キャニオンの新型「エアロード」シリーズ発売。次世代レベルのロードバイク
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キャニオンから2020年10月7日、長きにわたって活躍してきた伝説的な先代モデルを引き継ぐ次世代のエアロードが登場した。
これは、キャニオンのエンジニア、デザイナー、プロダクトマネージャーの4年以上もの開発期間と努力の結晶。それは、キャニオン最速バイクを次のレベルに押し上げ、さらに速くするという明確な使命感から生まれた。これまで多くのプロライダーと熱心なアマチュアライダーから愛されてきたエアロードならではの特性を維持しながら、そこからさらに決定的な一歩を踏み出す。
フルモデルチェンジする新型キャニオン・エアロードの場合には、ワールドクラスのエンジニアリングの芸術と言える。
2014年7月の発売以来、前世代のエアロードは、アグレッシブなジオメトリーを中心に、エアロダイナミクス、快適性、剛性、軽さなど、これまでにない組み合わせを実現した。つまり、これまでに製造されたロードバイクの中で最も完成度の高いものの一つであった。
しかし、新型エアロードのパフォーマンスは、あらゆる面でそれを凌駕している。-7.4wの空気抵抗削減。170gの軽量化。14%のねじれ剛性向上。さらに、このバイクが定評を得てきた快適性に関しては、振動吸収性能をさらに向上させている。これらの優れた結果は、SwissSide社のエアロダイナミクスの専門家をはじめとする外部パートナーとの緊密な協力関係のもと3年以上の集中的な開発期間を経て達成された。
しかし、キャニオンの目標は、風洞実験施設のテストで最速のバイクを作ることではなく、あらゆる面で総合的に優れたバイクを作ること。マテュー・ファンデルプール(アルペシン-フェニックス)、アレハンドロ・バルベルデ(モビスターチーム)、ワレン・バルギル(アルケア-サムシック)、リサ・クライン(キャニオン//スラム)らすでにレースで新型エアロードを使用しているトッププロライダーたちからの圧倒的な好意的なフィードバックが、キャニオンが成し遂げた成功を物語っている。
新型エアロードの特長
■前モデルから空気抵抗を-7.4w削減
F1のレーシングコンストラクター、ザウバー・モータースポーツ出身のエンジニアによって設立されたSWISS SIDE社との共同開発により、F1カーの空力改善に使用されるスーパーコンピュータによるCFD解析を実施。
その後南ドイツのボーデン湖畔にある、世界で最も先進的と言われるサイクルスポーツのためのGST風洞にて実験を実施。その際、より多くのサンプルを効率的にテストするため、スチールの骨組みに3Dプリントされた部品を取り付けてテストを行う、F1で採用される手法をサイクリング業界で初めて取り入れた。
また、実際のサイクリング環境をシミュレートするダミーレッグは、実験結果の精度を高めるために超軽量のワンオフ「フェルディ君」を用いている。
■170gの軽量化とねじれ剛性の14%向上を達成
軽量化とねじれ剛性向上は相反する要素だが、トレードオフの関係にある繊維強度と弾性率の両方を極限追求したカーボン素材、東レ・トレカM40Xを採用。さらにフレームチューブ形状の最適化、シートポスト、コクピット、スモールパーツの一つ一つに至るまで新設計を行うことによって170gの軽量化、反応性を向上させるねじれ剛性の14%向上を達成した。
■ハンドル幅を40mm可変、コラムカット不要でハンドル高を15mm調整可能なコクピット(CFR、CF SLXにのみ採用)
独創的なステム一体型ハンドルバーCP0018エアロコクピット。メーカー直販を採用するキャニオンは、配送時のバイクガード梱包箱への梱包とユーザーの組み立てを安全かつ容易なものとするために、ハンドルバー左右のウィングセクションに取り外し可能な構造を採用。
さらに40mmの調整幅(XS/Sサイズでは芯-芯 370/390/410mm)を持たせ、幅広にして安定性を高めたり、狭めることで前方投影面積を減らしエアロ効果を高めることができる。この構造は、遠方でのライドやレースの際の輪行にも利便性を向上させるものだ。
さらに、フォークコラムをカットせずにハンドル高を15mm調整可能な構造を採用。これにより、ライダーはシーズン中トレーニングやレース、グループやソロなど、ライディングのシーンに応じて何度でもコクピットを上げたり、下げたりすることができる。
こうしたフィット感の容易な調整と万全の安全性を担保する構造に加えて、パーツ点数とコクピットの容積を減らすことによる空力性能向上、軽量化、ハンドルバークランプとフォークコラムクランプの排除による垂直方向振動吸収性能と、ねじれ剛性強化によるハンドリング性能の向上といった、すべての要素を満たした理想的な設計となっている。
