大宅陽子さんも実践! アミノ酸×自転車ダイエット
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「かつてはロードバイクでガンガン走っていてスリムな体型を維持していたけど、一度離れてすっかり太ってしまった……」。「ついつい“コロナ太り”に……」という自転車乗りは多いだろう。そんな人に向けて、アミノ酸をうまく活用し効率良く自転車でダイエットをする方法を特集しよう。今回は被験者として、ヨガインストラクターの大宅陽子さんが3週間でどのくらいやせられるかチャレンジする!
ポイントその1 脂肪燃焼に適した運動強度
かつてはヒルクライムレースで入賞の常連だったが、出産と育児、そして特に昨今のコロナ禍ですっかり運動不足になり、体重が増えてしまったという大宅さん。「次のシーズンからは自転車の活動を再開したいので、何とか体重を少しでも元に戻していきたいんです」と語る。
そこで指導を仰いだのは、おなじみプロコーチの伊藤 透さんだ。
自転車でダイエットを効率良く行っていくうえで大切なポイントとは?
「鍵となるのは、①脂肪燃焼に適した運動強度で走ること、②アミノ酸の補給です」と伊藤コーチ。まずは脂肪燃焼に適した運動強度で走ることについて教えてもらおう。
脂肪燃焼に適した運動強度=心拍数をコントロールするワークアウトが重要
「まず、最も脂肪が燃えやすい心拍領域で走ることが肝心です。ターゲット心拍数の算出にはカルボーネン法という式を使います。
(最大心拍数-安静時心拍数)×運動強度(%)+安静時心拍数=運動心拍数
脂肪燃焼に適する運動強度は40〜60%です。例えば、最大心拍数が約180で安静時心拍数が約50の人だったら、心拍数が102〜128の範囲となるように走ればいいわけです。
最近はパワーメーターが普及してパワーの数値ばかりが着目されがちですが、ダイエットなら心拍計を使い、心拍数に着目しましょう」。
心拍計がない人は「会話できる強度」を目安に
心拍計を持っていない人なら、どのくらいの感覚で走ればいいのだろうか?
「“会話ができるくらい”、“気持ち良く走れている”というくらいの感覚で走ればOKです」。
トレーニング時間やメニュー、一週間の組み立ては?
ターゲットとなる運動強度は分かった。では、それをどのくらいの時間、どんなメニューで行ったらいいのか。平日に何とか1日1時間ずつ、休日に2〜3時間程度走る時間が取れる、という典型的な自転車乗り像があるとして、その場合の一週間のメニューの組み立ては?
「大切なのは“細分化”です。例えば一週間で合計4時間時間が取れる人なら、土日にどかんと2時間ずつ走るのではなく、平日に30分ずつ走り、土日に1時間ずつ走る、というようにした方がいいです。1回のライドで長く走るのではなくて、一週間全体で見て消費できるカロリーを高めていくのがポイントです。
では、基本的なメニュー例です」。
●乗り出し5〜10分間:ウォームアップ
●メインの10〜20分間:ターゲット心拍数で走る
●終わりの5〜10分:クールダウン
「休日に2時間ほどライドができるなら、単純に平日のメインのメニュー時間を延長してください」。
たまに強度を上げてもいい
「ターゲットメニューで走りつつ、たまに少し息が上がるくらいに強度を上げてみるのも良いでしょう。例えば、
90秒ターゲット心拍数で走る→30秒やや強度を上げる
というのを数回繰り返す、といったことです。上り区間を取り入れるのも良いでしょう。こうした刺激を加えることで、むしろトレーニングに集中できるようになるメリットがあります。ただ、強度は上げすぎないように注意です」。
長時間走るときは糖質補給を。水分補給も忘れずに
「60分以上走る場合はライド中に糖質を取ることも忘れずに。もちろん、水分補給もこまめに行なってください。
ダイエットというと食べる量・飲む量を減らしがちですが、長時間乗るなら糖質補給と水分補給は重要です。これをしないと翌日にダメージが残ってしまって日常生活に支障が出たり、次回のライドに出られなくなってしまうなど、ダイエット全体として見てマイナスとなる可能性があります」。
休む日は設けた方がいい?
