東京サイクルデザイン専門学校の「ライドウィーク」でサイスポが特別講義!

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「東京サイクルデザイン専門学校」は、自転車に関わる「メンテナンス」「製作」「設計・デザイン」といった自転車の魅力を総合的に学ぶ専門学校だ。そこで春と秋の年2回開催される実走講義「ライドウィーク」の一環として、TCDとサイクルスポーツがコラボイベントを企画した。

東京スカイツリー

 

サイスポがTCD学生諸君へ直伝講義!

東京・渋谷に門を構える「東京サイクルデザイン専門学校」(以下、TCD)は、自転車に関わる「メンテナンス」「製作」「設計・デザイン」の 3つの柱に加えて「ライド」といった自転車の魅力を総合的に学ぶ自転車の専門学校である。
普段はフレームビルドやメンテナンスを教えるTCDであるが、春と秋の年2回開催される「ライドウィーク」では、ライドイベントや競輪場でのバンク走行体験を通して自転車の魅力を多角的に学ぶ機会を設けている。

今回はそのライドウィークの一環として、TCDとサイクルスポーツがコラボし「特別ライド講義」を企画! それは、都心を走行しアウトドアな雰囲気も楽しむライドイベントに加えて、副編集長であるエリグチが課外授業も行うというものだ。

仕事に向かうサラリーマンでごった返す平日朝の渋谷・原宿の街。繁華街から路地を一本入った閑静な場所にTCDのキャンパスはある。この日はロードバイク、折りたたみ自転車、さらにピストバイクなど、さまざまな車種に乗る学生たちが集まった。

TCDに集まる学生たち

ライドの行程は、渋谷にあるTCDのキャンパスから葛飾区の水元公園までの約30kmだ。事前に申し込んだ16人の学生たちは、学年別に4つのグループに分かれ、それぞれサイクルスポーツ編集部チームと講師陣による先導で水元公園へ向かった。

青山、赤坂を走り抜け、国会議事堂に皇居前を通り過ぎる。交通量の多い東京の街の集団走行では、ハンドサイン(手による合図)や声掛けが重要になる。今回学生達はライド前にミーティングを済ませたあと、実際にライドを経験しながら集団走行の方法を学んでいるようだった。

TCDのライドウィーク TCDのライドウィーク

日本橋、浅草橋、浅草寺と経由しながら東京の街を北上し、桜橋で隅田川を渡る。この頃には足やペースも揃い、後半ライド用にグループが再編成されていった。
平日朝の賑わいを見せる墨田と葛飾の街を、交通量が少ない川沿いの道を駆使してくぐり抜け、江戸川サイクリングロードへと合流する。道幅の広いサイクリングロードでは街中での走行よりも自然と少しペースが上がる。速くなった集団の中で付かず離れずの距離を保つように走りながら、水元公園へと向かった。

TCDのライドウィーク

そして葛飾区のオアシス・水元公園の中心である小合溜を横目に通り抜け、水元大橋を渡り、ポプラ並木を潜り抜けるとゴール地点であるバーベキュー広場へ到着だ。学生たちは、先に到着していた講師陣とバーベキューを囲み、TCDでの生活や将来の進路などについて話に花を咲かせていった。

そんな時間はあっという間に過ぎ、大量に用意された肉や焼きそば、マシュマロまでを綺麗に平らげた学生諸君。そのシメとして、アツアツのコーヒーを飲みながら、サイスポ副編集長のエリグチによる今回のライドを元にした「自転車講義」が開催。
「もしも自分が魅力的なルートを引くなら?」、「自転車とそれ以外の興味関心との関わり方は?」、「自転車のコミュニティ作りの大切さとは?」といった多岐に渡るテーマを学生一人ひとりと語り合いながら、サイスポならではのノウハウを伝える貴重な時間となった。

自転車の設計や溶接、デザインといった「実学」的な学びを得ることができる本TCD校。そこに「ライド」という、自らが走って仲間とともにその繋がりを広げていくという要素が加わることで、学生一人ひとりの自転車経験値は、より深く・広いものになっていくことは間違いないだろう。

バーベキュー バーベキュー

TCD一日特別講師となった、サイクルスポーツ誌副編集長エリグチ

TCD一日特別講師となった、サイクルスポーツ誌副編集長エリグチ

 

TCD生のライドスタイルをスナップ!

