日常生活に欠かせないスマートフォン。これを安全に自転車へマウントするためのアクセサリーブランドとして誕生したのがエスピーコネクトだ。品質やデザイン性の高さから2年ほど前から日本でも認知度が急上昇。2021年は新たにワフーやガーミンなどのサイコン用のアダプターが追加されたり、ハンドルバーマウントの素材が樹脂から高強度のアルミに変更されるなど、サイクリストの要望を反映した新製品が続々と登場した。それでは詳しく紹介していこう。

エスピーコネクトの特徴

エスピーコネクトの特徴は、高品質かつ画期的なマウントシステムにある。脱着方法は非常にシンプルで、まず取り付けはマウント側にある2本のレールをケース側の凹みに合わせ、軽く押さえつけながら時計方向に90度回転させるだけ。コクッという精度の高さを感じさせる手応えとともにガッチリとロックされる。取り外す際は反時計方向に90度回転させればOKだ。このシステムはマウント側、ケース側とも非常に薄く設計されているのがポイント。

軽量マニア垂涎のステムマウント～エアロマウントプロ

ステム上面にスマホを固定するための新型マウントで、前後どちらの向きにも取り付け可能だ。素材はカーボン樹脂で、重量はわずか5gと非常に軽い。3M製の強力な両面テープでステムに貼り付け、付属のラバーリング（55/65/75mmの3種類）を万が一の補助として使用する。セットにはワフーおよびガーミン用のマウントアダプターも含まれる。ズイフトなどインドアトレーニングではスマホ、実走ではサイコンを、と使い分ける人には最善の選択だろう。また、その両方を使いたい場合は、サイコンの方を純正のアウトフロントマウントなどで固定すれば同時設置が可能となる。なお、何も取り付けないときには付属のエアロカバーを装着すると見た目がスマートになる。

エスピーコネクト・エアロマウントプロ

付属のエアロカバーを装着した状態

インドアでは例えば、スマートフォンにズイフトコンパニオンを表示させて使える

サイクルコンピュータも取りつけられるようになった

サイコンをアウトフロントマウントで、スマホをエアロマウントプロで取り付け。スマホはステムのセンター付近に固定できるので、さらにトップチューブバッグを付けても干渉しづらい

前後どちらの向きにも取り付け可能。ステムの長さなどに合わせて変更しよう

AERO MOUNT PRO
価格：3949円

付属のサイコンマウントは別売りも

スマホの取り付けに特化したエスピーコネクトから、ついにサイコン用のマウントアダプターが登場した。2本のレールを持つ同ブランドのマウントであればどれでも取り付け可能で、キットにはガーミン用とワフー用の2つが含まれる。ガッツリとトレーニングする際にはサイコンを、ポタリング時にはスマホを取り付けてナビアプリを利用する、などといった使い分けが可能となり、ハンドルまわりをシンプルに保ちたい人にはピッタリだ。

エスピーコネクト・バイクコンピュータアダプターキット。左がワフー用で右がガーミン用

BIKE COMPUTER ADAPTER KIT
価格：1419円

大切なスマホをガッチリとロック！～ユニバーサルフォンクランプ

iPhoneとギャラクシーに関しては細かく機種別専用ケースを用意するエスピーコネクトだが、それ以外のスマホについてはロール式防水ポーチタイプのユニバーサルフォンケース、もしくはスマホの裏面に直接貼り付けるユニバーサルインターフェースで対応してきた。この新製品は、幅が58mmから85mmまでのスマホ全てに対応するのがポイントで、iPhoneやギャラクシーのユーザーであっても、お気に入りのケースをそのまま使いたい場合にはこれが有効だ。クランプ幅はネジで調整するシステムで、ダイヤルを押し込むとその幅でロックされる。クランプ部分の内側にはラバーが貼られており、スマホに傷を付けないだけでなく、上下方向へズレるのを防ぐ効果もある。

エスピーコネクト・ユニバーサルフォンクランプ

手持ちのスマートフォンの大きさに合わせて幅をネジで調整できる

クランプ部分の内側にあるラバーが、スマホを傷つけずがっちり固定する

UNIVERSAL PHONE CLAMP
価格：3949円

素材＆デザイン変更で剛性アップ～ハンドルバーマウントプロ

在庫限りで廃盤となったハンドルバーマウントの後継として登場したのが、この「プロ」だ。樹脂製だった先代に対し、プロは航空機グレードのアルミをCNC工作機によって高精度に削り出している。やや短めになったデザインは、素材の変更と合わせて剛性を高めるため。昨今のスマホが重くなったのと、下部にGoProやライトなどを追加しても耐えられるようにとの配慮からだ。スマホはレール部分の向きを変えることで縦でも横でもマウント可能。同梱のアダプターを付け替えることでφ25.4mm、φ31.8mm、φ35mmのハンドルバーに対応する。使われているボルト類は雨や汗に強いステンレス製で、こういう部分にも手を抜かないのがエスピーコネクトだ。

エスピーコネクト・ハンドルバーマウントプロ

マウントシステムを下部に設置して、GoProやライトなどを追加できる

HANDLEBAR MOUNT PRO
価格：6589円

MTB用も

悪路を走るMTBに設計されたのがこちら。先に紹介したハンドルバーマウントプロよりも先端に厚みがあるのは、この部分に衝撃を吸収するショックアブソーバーが組み込まれているからだ。よって、グラベルバイクもこちらを選んだ方が安心だろう。下部にGoProやライト用のマウントを追加できるなど基本仕様は共通であり、価格も同一となっている。なお、メーカーでは転倒した際にスマホが地面にヒットしないよう、後ろ向きに取り付けることを推奨している。

エスピーコネクト・ハンドルバーマウントプロMTB。ショックアブソーバーが中央に組み込まれている

HANDLEBAR MOUNT PRO MTB
価格：6589円

使い方の幅が広がるオプション〜カメラ/ライトアダプターキットなど

マウント側の2本のレール（マイクロレール）にGoProやライトなどの各種アダプターを取り付けるためのキット。通常、サイコンやスマホ、カメラ、ライトなどをハンドルに取り付けるとなると、それぞれにステーが必要となり、見た目にもスマートではなくなる。だが、エスピーコネクトならマウントとこのキットをうまく組み合わせることで、大幅にステーを簡略化できるのだ。なお、さらにスマホの遊び方を広げる自撮り棒や三脚も発売予定とのこと。リリースが決まったら公式サイトで発表されるので、気になる方は随時チェックを。

エスピーコネクト・カメラ/ライトアダプターキット

GoProを装着した状態

ライトを装着した状態

CAMERA/LIGHT ADAPTER KIT
価格：2739円

発売予定の自撮り棒

エスピーコネクトとは

スノーボードのトップバインディングブランド“エスピーバインディング”として1988年にドイツで創業。アクションカメラのアクセサリー類でも成功し、樹脂成形技術が高く評価され、メルセデスベンツやアウディなどドイツ車を中心に自動車用の内装パーツも手掛けるようになる。現在ではオーストリアとアメリカにマーケティングやセールス、R＆Dの拠点を置き、全ての製品を中国やスロバキア、ドイツにある100％自社経営の工場にて生産。世界70か国以上にエスピーブランドのプロダクトを展開している。