ゆめしま海道でアウトドアアクティビティを満喫! 家族で楽しむ、瀬戸内海の離島を巡るeバイク旅

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今夏、家族3人で、愛媛県上島町へ旅行に出かけました。目指したのは、にぎやかなしまなみ海道とはひと味違う、時間の流れが穏やかな「ゆめしま海道」。弓削島、佐島、生名島、岩城島を繋ぐこの旅の相棒に選んだのはeバイクです。

1日目:eバイクで知る、弓削島の隠された魅力

旅の始まりは、弓削島港の目の前にある「せとうち交流館」から。3人分のeバイクを借り、ヘルメットを被れば準備万端。eバイク初体験の娘は、ひとこぎで驚きの表情に。「これ、スゴイ!」と声を弾ませます。 走り出してすぐに気づいたのは、島全体を包むような静けさ。そして、信号が一つもないことでした。車通りも少なく、誰にも急かされることなく、私たちは潮風を全身で感じながらペダルをこぎました。都会の喧騒を離れたストレスフリーなサイクリングは何よりも贅沢な時間です。

せとうち交流館

弓削島の西側は平坦な道が多いが、島と島を結ぶ橋には緩やかな上り坂があります。しかし、eバイクの強力なアシスト機能のおかげで、まるで平地を走っているかのようにスイスイと坂を上っていくことができます。娘は私たちに遅れるどころか、先頭を笑顔で駆け抜けていきました。電動アシストの恩恵は想像以上でした。

サイクリングでお腹が空いた私たちは、弓削島にある地元の魚屋さん「魚六」へ立ち寄りました。生けすには、その日の朝に水揚げされたばかりの魚介類が元気よく泳いでいます。目移りしながら選んだのは、海鮮丼。テイクアウトを待つ間、お店の方が優しく話しかけてくれ、旅の始まりから島の人の温かさに触れることができました。

海鮮丼

海鮮丼を手に、私たちは海辺の公園へ。パラソル付きのピクニックテーブルで、波の音をBGMに食べることにしました。蓋を開けると、ご飯が見えないほど新鮮な刺身がたっぷり。一口頬張ると、魚の甘みと旨みが口いっぱいに広がり、「うまい!」と声に出てしまいます。娘も「外で食べると、なおさらおいしいね!」と感動した様子。都会のレストランでは味わえない、島ならではの贅沢なランチタイムです。 私にとっては娘の笑顔が何よりのご馳走です……。

海辺の公園

午後は、弓削島がかつて塩作りで栄えた歴史に触れる藻塩作りを体験。海水を素焼きの器に入れてじっくり煮詰めていく工程を、職人さんに教えていただきました。娘は「科学の実験みたいだね」と興味津々。沸騰する海水から白い塩の結晶が浮かび上がってくる様子を、真剣な眼差しで見つめています。完成した藻塩は、旅の素敵な思い出になりました。

藻塩作り体験 藻塩作り体験

体験の後は、島で人気の「おやつタイム」へ。上島町のマスコット「かみりん」をモチーフにした「かみりん焼き」が有名ですが、かみりんサブレが添えられたアイスを注文。冷たくて甘いアイスが、火照った体に染み渡り、リフレッシュできました。

かみりんサブレ添えアイス かみりんサブレ添えアイスを食べる

2日目:燻製作り体験と絶品BBQ

2日目の朝も、eバイクで弓削島から生名島へと向かいます。 この日は、交流館で教えてもらった燻製作り体験に挑戦です。地元のスーパーで食材を調達。ナッツやチーズの定番に加え、娘が選んだのは「面白そう!」とはちみつ梅。燻製器にセットし、待つこと2時間。蓋を開けると、スモークの香りに食欲をそそられます。出来上がったはちみつ梅を口にすると、酸味、甘み、そしてスモークの香りが絶妙にマッチし、驚きのおいしさでした。

燻製作り 燻製作り

燻製体験の後は、この日の宿泊地、弓削島の「エコフィールド松原ファミリーキャンプサイト」へ。目の前が海という最高のロケーションです。手際よくテントを設営し、楽しみにしていた昼食の準備に取り掛かります。 昼食は海鮮BBQ。再び地元の魚屋さんで、朝採れの鯛やカマス、アジなどを仕入れてきました。炭火を起こし、網の上で新鮮な魚をじっくり焼いていきます。味付けはシンプルに、昨日作った藻塩のみ。余計な味付けは一切必要ありませんでした。魚の脂が炭に落ちるたびに香ばしい匂いが漂い、食欲を刺激します。娘も私も、無言で夢中になり魚を頬張りました。

エコフィールド松原ファミリーキャンプサイト 魚屋で仕入れ 海鮮BBQ 海鮮BBQ 海鮮BBQ 海鮮BBQ

そしてのんびりとキャンプ場で過ごし、日が暮れ始めると、我が家の定番キャンプ飯、ウズベキスタン料理の「ポロフ」を作ります。大量のにんじんと肉を炒め、クミンやにんにくで味付け。さらに米を入れて炊き込む炊き込みご飯のような料理です。キャンプ場にエキゾチックな香りが漂い、家族のテンションも上がります。

ポロフ作り ポロフ ポロフを食べる

食事が終わり、片付けを終えると、お待ちかねの星空観察の時間です。夜空には無数の星が瞬き、娘は「お父さん、あれが夏の大三角だよ!」と教えてくれましたが、目の悪い私には全く見えません……。

3日目:感動の朝焼けと穏やかなSUP体験

旅の最終日は5時に起床。楽しみにしていた、キャンプ場から見える朝焼けを待ちました。水平線から空が少しずつ明るくなり始め、やがて海面全体が赤く、そして黄金色に輝き始めます。自然が織りなす圧倒的な美しさに、ただただ見惚れてしまいました。この光景を見られただけでも、この旅に来てよかったと心から思いました。

朝焼け

朝食を済ませ、名残惜しい気持ちを胸にテントを撤収。再びeバイクに乗り、弓削島〜佐島〜生名島〜岩城島へとサイクリングしながら、最後の目的地へと向かいます。

旅の締めくくりは、穏やかな海で楽しむSUP(スタンドアップパドルボード)体験です。最初はバランスを取るのに苦労しましたが、すぐに慣れ、パドルをこぎながら海の上をゆったりと進んでいきました。娘も妻も、最初は緊張した面持ちでしたが、慣れてくると楽しそうに海をのぞき込んだり、遠くの景色を眺めたりしていました。

サップ体験

3日間、日差しが照りつける猛暑の中でしたが、海から吹く潮風は心地よく、私たちの体をクールダウンくれました。都会の喧騒から離れ、自然の中で過ごした時間は、家族の絆をより一層深めてくれたように感じます。今回はアクティビティ体験の移動手段として、eバイクというツールがあったからこそ、私たちはこの素晴らしい景色や体験を、家族みんなで分かち合うことができたと思います。

上島町観光協会 せとうち交流館(愛媛県越智郡上島町弓削下弓削1037-2/TEL:0897-72-9277 瀬戸内かみじまトリップ)
上島町公式観光WEBサイト https://www.kamijima.info/