■振動吸収性能と軽量化、空力性能向上を実現した2層構造のシートポスト
新型エアロードに搭載されているSP0046シートポストは、前モデルよりもはるかにディープなチューブ形状をしているため、外観上は重くなっているように見える。しかし実際にはその逆で、隠された独自の構造により軽さを実現している。
シートクランプで固定可能なシートポストの下半分は、露出して見えるディープ形状の半分の幅しかなく、これによって確実にシートポストを固定できる形状を実現するのみならず、材料を削減して軽量化している。この2層構造におけるフロントセクションは応力の増加にさらされるため補強されているが、リヤセクションは空力性能向上を担うことに特化した、超軽量な中空カーボンカウルとなっている。この構造は、前モデルと比較して6gの軽量化を実現しただけでなく、路面から伝わる高周波振動をより効果的に減衰でき、さらに快適性を向上させている。
■プロから一般ライダーまで理想的なフィット感を得られるよう、新ジオメトリーと650Bホイール(CF SLのみ)を採用
新型エアロードでは、ハンドルバーが低く遠いアグレッシブなポジションをキープできるライダーだけでなく、より多くのライダーに最高の空力性能のメリットを提供することを目標とした。なぜなら空力的に優れたセットアップは、時速45km/hで高速巡航できるプロだけでなく、巡航速度が14km/h以上ならすべてのライダーにメリットをもたらすことができるから。
そのため最新世代のエアロードは、従来世代と比較してMサイズでスタックが9mm高く、リーチが5mm短くなっている。これはコクピットで計測した場合、「アルティメット」のライディングポジションとほぼ同等のライディングポジションになる。それによりエアロードとアルティメットでバイクを乗り換えることも容易だ。
そして、可能な限り多様な体格のライダーに対応するために、幅広いサイズ展開をラインナップすること。このことはキャニオンならではの特長として、競合ブランドとは一線を画している。エアロードCFR および CF SLXでは、158cmから200cm超のライダーに対応するために、2XSから2XLまでの7つのフレームサイズを開発、プロユースにおけるニュートラルサポート対応のため、すべてのサイズで700C ホイールを装備する。
しかし新型エアロードCF SLでは、152cmまでのライダーに対応させるため、3XSモデルを追加した。さらに、3XSサイズと2XSサイズに650B Reynolds ARホイールを装備し、小柄なライダーのために、より優れた一貫したハンドリングダイナミクスを確保している。キャニオンはライダーの体格に本当に適合するジオメトリーを実現するためには、フレームサイズだけでなくホイールサイズも最適なものにすることが「グレイル」や「インフライト」と同様に、理想的なハンドリング性能を発揮することを知っている。650Bサイズのタイヤ、チューブについてはキャニオン公式ストアで販売を行なっており、交換品の入手も容易だ。
■こだわりの詰まった完成車パーツ仕様
完全新設計のエアロードシリーズは、完成車として最高の性能を発揮できるよう、選りすぐりのパーツを採用している。
シマノ、スラム仕様のCFR、CF SLX完成車にはパワーメーターを標準装備。DTスイスまたはレイノルズのフルカーボンチューブレスレディホイール(出荷時はチューブ入りのクリンチャー仕様)に、GP5000クリンチャータイヤ(フロントはエアロ性能に優れる25mm、リヤはトラクションと乗り心地に優れる28mm。使用可能な最大タイヤ幅は30mm)を装備。
さらに好みのパーツで理想の一台を組み上げたいライダーのために、CFRフレームセット(スラム・レッドeTap AXS シフトレバー、ブレーキキャリパー付属)も販売する。
発表当日より、日本国内3カ所にて新型エアロードを展示
2020年10月7日より、日本国内3カ所にて新型ロードバイクを展示する。
<10月10-11日は稲城クロス キャニオン試乗会の会場に展示>
エアロードシリーズラインナップ
エアロード CFRラインナップ
エアロード CFR Disc 9 Di2(Shimano Dura Ace Di2 /Dura-Aceパワーメーター装備)80万9000円
エアロード CFR Disc 9 eTap(Sram Red eTap AXS /Quarqパワーメーター装備)85万9000円
エアロード CFR Disc 9 EPS(Campagnolo Super Record EPS)96万9000円
エアロード CFR Discフレームセット(Sram Red eTap AXS シフトレバー/ブレーキ付属)45万9000円
(価格はいずれも税抜・送料別)
エアロード CF SLXラインナップ
エアロード CF SLラインナップ
(価格はいずれも税・送料別)