ゆめしま海道でワーケーション。瀬戸内海の自然豊かな島で2泊3日のワーク&バケーションを体験してきた(後編)

目次

ゆめしま海道は愛媛県上島町の島々をつなぐ、人気の離島サイクリングルート。日中は通常どおり仕事をし、朝と夕方は積極的にリフレッシュする新しい働き方をお届けする。

 

前編はこちら

 

これぞエクストリーム出社

エクストリーム出社とは、出勤する前に登山や海水浴、観光といった非日常的なアクティビティを行い、心身をリフレッシュさせた状態で定刻通りに出社する働き方。メリットとしては、ストレス軽減と気分転換、生産性・ワークライフバランスの向上などが期待される。

今回のワーケーションでは「日常と生活リズムを変えないこと」を唯一のルールとしている。朝ランのルーティンもそれに当てはまるのだが、ロケーション自体が非日常を楽しめるエリアなので、出勤前にランニンするだけでも、十分エクストリーム出社だと言えよう。

そこにもう一つアクセントを加えた二日目の朝ランは離島でしかできないアクティビティをやることに。それは弓削島から橋を渡って、隣の佐島までランニングし、船に乗って弓削島に戻り、出社するという、フィットネスと観光を兼ねた「究極のエクストリーム出社」だ。橋の上から眺める海、そして乗船時間は7分ほどだが、走ってきた橋の下をくぐり、地上とは違う海の景色を眺めながら船の中でクールダウン。出社前にこんなアクティビティができる場所って、そんなにないんとちゃうかな?

そしたら、今日もお仕事頑張りましょかね!

 

弓削大橋

自転車でしか渡ったことのない弓削大橋からの眺めは、ランニングだとまた新鮮に映る

乗船受付の方と

乗船客かと思ったら、乗船受付の方だったので、乗船するまで談笑。決してナンパではない……

船で宿に帰る

ランニングして船で宿に帰るて、なかなかぜいたくやと思いません?ちなみに乗船代は180円(佐島港〜弓削港:芸予汽船)

 

ワーケーション二日目

二日目は、昨日と環境を変えて「海の駅舎 ふらっと」1Fのコミュニケーションスペースでやることにした。特に深い意味はないが、何となく気分転換できると思ったからだ。2Fより冷房がよく効いていて、さらにエクストリーム出社のお陰もあり、この日も順調に業務開始。今回のワーケーションで、原稿を最低でも2本仕上げることを目標にしていたので、何とか集中して、書き上げたいと思う。

 

ヨットを眺めながら出勤

青い海と海外から寄港しているヨットを眺めながら、ノートPCのみで出勤

キッチンスペースにコーヒーサービス

後ろのキッチンスペースにコーヒーのセルフサービス1杯(200円)があるのはうれしい

 

さて、お楽しみのランチタイム。昼休憩にサイクリングを兼ねて、「海の駅舎 ふらっと」からeバイクで10分ほど、上弓削にある「Kitchen 313 Kamiyuge」へ。築105年の古民家の蔵をリノベーションしたベーグルと食パンのお店。建物自体が登録有形文化財に指定されている。明るい店主の宮畑さんとの会話を楽しみに来客される方も多いとのこと。

 

店舗は海から内陸部に入り、ええ感じの旧道の細い路地を入っていったところにあるのでクルマで行くと見つけることは難しい(実際、ドライバーに道を聞かれた)。自転車がやはり便利!

ベーグルを作る宮畑さん

おしゃれな骨董屋さんのような雰囲気の店内で、楽しそうにベーグルを作る宮畑さん。見ているこちらもワクワクしてくるから不思議だ。あ~早く食べたい……

ベーグルサンド

自家製鶏ハムと自家製&ご近所さんの季節の野菜で作るベーグルサンドは、一度食べるとやみつきになるおいしさ。
Kitchen313 Kamiyuge」(愛媛県越智郡弓削上弓削313/tel:090-7371-6888/営業時間:11:00〜15:30/休業日:月・水・金・日)

ベーグルをいただく

庭のテラスか店内でいただくことができる。それにしても、うれしそうな顔してまんな~(笑)

 

午前中に半分書き終えた原稿を終業時間までに書き終えることができた。昨日、今日といつにも増して、不思議なくらい筆が進んだのは決して筆者の能力とかではなく、間違いなくワーケーションが作り出した賜物だと思う。

 

ワーク後のバケーション

昨日に続き、二日目も仕事を終えた後、eバイクでサイクリング。昨日とは逆方向で島の東側へ向かい、海と松林が美しい「松原海水浴場」から下弓削の海沿いを走る。昨日は西側だったので、夕日を見ながらのライドだったが、こちらはこちらで海の見え方が違っていて、面白い。う~ん、やっぱ癒されるわ、この島のサイクリングは……。

 

