フルクラム「スピード 40 DB」〜ディスクブレーキホイールインプレッション2020 Pick Up!〜

目次

フルクラムのトップモデル、スピード40のディスクブレーキ版。外幅26.5mmのリムはディスクブレーキ専用設計で、クリンチャーとチューブレスに対応する2ウェイフィット仕様。ディスクブレーキ用ロードホイールは各社スポークパターンが様々だが、その中でもフルクラム開発陣の方法はかなり興味深い。なんとリヤホイールはリムブレーキ版とスポークパターンが同じ。フロントは、リヤのスポークパターンを左右反転させて使っている。ディスクブレーキのストッピングパワーに対応させつつ、リムブレーキ版の定評ある走りを消さないための策だろうか。

フルクラム・スピード 40 DB

フロントハブはカーボン胴で、リヤハブはフルアルミ。前後共フルクラム独自の2to1スポークパターンを採用する。ベアリングはセラミック球を使うUSBで、プロユースモデルらしくチューブラー仕様も用意される(チューブラーはCULTベアリングになる)

リム高は40mmと55mmの2種類

適合タイヤ幅は23〜50mmと幅広い

インプレッション

スコア

吉本 司

リムブレーキモデルは速いけれど刺々しさもあったのだが、本作はその角を少し丸めてタッチがマイルドになり、レース派のみならず走りを楽しめる。加速の鋭さは相変わらず色濃く、そこにしなやかさが加えられたので踏み続けやすく、路面を捉える骨太なトルク感も残っているので高負荷・高速域にも輝きがある。しなやかさと軽やかさ、そして力強さのバランスが絶妙だ。超級山岳を除けば高次元な走りを披露する。

安井行生

カンパ・フルクラムの中ではかなり好み。登坂重視ならWTO33を、万能に使うならこれを選ぶ。ガチガチではない剛性感がトルクフルな走りにつながっている。なぜかこれがボーラらしいという不思議。G3ながら後輪のスポーク数を増やしたボーラ勢は全体的に硬くなった。2to1ながら後輪のスポーク数を変えなかったフルクラムは相対的にしなやかに感じられるようになった……ということか?

小笠原崇裕

反応、突き上げ、ハンドリングなど全体的に随分とマイルドに生まれ変わった。ダイレクト感を希望するライダーは物足りなさを受けるかもしれないが、単発的な速さよりも結果的に速い性能を手に入れたように感じる。特に、細かな踏み返しが連続するような速度が不安定な集団内でも足に硬さが響いてこず、荒れた路面では跳ねにくくなっているので長距離レースの後半まで足を温存して全力のスプリントが行える。

スペック

前後セット価格:27万4000円(税抜)、27万5000円(XDR仕様・税抜)
実測重量/F=713g、R=817g
スポーク本数/F=21本、R=21本
リム高/F=40mm、R=40mm
リム内幅/F=19mm、R=19mm
対応カセットスプロケット/シマノ、カンパニョーロ、XDR

 

 

フルクラムホイール試乗会のお知らせ

11/20〜12/7まで愛知県のサイクルショップ、カミハギサイクル小牧本店にて開催。
試乗機種はSPEED40C/SPEED 40DB 2WAY/Racing ZERO CARBON WO/Racing ZERO CARBON DBの4種
 

問い合わせ先

カワシマサイクルサプライ
https://www.riogrande.co.jp/