ヴィジョン・メトロン60SL ディスク〜ホイールインプレッション2021 Pick Up!〜

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EFエデュケーション・NIPPOとバーレーン・ヴィクトリアスが2021年のツール・ド・フランスに投入したことで話題を呼んだ新型ホイール。リム高は45mmと60mmの2種類となり、チューブラーとクリンチャー/チューブレスレディの計4種類。リム幅は、メトロン45SLディスクは31.1mm、メトロン60SLディスクは33mmまで拡張され、空力性能がさらに高められているという。クリンチャー/チューブレスレディのリム内幅は21mmで、28Cタイヤに最適化。今回試乗するのは60SLのクリンチャー/チューブレスレディ。

メトロン60SLディスク

ヴィジョン・メトロン60SL ディスク

メトロン60SLディスクのリム

空力を追求した結果、リム幅は60SLで33mmにまで拡張された

メトロンシリーズのフロントハブ

スポークはフロント21本、リヤ24本で、前後とも2:1

メトロンシリーズのリヤハブ

リヤハブも一新され、フリーはPRS(パワーラチェットシステム)という新機構に。駆動力が掛かった瞬間にラチェットがかみ合う

 

インプレッション

メトロン60SLディスクのスコア

ヴィジョン・メトロン60SL ディスクのスコア。評価基準はこちら

 

吉本 司

バルーン状になった超太幅の前輪が印象的。走りもキャラが色濃く、前輪の転がりの強さに引っ張られるようにして平坦路はグングン進む。サイドウォールが肉薄なリムは、分かりやすいパリッとしたシャープな加速感が演出されスピード変化にも対応しやすい。60mmのリム高ながら上りも軽快で、“45SL”よりも進む印象すらある。脚当たりが高いホイール剛性の割につらさは少ない。

安井行生

シマノのC60やカンパのWTO60同様、ディープリムとは思えない軽やかさ。リムの重さによる一瞬のため→慣性によるその後の押し出し感を「踏みやすい軽快感」と錯覚しているのだろうか? 空力はかなり良く、速度域が高くなればなるほどこのホイールの実力が発揮される。プロチームが使っているホイールがいいホイールとは限らないが、これなら確かに高速レースには最適だ。

小笠原崇裕

パリッと張り詰めた硬さを感じる踏み味があり、中速域から高速域までよどみなく一気にスピードを上げられる。加速のレスポンスが良く、細かなペースアップを意のままに行えた。上りでは若干出るウィップにリズムを合わせるとリム高以上の軽い転がりを感じられ、大きなアップダウン程度なら十分に対応できる。前輪は風の影響を少々受けてグリップ感が希薄になる場面もあった。

 

スペック

チューブレスレディ
価格/ペア:30万960円
スポーク本数/F:21本、R:24本
リム高/60mm
リム内幅/21mm
対応スプロケット/シマノ、スラム
カタログ重量/ペア:1460g