「ここで紹介したトレーニングの程度なら、ある程度連続して乗り続けてもダメージは少ないです。しかし、自分の体調と相談して休みの日を設けてください。2日走って1日休む、月曜日は毎週必ず休みにするなど、うまく調整しましょう。大切なのは、ダイエットのためのトレーニングを継続していくことですから」。
ポイントその2 アミノ酸の補給
次にアミノ酸の補給、という点について教えてもらう。
「自転車乗りがダイエットをして理想的なカラダづくりをするという意味では、“いかに運動後にたんぱく質を失わないか”が大事です。単に体重を落とせばいいというわけじゃないんです。
そのためにはバランスの取れた食事をして、必要な栄養を取ることが大事です。しかし、たんぱく質が不足しがちな人が多い。また、通常の食事で十分な量を取るのが難しい人は多いでしょう。
そこで、たんぱく質の成分であるBCAA(必須アミノ酸)と呼ばれるアミノ酸を含むスポーツサプリメントをうまく活用するのが賢明です。
誰でも手に入りやすい代表的な製品としては、味の素の「アミノバイタルⓇプロ」があります」。
「また、自転車ダイエットは継続していくことが大事です。適切な栄養の摂取を怠るとコンディションが悪化し、結局このダイエットが続かないという結果になる可能性があります。その観点で、自転車ダイエットを継続していくためにアミノ酸を摂取し、コンディションを整えてあげることは意義があります」。
摂取するタイミングは?
30分ライドする程度ならそれほどダメージはないので、ライド直後の摂取がおすすめです。60分以上走るなら、ライド前とライド直後にそれぞれ飲みましょう。
さらに、メーカーによっては取るタイミングごとに製品の種類を用意していることもあります。例えば、先ほど紹介したアミノバイタルなら、トレーニング後のリカバーに重きを置いた「アミノバイタルⓇGOLD」があります。60分以上走る日には、ライド前に「アミノバイタルⓇプロ」、ライド直後に「アミノバイタルⓇGOLD」と使い分けるのがおすすめです。
やりがちな失敗例
2つの重要なポイントは分かった。では、これだけは注意! ということは?
「皆さんよくやりがちなのは、やせようと思って一生懸命に長時間走ってしまうことですね。既に説明しましたが、理想的なダイエットという観点では、長時間走ると逆に筋肉の分解を進めてしまうので、マイナスになる可能性があるのです」。
「また、強度を上げすぎるのも要注意。ダメージが残って結局ライドを続けられなくなる可能性があります。最近は短期間でやせようとする風潮が強いですね。もちろん、短期間でもある程度結果が出せますが、自転車ダイエットは長期間続けることを重視するべきです」。
3週間で××kg減!(読んでのお楽しみ)大宅陽子さんのアミノ酸 × 自転車ダイエット
さあ、ここまでで基本は分かった。では、被験者として大宅さんに3週間でどこまで結果が出せるか、実践してもらう。
「私は身長161cmで、ベスト体重は50kg前後でした。今は……56.3kgです。平日で1時間、休日で2時間くらい走りに行く時間はどうにか取れます」と大宅さん。
それに対し「では、ここまでで紹介した方法に則って、自分の体調と相談してトレーニングを続けてみてください。今回のチャレンジ期間は3週間という短期間ですが、あくまでも大事なのは長期的に続けることです。とはいえ、3週間ですと2kg〜3kgは減量できる可能性がありますね」と伊藤コーチ。
こつこつと乗る大宅さん
アミノ酸×自転車ダイエットスタート。仕事と育児もあり実際始めてみると時間を取るのが大変だったが、平日は1時間、休日は1.5時間ほど、無理なくライドを続ける大宅さん。週に2回「ダメージが残ってきたな」と感じたら休息日を入れた。「調子の良いときは少し強度を上げてみる区間も設けました。ライド前にアミノバイタルⓇプロ、ライド後にアミノバイタルⓇGOLDを毎回飲むようにしました」とのこと。
結果発表!
無事ダイエット期間が終了。果たして結果は……
伊藤コーチの読みどおり、見事2kgの減量を達成した! 写真から、胴と脚まわりがやや引き締まった印象を受ける。
大宅さんは、「始めの頃は、体重が増えて体力が落ちていたこともあってか、体が重くてライディングフォームを保持するのがきついなという感覚がありました。ダイエット終盤の頃になると、減ったのは2kgとそれほど大きな数字じゃないんですけど、数字以上にフォームを保持したり、ダンシングするときに体が軽くなった印象がありました。
アミノ酸をサプリメントで取っていたことについては、結果的にちゃんと3週間無理なく続けられたので、意義があったんじゃないかなと感じています。あと、数字以上にフォーム維持が楽になったというのも、このおかげなんじゃないかなと思います」と話す。
これに対し伊藤コーチは、「無理なく継続することが大事なので、きちんと自分のコンディションと相談して休息日を設けたり、強度を上げすぎないように管理できたのが非常に良かったと思います。ぜひこの先も継続していってもらって、来シーズン大会やイベントに出るならば、例えば週に1回は高強度のトレーニングを入れる日を設けるなど、トレーニングの段階を上げていくと良いでしょう」と評価。
体重増に悩む読者の皆さんは、ぜひこの記事を参考に自転車ダイエットにチャレンジしてみてほしい。