40歳以上のサイクリストに最適なレンズ搭載の自転車用サングラスをテスト

目次

Presented by Yamamoto Kogaku inc.

年齢を重ねたサイクリストほど明るいレンズを選択する傾向がある。それをつかんだ日本の有名アイウェアブランド、スワンズ(SWANS)は、そうしたサイクリストが最適な視界を確保できるレンズとそれを搭載した自転車用サングラスをリリース。開発に携わった宇都宮ブリッツェン選手に話を聞くとともに、元オリンピック選手の飯島誠さんにその実力を試してもらった。

40歳以上のサイクリストが最適な視界を確保できる自転車用サングラス

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ベテランサイクリストが最適な視界を確保できるスワンズの「ウルトラレンズ・フォー・サイクリング」

ウルトラレンズ・フォーサイクリング

ウルトラレンズ・フォー・サイクリング(ULTRA LENS for CYCLING)

スワンズから新たに登場したのは、光の量にかかわらず路面の状況を確実に把握し安全に走れるようにすることに主眼を置いたレンズ、「ウルトラレンズ・フォー・サイクリング(ULTRA LENS for CYCLING)」だ。ピンクがかった特殊な色をしており、特に暗い場面での視界の確保が重視されている。

「ウルトラレンズ・フォー・サイクリング」の着用イメージ

「ウルトラレンズ・フォー・サイクリング」の着用イメージ ©SWANS

開発のきっかけとなったのは、長年選手へのサポートを行っている中で“ベテラン選手ほど明るいレンズを好む”という傾向をつかんだことだ。年齢とともに視力は変化し、特に歳を重ねたサイクリストは暗い場所で路面状況を把握するのが苦手となってくるのではないか、と考え、明るい場所での眩しさを抑えることはもちろんのこと、日本の道路環境に特有のうっそうとした暗い峠道などで路面状況をしっかりと判断できるよう透過率が高めになっているのが特徴だ。

宇都宮ブリッツェンの選手が開発に協力

ウルトラレンズ・フォー・サイクリングは、日本のプロロードレーシングチーム、宇都宮ブリッツェンの選手と共同で開発された。特にテストとフィードバックに携わった増田成幸選手、阿部嵩之選手の2人に話を聞いた。

増田成幸選手と阿部嵩之選手

宇都宮ブリッツェンのエースで大ベテランの増田成幸選手(左)と選手経験豊富な阿部嵩之選手(右)

「目から入ってくる情報は、自転車スポーツ、特にロードバイクでは重要です。下り坂やレースになるとかなりの速度が出て危険度も増すため、さらにその重要性は高まります」と増田選手。

「視界は一番大事だと考えています。レースだけでなく日頃のトレーニングでも、身を守る意味で目から入ってくる情報はかなり大切にしています」と阿部選手。

そのうえで増田選手は「私は現在38歳で、現役のプロロード選手としては高齢と言えるのですが、光の量に対する感知能力は落ちているなと感じています」と言う。対して現在35歳の阿部選手も「私も同じで、雨の日のレースや周回レースで暗い森の中に入ったときなど、見えにくくなったなと感じています。下り坂を下っているときも動体視力が落ちているのか、若いときに比べれば怖いなと思うことも増えましたし。目の衰えは感じています」と語る。

そんな2人だが、開発に協力するに当たってどんなことにこだわったのか。

「自転車ロードレースは何時間も走り続けるスポーツで、かつ決まった競技場で行うものではありません。コースはレースごとに違っているし、途中で天候が変わったりトンネルに入ったり暗い森の中に入ったりと、状況がめまぐるしく変化します。ですので、それら全てを一枚のレンズでカバーできるように、ということをフィードバックして作ってもらいました」と増田選手。

「年齢とともに明るい所でまぶしさを感じるよりも、暗い所での見えにくさを感じるようになってきました。ですので、濃いレンズだと結局暗いところに入ったときに見えづらくなります。とはいえ、明るい所で特に白く光って見える部分がきつくなりすぎないようにもしたい。その観点をクリアしてもらえるように、何種類もの色の濃さのレンズでテストを重ねました」と阿部選手。

そしてついに完成したこの新レンズの出来栄えはどう感じるか。

「日中なら暗い場所で光の量が足りないと感じることはまずないので、この一枚でどんなシチュエーションでも走れると思います。それでいて、明るい場所でもまぶしくありません。レースでもトレーニングでも使える、すごく満足のいくレンズに仕上がっていると思います」と増田選手。対して、「暗い場所に入ったときにストレスがなく、非常に使いやすいレンズだなと感じています」と阿部選手。

「ウルトラレンズ・フォー・サイクリング」搭載の新モデル「ストリックス・ディーエー(STRIX D.A.)」

スワンズ ストリックス・ディーエー

スワンズ ストリックス・ディーエー(ULTRA LENS for CYCLING搭載品番:STX DA-4417) 価格:2万900円 カラー:2種類 重量:29g

人気モデルの「ストリックス」の進化版。ノーズ調整機能やレンズ交換機能、フィット感の良さはそのままに、風の巻き込みをより防ぐ新しいレンズ形状・滑り止め一体成型のテンプルを新たに採用。自転車スポーツはもちろん、ランニング、ゴルフなどあらゆるシーンで活躍する。

