ロッキーマウンテン・エレメント 上って下れるマルチなMTBにフルモデルチェンジ

カナダのバイクブランド、ロッキーマウンテンのMTB「Element(エレメント)」がフルモデルチェンジした。上って下れるマルチなバイクで、昨今のはやりの言葉で表せば、ダウンカントリー性能を備えたモデルだ。

エレメント

フカヤレーシングの竹内遼選手が使うロッキーマウンテン・エレメントカーボンの実車

2022モデルのエレメントは、ロングトレイルの下りを攻めながら、長い距離も上りもこなす乗り方に対応している。クロスカントリー(XC)レースもしっかり走れるポテンシャルを持ち、アンチスクワット性が高められ、フレームは細く軽量に仕上げられている。また、バイクのダウンチューブにはボトルを2本取り付けることができ、利便性も高められた。

エレメントのチューブ

特にトップチューブが細いエレメント。軽さが上りの速さにつながる

エレメントのダウンチューブ

画像ではボトルとツールケースだが、エレメントにはボトルを2本取り付けることができる

マルチさを際立たせるエレメントの特徴の一つとして、RIDE-4(ライドフォー)というジオメトリーを微調整できる機構もある。ヘッドアングルをより寝かせたり立たせたりして、レーシーなセッティングにも、下りに寄ったセッティングにもでき、ライダーのニーズ、好みに合わせることが可能だ。

ライド4

エレメントのライド4アジャストメントシステム

ライド4

中央のパーツを回転させることで4つのポジションに設定できる。作業は六角レンチのみで行える

チェーンステーには、カーボンフレームの共振による音鳴り対策としてプロテクションが装備されている。整備性も高まり、ガイドが設けられたことで、ケーブルやホースの取り回しが容易になった。

エレメントのチェーンステー

チェーンステーには音鳴り防止のプロテクションを備える

エレメントのケーブルガイド

エレメントのケーブルガイド

フレーム内部を通ったケーブルはシートチューブとチェーンステーとの間に出る

ロッキーマウンテンの新型エレメントは、MTBXCのチーム、フカヤレーシングが実際にレースで使用している。

バイクの特徴について、松本佑太選手は、リヤのディスクブレーキローターに180mmを採用していることを挙げた。「XCバイクとしてはなかなかないチョイスだと思います。重量の部分ではデメリットになってしまいますが、ハードなシチュエーションになっている世界の中では、リヤの制動力が我々の中ではアドバンテージになっていると思います」。

また、竹内遼選手は、エレメントに乗った感想を次のように話した。「下りにおいてすごくアドバンテージを感じるというのと、ライド4システムが、実際に僕ひとりでメカニックの帯同もなしで海外に行く遠征があったんですけど、向こうのコースはかなり激しいコースなので、自分で簡単にコースに合わせてバイクセッティングを変えられるというのはアドバンテージになるというかこういう使い方があるんだなというふうに感じました。上りも見た目以上にしっかり走ってくれるバイクなので、上りにおいても武器になると思います」。

フカヤレーシングの松本佑太選手と竹内遼選手

フカヤレーシングの松本佑太選手(右)と竹内遼選手

エレメントのディスクブレーキローター

エレメントのディスクブレーキローターは180mmだ

Element
最大タイヤクリアランス:29×2.6インチ
最大チェーンリングサイズ:36t
最小チェーンリングサイズ:30t
サイズ:S〜L

価格:
エレメントカーボン30(完成車) 51万5900円
エレメントカーボンフレームセット 43万7800円
エレメントアロイ30(完成車) 39万6000円