハブモーター

マーレ製のリヤハブモーターを採用。小型でeバイクとは気がつかない人も多い。マーレのユニットは欧州ではメジャーだが、日本で味わえるのはゲインのみ

充電ポート

バッテリーはダウンチューブに内装。充電ポートはBB部の上部。ミニマムモードであれば200kmはアシスト可能。マックスモードでも80~100km

アシストスイッチ

バッテリー残量はイルミの長さで表示。直感的に把握できる。アシストモードは色で判断。最も自然なのがグリーン、そしてブラウン、パープルの順で強くなる

ディスプレイ

ディスプレイはモノクロ式。太陽の向きの影響を受けにくいので、走行中のチラ見でも情報が読み取りやすいという印象。文字の大きさも適切だった

ハンドル

ハンドルは高めにセットされているので初心者でも乗りやすい。体幹などが強い人はスペーサーを抜くことで、パワーをかけやすいローポジション化できる

サドル

フィジークのサドルを装着している。幅は140mmなので、標準的な体型の人なら快適に使用できるだろう。M20iはシートポストもカーボン製となる

BBまわり

ゲインのOMRカーボンフレームは扱いやすさを重視 した設計。しかし要所は十分な剛性を持つので、ロー ドバイクを乗り継いできたベテランも納得できるもの

 

整備や輪行が楽になるモーター接続端子

フレーム側モーター接続端子

 

モーターへの結線はカプラーではなく接触端子を利用。そのためリヤホイールの付け外しが容易になっている。これは整備時も便利だが輪行をしやすくするものでもある。約12kgという車重と合わせ、輪行がしやすいのもゲインの特徴だ。

 

ユニット側モーター接続端子

ユニット側の端子はここ。ホイールをはめる際は、フレームにあるガイドに沿って滑り込ませるだけで電気的な作業は終了。作業や輪行が楽になる構造だ

 

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