幅広甲高の日本人にもフィットしやすいイタリアンブランド ノースウェーブ シューズの魅力

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  • photo 佐藤竜太

presented by WINCKLER & CO., LTD

イタリアにある「靴職人の街」で1980年代初頭に誕生したノースウェーブ。以来、人間のパフォーマンスを最大限に発揮させるためのシューズ作りを40年以上続けている。数々の名選手の足元を支えてきたこのメーカーの特徴を、現行モデルを紹介しながら紐解く。

ノースウェーブ

 

「イノベーションのあくなき追求」から生まれたノースウェーブブランド

「イタリア モンテベルーナ」で検索をかけてみると、靴に関するページばかりがヒットする。ヴェネト州にあるこの街は、古くから登山客やスキーヤーでにぎわっていた。いつしか耐久性、信頼性、高機能が要求される登山靴・スキーブーツの生産が盛んになり、「靴職人の街」として世界的に知られるようになる。今では、靴製造業のトップブランドがモンテベルーナに集まっている。

自転車用シューズやスノーボードブーツなどを製造するノースウェーブも、このモンテベルーナに拠を構える。設立は1980年代初頭。「イノベーションのあくなき追求」を社訓とするこのメーカーが自転車用シューズの販売を発表したのは1993年のこと。そのわずか3年後のアトランタオリンピックで、イタリアの女子選手パオラ・ペッツォがノースウェーブのシューズを履いてマウンテンバイクXCの初代王者に。翌97年にはイヴァン・ゴッティがノースウェーブでジロ・デ・イタリアを制し、ロードバイク界でもノースウェーブの存在感が高まる。

その後も、マリオ・チッポリーニ、トム・ボーネン、ファビアン・カンチェラーラなどの名選手が愛用。近年ではランプレやアスタナへのサポートを行っていた。

ノースウェーブ職人
ノースウェーブ職人

 

魅力1 ノースウェーブオリジナルダイヤル

ノースウェーブのSLW3ダイヤル

ノースウェーブのオリジナルであるSLW3ダイヤル

ノースウェーブの大きな特徴が、一つのレバーでフルリリースと1ノッチずつの調整を可能にしたオリジナルのSLW3ダイヤル(Speed Lace Winch)。ベルクロやラチェットタイプが主流だった2013年に特許を取得し、その使い勝手のよさから今では多くのモデルに採用している。1ノッチは0.7mmという細かさで、ミリ単位の微調整ができ、理想的なフィット感を得やすい。もちろん走りながらの調整も容易だ。また、SLW3ダイヤルのワイヤに使われている有機繊維「ダイニーマ」は、高い強度と耐久性を有するうえ、スチールワイヤより足当たりがソフトなので、締めこんでも快適性が低下しにくく、アッパーにも負担がかかりにくい。Boaダイヤルが主流となっている現在でも、「使いやすさを追求する」という精神から、この自社製のオリジナルダイヤルにこだわりを持つ。

ノースウェーブシューズのダイニーマ素材

締め込みを行うワイヤ繊維は、ダイニーマ素材を使用

ノースウェーブのダイヤル回転

ダイヤルを回転させるとワイヤが締め込まれる

ノースウェーブのリリースレバープッシュ

ダイヤル上部についているリリースレバーをプッシュすると0.7mmずつ緩められる

ノースウェーブのリリースレバー引き上げ

脱着の際は、リリースレバーを引き上げるとフルリリースできる

 

 

魅力2 豊富な足型

ノースウェーブのラスト

日本でも高い人気を誇るノースウェーブ。その理由はラスト(足型)にある。一般的に日本人の足は幅広・甲高が多いと言われているが、ノースウェーブはイタリアブランドながら、足先をゆったりとした設計にして足のしびれを防ぐコンセプトで作られている。結果として、足幅が広く甲が高い日本人にも合いやすいシューズになっているのだ。また、さらに幅広のワイドフィットを展開しているモデルもある。

ソールのアーチの作りにもこだわりが見られる。アーチの位置や湾曲具合は人それぞれ。市場にあるシューズはアーチサポートが不足していたり、極端すぎて不快感や怪我を引き起したりと、問題があるものも多い。ノースウェーブの「アナトミカルアーチサポート」は、カーボンソールのアーチほど高剛性ではないため、ライダー各々のアーチに順応し、どんなライダーにもフィットしやすい。

 

ピックアップアイテム1 コア プラス2

ノースウェーブ・コアプラス2

価格/1万7380円

spec.
サイズ/36~45(39~44はハーフサイズあり)
カラー/ブラック×イエローフルオ、ホワイト×ブラック、ブラック×シルバー、ブラック×レッド

ダイヤル搭載の高機能&低価格シューズ

ノースウェーブのオリジナルダイヤルを搭載したミドルグレード。ソールはカーボンで補強されたナイロン製で、剛性が適度に抑えられており(剛性指数は8)、ロングライドでも疲れにくい。アッパーはシームレス構造で甲へのストレスが少なく、ソールとアッパーに設けられたベンチレーションで夏でも快適だ。カラーは4色。サイズ展開は36~47(33~44はハーフサイズあり)と幅広い。

コアプラス2のソール

適度な剛性にチューニングされたナイロンソール。通気口が5か所設けられているため、夏でもシューズ内を快適に保つ。別売りのクリートプレートでSPDペダルにも対応する

コアプラス2の幅比較

コア プラス2 ワイド
価格/1万7380円

spec.
サイズ/39~44
カラー/ブラック×シルバー

コアプラスには幅が5mm広いワイドモデルも用意されている(ブラック×シルバーのみ)。「足が幅広でフィットするシューズがない」という人は試してみる価値あり。

 

ピックアップアイテム2 ミストラル プラス

ノースウェーブ・ミストラルプラス

価格/2万9590円

spec.
サイズ/36~44(39~43はハーフサイズあり)
カラー/メタルブルー、ホワイト、メタルアンスラ

通気性を追求したニューモデル

メッシュアッパーを採用した新作。高い通気性を確保して酷暑下のライドでも足を快適に保つための構造だが、メッシュアッパーのしなやかさによってストレスのない履き心地を実現し、痛みが出にくいというメリットもある。熱がこもりやすい室内トレーニングにも最適だ。ノースウェーブオリジナルのダイヤルを採用したミストラル・プラスと、シューレース仕様のミストラルという2モデル展開。

ミストラルのソール

ミストラルのソールは、ペダルエリアがフルカーボンで、そこ以外はカーボン強化ナイロンソールとなる。剛性指数は12で、レースでも使えるソール剛性を持たせている

 

ピックアップアイテム3 オリジン プラス2

ノースウェーブ・オリジンプラス2

価格/1万8150円

spec.
サイズ/36~44
カラー/ブラック×イエローフルオ、ブラック×アンスラ、アンスラ×ハニー

快適なグラベルライドを約束する一足

MTB/グラベル用のエントリーグレード。しかしフィット感のいいシームレス構造のアッパーや、オリジナルのダイヤルによるクロージャーシステムなどは上位モデル譲り。通気性にも配慮されており、剛性指数8の疲れにくいナイロンソールと相まって、グラベルツーリングにも最適だ。横幅が5mm広いワイドタイプも用意される。

オリジンプラス2のソール

カーボン繊維で強化したナイロンソールは、適度なしなりがあり(剛性指数8)ペダリングしやすい。しっかりとしたトレッドが付いており、悪路の歩行も考慮されている