「サイクルスポーツ10月号」の見どころを副編集長が紹介!

目次

発売中の「サイクルスポーツ10月号」は、「編集長リレー」の3人目としてサイクルフォトグラファーの辻啓編集長を迎えた第3シーズンとなり、「ツール・ド・フランス」大特集を展開! 今回もサイスポ誌の副編集長のエリグチが、見どころや注力ポイントを紹介します。

サイクルスポーツ10月号の見どころ

【本誌副編集長エリグチ】
今回のツール特集にあたって、毎ステージのレースを追うことはもちろん、弊社刊行の「ツール・ド・フランス公式ガイド2025」や「チクリッシモ選手名鑑号」を読みみつつ、記事制作の際はそれぞれの選手名やチーム名、そしてコースに登場する地名を都度引き直していたので、ちょっとだけツールに詳しくなりました。たぶん。

 

「辻啓さんのツール特集がしたい!」

この特集をやりたかった!

というわけで、サイクルフォトグラファー辻啓さんに「編集長リレー」のバトンを繋いで始まったのが「ツール・ド・フランス(以下、ツール)」大特集です。

そもそものこの「編集長リレー」企画を思いついた2024年末、果たして本当にこんな企画が実現できるだろうかと悩んでいた僕が、初めて相談しに行った人が辻啓さんでした。

南っかわの大阪人(辻さんは堺で、僕も大阪市内南部)の辻啓さんは、僕が自転車を始めた頃からの自転車界の憧れの先輩。僕がサイスポ編集部に所属してからは、国内外の様々な取材先でお会いし、いつしか仕事や遊びをご一緒する機会も増えてきたものでした。

そしてこの2025年始、僕が副編集長となるとともにこの一見おかしな企画を展開することを相談しにいき、「ええんちゃう!」と答えてもらったことでこうして企画が動き始めたのでした。

その際から、もしも辻啓さんが特別編集長をやるなら「ツール大特集」はゼッタイにやりたい!と決めていました。だって面白くならないはずがないじゃないですか。

そんな嵐の前の静けさの年始から、早くも半年。2人の特別編集長と一緒にワイワイと数々の企画を展開してきましたが、いよいよ辻さんシーズンが近づいてきました。そして改めて気づくのです。辻さんは6月からジロ・デ・イタリア、7月はツール取材にと現地へ出ずっぱりだから、日本では何も取材ができない!

そうしてサイスポ55年来初めての、編集長が海外から帰ってこないなかでの、誌面制作がスタートしたのでした。

サイクルスポーツ10月号の見どころ

 

いかにツールを追体験するか?

今回の全50pの特集は、大きく3つのパートで構成されています。

第一パートでは、辻啓さんの現地撮り下ろしのツール写真をふんだんにレイアウトし、そして同じく現地で足を使ってを取材するジャーナリスト2人に登場してもらいました。

自転車メディア「Arenberg」を主宰する小俣雄風太さんには、「ツールとはどんなレースなのか?」というお題から、全ステージを追いかける旅についてを綴っていただきました。そして弊社刊行『チクリッシモ』等でお馴染みの宮本あさかさんには、「2025年ツールのレース展開」、すなわちタデイ・ポガチャルの活躍を描き切っていただきました。

また、第一パートの最後には、「数字と見る21ステージ」として、各ステージのレースレポートとともに、今年の全走行距離やスピード、獲得標高や賞金といった驚きな数字を辻啓さんが紹介しています。

二人のジャーナリストの視点からツールを語ることで、「旅」や「ドラマ」といった重層的な魅力を展開しているのですが、それらの物語を印象付けるのが、辻啓さんの大判の写真たち。その迫力は、ぜひ紙の雑誌で感じていただきたいところです。

サイクルスポーツ10月号の見どころ

続く第二パートは「ツールを体感する」ことを目指したもの。その中でも特に注目いただきたいのが、「もしも日本で2025ツールの全ステージを再現したら?」という”妄想”企画ページです。こちらのデータページ、見ていただきましたか?