STRIX D.Aのノーズパッド

調整可能でずれ落ちにくいノーズパッド

STIX D.Aのテンプル

ヘルメットのアジャスターと干渉しにくい形状のテンプル。内側には滑り止めのラバー付きで、発汗時でもずれにくい

「ウルトラレンズ・フォー・サイクリング」をレジェンド飯島 誠さんがインプレッション

識者として、元プロロードレーサー/トラックレーサーの“レジェンド”飯島 誠さんに「ウルトラレンズ・フォー・サイクリング」とそれが搭載された「ストリックス・ディーエー」を試してもらい、インプレッションしてもらった。

元プロロードレーサー・トラックレーサー/飯島 誠さん

元プロロードレーサー・トラックレーサー/飯島 誠さん。1971年生まれの51歳。現役時代はロードとトラックの両方で活躍し、トラックレースではオリンピック3大会に出場している。現在はブリヂストンサイクルに勤務している

現役を退いた今でも一人のサイクリストとして走り続けている飯島さん。51歳になった今でも何とFTPは300Wをキープしているというから驚きだ。50代というと、特にロードバイク乗りでは最も多い層だが、やはり年齢による視力の変化は感じているのだろうか。

「やはり、視力は落ちてきましたね。残念ながら(笑)。特に感じるのは、目から入ってきた情報を体に伝達するスピードが圧倒的に遅くなっていることですね」と飯島さん。

「暗くなってくると、とたんに見えづらくなります。特に夕暮れ時はそうですね。また、木々が道路に覆いかぶさっているような峠の下りでは、急に暗くなったり明るくなったりして光の量が変化しますが、そうした場面でその変化に目が追いつかなくなってきています。

このサングラスを試してみての第一印象は、“かけているのにかけてないような感覚”です。すごく自然な見え方になるということですね」。

「暗い所で確実に視界を確保して路面状況をとらえる、というのがこのレンズの特徴ということですが、実際にそうした場面に差しかかると、裸眼よりもクリアに見えると感じました。不思議ですね。暗い状況でも明るく見えるので路面状況をしっかり捉えることができ、安全に走れました」。

逆に明るいときの使い心地は?

「レンズはぱっと見てもかなり明る目だなと分かるのですが、実際晴れの日に使ってみると、意外に眩しさは気になりませんでした。明るいときでもいけてしまう、という印象です」。

新モデル「ストリックス・ディーエー」自体のかけ心地はどうか?

「ノーズの部分が秀逸ですね。高さ調整もできるし、幅の調整もできます。私は顔が平たくて鼻が高くないので、これは非常に重宝しており、フィット感は高いです。

全体の締めつけ感もきつすぎず緩すぎずでちょうど良く、ずれ落ちも少ないので、ストレスが少ない。全体のフィット感も良いと思います」。

最後に総合評価として、このレンズは同世代のサイクリストにおすすめできるか?

「一般のサイクリストの皆さんはあまり目にこだわらないというか、コストをかけるべき部分として後回しにする傾向があると思います。自転車に乗るうえでさまざまな情報が脳に入ってきますが、目から入ってくる情報は最も多く、重要なんです。

当たり前のことではあるんですが、もう少し目にこだわった方がいい。特に私のような世代はどうしても視力が衰えてきますから、そこへコストをかけてあげることで、よりストレスなく走れるはずです。その点で、このレンズはおすすめできると思います。価格的にもこなれていて、コストパフォーマンスも高いと言えますね」。

その他の「ウルトラレンズ・フォー・サイクリング」搭載モデル

フェイスワン(FACEONE)

スワンズ・フェイスワン

スワンズ  フェイスワン(ULTRA LENS for CYCLING搭載品番:FO-4417) 価格:2万4200円 重量:30g

テンプル部のこめかみに当たる部分に「グラビングテンプル」と名付けられたサイドパッドを搭載したサングラス。顔への接地面積が大きく激しい動きでもブレが生じにくい。

イーノックスエイト(E-NOX EIGHT8)

スワンズ・イーノックスエイト

スワンズ  イーノックスエイト(ULTRA LENS for CYCLING搭載品番:EN8-4417) 価格:1万8700円 重量:19g

広い視界を確保するリムレスレンズを採用したサングラス。テンプル部分が上下に別れフレキシブルに動く「ツイストテンプル」を採用し、さまざまな頭部形状にフィットする。

エアレス・コア(Airless-Core)

スワンズ・エアレスコア

スワンズ  エアレス・コア(ULTRA LENS for CYCLING搭載品番:SACR-4417) 価格:1万8700円 重量:20g

かけ心地の軽さに重点を置きつつ高いフィット感を両立させ、激しい動きにも対応した2眼タイプのサングラス。ノーズパッドは調整可能でテンプル内側にずれを防ぐラバーを搭載。

Brand Info〜スワンズ(SWANS)について

産業安全用保護具・スポーツ用アイウェア・眼鏡・光学機器等を製造販売する山本光学が展開するアイウェアブランド。さまざまなジャンルのアイウェアをカバーし、スポーツ自転車用サングラスも長年作り続けてきた実績がある。その高い品質もさることながら、日本ブランドらしく“ジャパンフィット”で日本人の顔にフィットする形状をしているのが魅力だ。