サイスポ12月号の特集『自転車撮影術』をちょっとだけ紹介!【スマホで撮る】

目次

自転車の魅力をカメラが高め、カメラの魅力を自転車が高めてくれる。スマホの普及で撮影が身近になり、1億総フォトグラファー時代の今。サイクルスポーツ“特別編集長”サイクルフォトグラファーの辻啓さんと共に改めてスマホ写真について考えてみよう。

 

辻啓さん

 

スマホカメラのメリット

ジャージの背中ポケットに収まって、ふとしたときに手に取りやすいのがスマホの良さ。パパッとアプリを立ち上げてパシャリ。そして、そのままSNSへ投稿! その取り回しの良さはスマホだからこそ。雨や汗で濡れても故障しにくいのもいい所。

 

スマホカメラのデメリット

手軽に撮影できるスマホにも難点が。例えば、手前をボカした写真が撮りにくかったり、ちょっとしたアレンジを……と思ってもシャッタースピードが変えられなかったり。写し方によっては、タイヤがゆがんで見えてしまうことも。

 

大前提! 撮る前にスマホのレンズを拭いておこう

スマホ撮影で気を付けたいのがレンズの汚れ。ふとしたときに、指がレンズに触れていることが多い。せっかくの写真だけど、いざ撮ってみたら真っ白……なんてことも。

 

スマホ

 

SNSで見せたい写真を撮るには?

サイクリングで目的地に到達したとき、きれいな景色を見つけたとき、ライド仲間と記念に……撮影するタイミングは様々。ただ、“共通項”として「縦写真」「被写体を大きく」の2点を押さえてほしいと辻さん。インスタグラムであれば、スマホ画面に合わせて縦写真をそのまま表示する仕様になっている。また、被写体が大きいほど見る人の目に留まりやすい傾向もあるとか。スマホ時代の今だからこそ、縦写真で被写体を大きく写したい!

 

左の方が被写体が大きく目が行きやすい

左の方が被写体が大きく目が行きやすい

SNS写真

 

被写体から下がってズームで撮ってみよう

撮影する際、被写体に対してついつい前のめりになったり、近づいたりしがちでは? 「そんなときこそ、一歩下がって被写体から離れた方が良い画を撮れる」と辻さん。例えば走っている人を撮る場合、遠くから望遠(スマホカメラの場合2×、3×のズームなど)で構えた方が、ゆっくりカメラを振れるから手ブレを抑えられる。遠くから撮る分、長時間被写体を追い続けられるメリットも。余りに近いと、撮るチャンスが一瞬しかなくなってしまうのだ。

 

被写体からの距離

 

自転車を撮るときのポイント

細かいルールはなく、撮る人の好みを優先しよう。一例として、サイクルスポーツの場合、「バルブ位置は下」「ギヤはアウター×トップ」「クランクの角度はチェーンステーの延長線」が基本。ただ、この限りではないので、各パーツがどの位置だとカッコよく見えるかいろいろ試してみて。ちなみに、本企画のロケであらゆる意見が出たのがこのポイント。それぞれに好みが異なっていた。

 

バルブ位置

バルブの位置:地面と垂直

クランク、ギヤの位置

クランク、ギヤの位置:チェーンステーと並行、アウタートップ

 

走りカットを撮るときのポイント

カメラを連写設定にして続けて撮ってみると、どの写真がカッコよく見えるか分かりやすい。ライダーを正面から、また横から撮ったときも、ペダルに脚の力が加わるタイミングがベスト。イメージとしては、「踏み込む脚が1時、抜き脚は7時のポジション」。辻さんの場合、レース写真などではライダーの脚が中途半端な位置にあるものは使わないそう。また、カタログ撮影ではギヤを重めにして、意識的に力が加わって見えるよう図ることもあるそうだ。

 

脚の角度で見え方が変わる

脚の角度で見え方が変わる。左から、右脚9時の位置・左脚3時の位置、1時・7時、11時・5時。中央が脚に力が入っている状態

横からの写真の比較

左から、踏み込む脚3時、1時、11時の位置

 

撮る場所で見え方が変わる

力強い写真を撮るなら、ライダーが踏み込んだタイミングでシャッターを切ってみよう。コーナーを抜けて踏み込むシーンや頂上手前のあと一踏みの瞬間は、真剣なまなざしの表情と相まってナイスな写真に仕上がるはず。また、クリテリウムレースなどでは、連続するコーナーで隊列が縦長になることが多いので、撮りたい仲間の姿を見つけやすい。この時も、「脚の角度」は意識して撮ってみたい。

 

コーナー後

コーナー前よりコーナー後

上り切りの少し前

上り切りよりその少し前

連続コーナー

連続コーナーで集団から見つける

 

サイクルスポーツ2025年12月号では、これ以外にも、普段余り写真は撮らなくても、自転車で走っていて偶然出合った絶景を伝えたくなったときに知っておくと便利な写真の撮り方のコツ、自転車とカメラとの旅を楽しんでいる人のアイテムや、彼らが写真で切り取りたいと思える絶景に出合った旅のルートを紹介しています。

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