毎年フランス国内で行われているこの一大レースは、どんなスケール感なのか? それを日本に住む私達が肌感覚で理解するには、その距離・標高・移動時間・街の規模などを日本に落とし込めばいいんだ。そんな考えから始まったのですが、辻啓編集長、超ノリノリで日本版全21ステージから休息日に至るまでを考え、コース引きをしていただいています。

しかもその各コース、ちゃんと原作(本国)ツール展開に即した内容になっていて……日本にいる時は各地を自転車で走り回っている辻啓さんの知識と経験が存分に誌面に落とし込まれています。

ぜひこの濃厚なページテキストも、データページと合わせて読んでいただきたいと思います。

そしてそんな「妄想日本一周」続くかたちで、僕エリグチとライター・ナカタニ氏のサイスポチームが、2025ツールの「クイーンステージ」、「走行距離180km、獲得標高5100m」を一日で走り切るライドレポートを展開しています。はい、このために7月23日に渋峠を三回上りました。人間って一日でそんなに自転車で上れるものなんですね。

 

第二パート後半では、「ツールをいかに観戦するか?」という切り口から、編集部員タキザワをはじめ観戦を楽しまれた皆さんによる観戦ノウハウやレポートを、超・熱量高くお届けしています。

今夏のツールは既に終了していますが、来年の夏に向けて観戦プランを練るも良し、何なら今からからだって”走ること”でそのスケール感を追体験することだってできるのではないでしょうか。

サイクルスポーツ10月号の見どころ

いよいよ第三パートでは「ツールをもっと知る」ための機材や戦略、ペダリングといった「最新理論」を解説。機材はもちろん辻啓さんの現地からレポートの上で、日本国内の有識者の皆さんに集まっていただきその実情を対談しつつ解説していただいています。

「なぜエアロロードバイクが選ばれているのか?」、「選手達のペダリングやフォームは?、「主力チームの戦略は?選手たちのトレンドは?」、「新たなUCIルールとは?」といったトピックが満載!

何より最後のパートには「僕らの憧れのツール機材」として、1990年代から2020年代の現代に至るロードバイクたちを、ジャーナリストの吉本司さん、安井行生さんが試乗し語り合っていただきました。

「TVT」、「TCR」、「メラク」、「VXRS」に「エアロード」……登場するバイクはどれも現役稼働できる状態に保たれた名品揃い。こちらは取材班が様々なオーナーさんから借り受けて、試乗・撮影をしております。(ご協力いただいた皆様、ありがとうございました!)

サイクルスポーツ10月号の見どころ

 

この酷暑は、まだもう少し未来のことだろうと想像していた頃。
辻啓さんとオンライン打ち合わせを重ね、特集構成案を作成して「どのタイミングでどんな写真やテキスト素材が必要か」を詰め進めていました。

「このページ構成は入れ替えた方がいいのでは?」、「ツールの展開が決まるのはだいたいこれくらいの日程?」、「じゃあ表紙はこのタイミングで決めましょう」などなど。僕エリグチ自身、これまでどれほどオンラインで編集作業を進めることを経験していたとしても、制作月のなかでその人と一度も会うことなく取材を進めるというのは、本当に初めてトライしてみることでした。

どんどんと時は過ぎ、辻啓さんが出国したかと思えば、あっという間にポガチャルがマイヨ・ジョーヌを着用して、そしてプロトンはどんどんピレネーへ、パリへ近づいて行く。

そんな日々の中、辻啓さんのドライブ上に上がってくる写真をもとにページレイアウトを進める中で、あまり不安はなかったように思います。それはおそらく、フランスで毎日超ハードなタイムラインで稼働し続けている辻啓さんに対する信頼(どれくらいハードかは、特集末のコラム「辻啓のツール・ド・フランスの一日」に詳しく)と、「これはゼッタイに面白い号になる」というワクワクが、1ステージずつ進むにつれてどんどん増していくことを感じていたからだと思います。それは間違いなく、僕にとっての「ツールという日々の旅」でもありました。

是非皆さんも、この夏の大特集を読み終えて、「ツール・ド・フランス」を感じてみてください。

僕らが好きな自転車は、全てツールへ繋がっていくのです。

 

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サイクルスポーツ10月号の見どころ

 

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