海を眺めながらのサイクリング

透明度の高いきれいな海を眺めながらのサイクリング。写真左の砂浜が「松原海水浴場」

 

実はこの日、筆者は海水浴場で泳ぐ気満々で海パンを履いてサイクリングに出かけた(笑)。そして、eバイクを降りて砂浜に近づいたところ、仲の良さそうな親子が釣りをしていたので何が釣れるのか聞こうと近づいたところ、何と筆者の大阪時代の知り合いだったのだ。聞けば、すぐ目の前のキャンプ場に来ていて、夕ご飯前にキス釣りをしていたという。まさかこんな偶然があるとは……。

 

西畑さんと葉純さんと

大阪から家族旅行でキャンプに来ていた西畑さんと娘の葉純(はすみ)さん

釣り

半ば強引に釣竿を拝借し、釣りをさせてもらった(笑)。しかし釣果はボウズだった

西畑ファミリーのキャンプ飯

流れで、西畑ファミリーのキャンプ飯をご馳走になることに……

プロフとトルコ風サラダ

奥様の由香さんのテッパンキャンプ飯、ウズベキスタンのソウルフード「プロフ」とトルコ風サラダをいただいた。※プロフはピラフの語源とも言われているそう

 

ワーケーション最終日

ゆったりとした島時間にすっかり癒されっぱなしのワーケーションもいよいよ今日が最終日。この日もルーティンの朝ランをし、おいしい朝ごはんを食べて「海の駅舎 ふらっと」へ出勤。昨日までに今回のワーケーションでの目標としていた原稿2本を仕上げたので、今日は資料作成に充てようと思う。

 

高浜八幡神社まで朝ラン

最終日の朝ランは北部の高浜八幡神社まで。このロケーションなんで、なんぼ走っても疲れないほど、朝からテンションMAXに↑↑

テラスで仕事

この日は朝のうち、涼しかったのでテラスでお仕事。海からの優しい風が何とも心地いい

 

最終日は午前で仕事を切り上げ、いそいそと帰り支度を始める。筆者の上島町への訪問はかれこれ10回を超え、もはや勝手に自分の故郷と思っているくらい、この島が、この島の流れる時間、この島の人たちが大好きだ。だからか知らないが、いつでも戻ってこれる気がするので、不思議と寂しくはない。

 

中塚のお母さんに別れを告げる

3日間お世話になった、民宿「中塚」のお母さんの笑顔に癒され「また、帰るからね~」と別れを告げる。間違いなく自分の実家より心地がいい!

 

さて、最後のランチは何にしよかな?と思案しつつ、帰りの船は弓削島から2つ先の生名島の立石港から乗るので1つ目の佐島のまったり癒し系カフェ「book cafe okappa」に決めて、eバイクにまたがった。そういえば、今回のサイクリングは弓削島しか走ってなかったので、弓削大橋を渡るのは初めてかなと、不思議な感覚でいたが、「いやいや、2日目にランニングで渡ってるやんっ!」とひとりごちる。

 

弓削大橋を渡って佐島へ

弓削大橋を渡って、となりの佐島へと向かう。わずか2.5km程。それにしてもこの海と空の青は美しいな

山之内彩美さん

おかっぱ髪の店主、山之内さんの笑顔に癒される。島の飲食店は、どこに行っても癒されるわ~

ノリもちチーズピザ

定番のチキンカレーと迷ったが、弓削の海苔を使った佃煮とごま油のタレが抜群の「海苔もちチーズピザ」(1200円)をいただくことに。素朴で優しい味が最後の島メシをさらにおいしくさせてくれる。

ブックカフェオカッパ

いかに地元の方に愛されているかがよく分かるこの写真。店内の奥スペースは託児所状態となっていた(笑)。
book cafe okappa」(愛媛県越智郡弓削佐島694/TEL:O897-72-9229/営業時間:11:30〜17:00/休業日:月〜木)

 

今回、人生初のワーケーションを体験したが、ワーケーションができる職種は、前編で述べたようにノートPCひとつで仕事ができる人が多いのではないだろうか。つまり一日中、PCのモニターに向かっているため、ふとモニターから目を離して顔を上げた際、目の前に見える景色によって、リセットされ、結果、業務効率が上がるのでは? わずか三日間の体験だったが、何となく分かったような気がする。

そして、ワーク前後のバケーションでもランニング、サイクリング、乗船、フィッシング、キャンプ飯を満喫し、きれいな景色と島時間のおかげでさんざんリフレッシュすることができた。

これからも年に一度はワーケーションやりたいと思うし、他の人にもすすめてみようと思う。できればここ上島町で……。

 

ワーキングスペースの窓から見える景色

今回のワーケーションで利用させてもらった「海の駅舎 ふらっと」の2Fワーキングスペースの窓から見える景色。PC画面から目を離したときにこの景色が見られたら、そらあリラックスするでしょ~

 

上島町公式観光WEBサイト