学生① 孔鈞(こうきん)さん(サーリー・ペイサー)

コウ キンさん

中国でゲーム業界の3Dモデリングアーティストとして働いていたキャリアを持つ、台湾出身のコウさん。趣味で自転車作りを学びたいと来日し、この春からフレームビルディングを学び始めた。多様性を持った様々な機能なバイクを作ることを目標としている。「将来は日本のゲーム業界で働きながら趣味で自転車を作りたい」と語るコウさんは、フレームビルディングだけでなく3Dモデリングの勉強も続けている

 

学生② 平林陽さん(トレック)

平林陽さん

TCDに入学した理由を「とにかく自転車が好きで、これを仕事にしたかった」からだと語ってくれた1年生の平林さん。TCDへの進路を決めたのは高校2年生の時。「将来は海外のバイクメーカーの開発に携わりたい」という夢を持つ平林さんは、とにかくTCDで学べることは全て学びたいと意気込みを聞かせてくれた

 

学生③ 渡邉慶斗さん(自作ピスト)

渡邉慶斗さん

自作のピストバイクで参加した2年生の渡邉さん。バイク以外からもカルチュアルなスタイルを見せる渡邉さんは、将来好きなことを仕事にしたいと考え、TCDで学ぶことを決めた。渡邉さんの自作バイクは一見カジュアルなスタイルでありながら、よく見るとキャンプや輪行での使いやすさを考えたギミックが盛り込まれている。将来は自転車業界で働き、いつかは独立することを目標としている

 

学生④ スプレッグ クリストファー マイケルさん(オールドのロードバイク)

クリス・スプリングさん

2年生のクリスさんは、普段は英語教師の仕事をしながらTCDでフレームビルディングを学んでいる。アメリカ空軍での10年間の従軍経験や、バイクメカニックとしての2年間の経験を積んだ後、フレームビルディングをTCDで学びたいと思い来日した。将来は日本でフレームビルダーになることを目標としている

 

TCD学校長、今野真一氏に聞く「ライドと学び」とは

今野真一学校長

今回のイベントには、TCDの学校長を務める今野真一氏も参加した。「ケルビム」ブランドだけでなく、自身が主宰する「今野製作所」で世界的に評価される今野氏が、学校長としてライドウィークにかける思いと、TCDでの生活を通して学生に経験してほしいことを聞いた。

――TCDでライドウィークを開始したきっかけを教えてください
今野 TCDが設立されて12年が経ち、それまで安全面でハードルが高く開講できていなかったライドの授業を開講したいと考えたことがきっかけです。自転車の楽しさは乗ることにあるので、ライドの体験はやはり重要だと考えています。今回のようなイベント以外にも、競輪場でのバンクの走行体験や、マウンテンバイクでのトレイルライドなども行なっています。

――ライドウィークを通して学生さんにどのような影響があるかを教えてください
今野 TCDにはピストやBMXなど色々な車種のバイクに乗っている学生がいますが、ライドウィークでは車種によらず一緒に走ることを楽しんでくれています。自作したバイクに乗って参加してくれる学生もいるのが嬉しいですね。ライドウィークの体験はきっと製作にもフィードバックされると思っています。

――TCDでの生活を通して学生さんに経験してほしいことを教えてください
今野 TCDの強みでもあるフレームビルディングを学んでほしいと思っています。卒業後はフレーム製造や代理店などの自転車業界に就職する学生が多いですが、ものづくりを知っていると自転車業界を様々な視点から見ることができるようになると思います。上手く作れなくてもいいんです。心配しすぎず、どんどん手や足を動かし新しいものを作ってほしいですね。

TCD

問い合わせ先

東京サイクルデザイン専門学校
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