ヤマハの「YPJ-MTプロ」を試乗インプレッション

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Presented by Yamaha Motor 撮影場所協力:高峰MTBヴィレッジ

トレイルライドで活躍する注目のeMTB(電動アシストタイプのマウンテンバイク)を試乗インプレッションしよう。今回はYAMAHA(ヤマハ)のトレイルeMTB「YPJ-MT Pro」だ。

YAMAHA YPJ-MT Pro

価格●74万8000円 サイズ展開●S、M、L カラー●デュアルブルー フレーム素材●アルミ サスペンショントラベル量●前:160mm、後:150mm タイヤサイズ●27.5×2.6 バッテリー容量●471.6Wh 参考重量●23.5kg(Mサイズ)

 

YAMAHA YPJ-MT Proの特徴〜日本ブランドが放つハイスペックバイク

ヤマハのモーターサイクルをほうふつとさせるシルエットから分かるように、このeMTBは同社が培った技術を余すことなく駆使して作られた一台だ。トップチューブとダウンチューブが2つに分かれた「ヤマハ デュアルツイン®フレーム」を採用するのが大きな特徴で、ハードな路面でも優れた走行安定性と旋回性能を発揮する設計の下り系トレイルバイクに仕上がっている。ドライブユニットにも同社の最高峰モデルが使われている。

YAMAHA YPJ-MT Proのドライブユニット

ヤマハ最小サイズで最軽量のドライブユニット「PW-X3」を搭載。定格出力は250Wで最大トルクは85Nmだ。オフロードで高いアシスト性能を発揮する仕様となっている

YAMAHA YPJ-MT Proのフレーム構造

トップチューブとダウンチューブが2つに分かれる。分かれたダウンチューブ内には約471Whもの大容量バッテリーがスマートに内蔵され、個性的な外観を演出している

YAMAHA YPJ-MT Proのリヤショックまわり

分かれたトップチューブの中からリヤショックが横向きに近い状態で配される。これによりスタンドオーバーハイトが低く抑えられ、低重心化と高い足つき性を実現する

YAMAHA YPJ-MT Proのブレーキ

何とブレーキにはマグラのものを搭載。ブレーキローター径は前後203mmだ。急制動はもちろん微細なスピードコントロールまで、安定したブレーキング性能を発揮する

 

YAMAHA YPJ-MT Pro試乗インプレッション

 

下り性能〜絶妙な重心位置! よく曲がり挙動も安定

YAMAHA YPJ-MT Pro試乗インプレッション

インプレッションライダー/板垣奏男(いたがき かなお)さん。東京サイクルデザイン専門学校卒業後、本場カナダにMTB留学。現在はプロMTBライダー/インストラクター/トレイルビルダーとして手腕を振るう。教え方のうまさについては定評があり、国内トップライダーへの指導も行う

 

まず感じられるのは、バッテリーとモーターの重心位置の絶妙さ。それにより車体重量を感じさせない走りの軽さがある。 タイトなコーナーもよく曲がるし、2.6インチ幅のタイヤによって倒しこんだときの安心感も高い。かつ、コーナリング中にバイクが振られてしまう感じもない。リヤショックまわりの構造も良く、このモデルに合わ絶妙な重心位置! よく曲がり挙動も安定せてチューニング済みのリヤショックと相まって、高い速度域でもバイクが不必要に跳ねない。一方で飛ぶ動きをすれば、それによく応えてくれる。前側が沈み込んでしまいすぎない、フロントサスの動きも良い感じ。またハンドル位置がダウンヒルバイク並みに高いこともいいフォームをキープするのに一役買っている。

 

アシスト性能〜急勾配で難しい上りにこそ強みを発揮する

YAMAHA YPJ-MT Pro試乗インプレッション

踏んだら踏んだ分だけアシストしてくれる反応の良さがあり、スイッチバックなどの難しいセクションではペダリング踏力で速度をコントロールしていける。急勾配で難しい上りにこそ、強みを発揮するタイプだ。特筆すべきはオートマチックアシストモードの便利さ。足の感覚と一体化したかのような自動アシスト調整で、これにしておけばあとは何も考える必要がない、という楽さがある。上りの楽しさが一番実感できるアシスト性能だ。