カンパニョーロ・ボーラWTOウルトラ45〜ホイールインプレッション2021 Pick Up!〜

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2018年に登場したボーラの新シリーズ。リムブレーキ時代にはワンとウルトラという2グレード体制だったが、ディスクブレーキ用は今までウルトラが設定されていなかった。2021年、WTOについにウルトラグレードが登場する。ベアリングと受けがCULTになり、フロントハブがカーボン化。それだけでなく、WTOのウルトラはリムも違う。形状は同じだが、繊維と樹脂を変更して軽量化。ニップルを内蔵して空力性能をさらに高めた。33mm、45mm、60mmというラインナップは従来どおりだが、ウルトラはディスクブレーキ仕様のみとなる。今回試乗するのはボーラWTOウルトラ45。

ボーラWTOウルトラ45

カンパニョーロ・ボーラWTOウルトラ45

ボーラWTOウルトラシリーズのフロントハブ

リヤハブはアルミのままだが、フロントハブがカーボン化された(ローター側フランジのみアルミ)。ベアリングはCULTに。スポークパターンはもちろんG3

ボーラWTOウルトラ45のリム

従来のWTOはニップルが露出していたが、ウルトラはリムに埋め込まれる。振れ取りやスポーク交換は専用工具で行う

 

インプレッション

ボーラWTOウルトラ45のスコア

カンパニョーロ・ボーラWTOウルトラ45のスコア。評価基準はこちら

 

吉本 司

少ない力でスルッと軽く転がる雰囲気は“33”に似ているが、ホイール剛性が増した分だけ、より高負荷・高速域での反応性が高まっている。上りも時速20km以上をキープできるような場面なら33よりも上手。脚当たりは強め、ボーラ的なタメは希薄で、バンバンとしっかり踏み込めるペダリングができると力強く、鋭くバイクが前に出る。今っぽい高性能レーシングホイールの走り。ロードレースをするなら断然WTO45だろう。

安井行生

昨年乗ったノーマルは〈33=乗りやすくて最高、45=速いが硬すぎる〉だったのだが、ウルトラではその評価が逆転。このウルトラ45、確かに硬く、かつてのボーラとは別物だが、トルクムラを一旦均してから僅かに増幅して吐き出すような「ボーラらしさの残り香」があり、ノーマル45よりバランスがいい。リムの素材変更が要因か。レーシングホイールとして非常にレベルが高い。

小笠原崇裕

前輪に当たった空気がスムーズに後方に流れていく感じがあり、ハンドルが細かく振られない直進安定性の高さを受ける。剛性が高く、リニアに反応し、軽く回るというレーシングホイールに求められる要素がそつなくそろっており、特に中速域以降は不足する部分が見当たらず、高速巡航からスプリントまで高速域で生きる性能を有している。ただ、振動吸収と減衰で硬さを感じることが多く、タイヤへの依存度が高い。

 

スペック

チューブレス
価格/ペア:48万1800円(カンパニョーロ)、46万7500円(シマノ、スラム)
スポーク本数/F:24本、R:24本
リム高/45mm
リム内幅/19mm
対応スプロケット/シマノ 11S、カンパニョーロ、スラムXDR
カタログ重量/ペア:1425g