トレック・チェックポイントSL5 オン・オフ問わずに快走を約束。着実に進化したグラベルバイクの優等生

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ウエア協力:ウエイブワン、ダイアテック

トレック

トレック・チェックポイントSL 5

カーボンフレームながら高い拡張性が魅力

どんなスポーツバイクを選ぶときも、トレックを選択肢から外すことはできないだろう。グラベルバイクを選ぶときも、真っ先に候補となるのが同ブランドの「チェックポイント」なのは間違いない。その2021年版の最上位グレードが、OCLV500カーボンフレームとシマノ・GRXを採用したSL5だ。

フレーム自体は2020年モデルと同じなので、乗って際立つのはGRXがもたらす快適性だ。むしろGRXが組み合わされたことで、ようやくチェックポイントの真価が発揮されたとも言える。ドマーネなどのエンデュランスロードから受け継いだスムーズな乗り味はそのままに、よりワイドなギヤと太いタイヤを身につけたチェックポイントは、オンオフいずれも過不足なく楽しめる万能車と言えるだろう。

シッティングではシートチューブとシートステーの接合部に仕込まれた衝撃吸収機構「Isoスピード」が効果的なのは言うまでもないが、グラベルでありがちなサドルから腰を上げたシーンでも、不思議と接地感がマイルドでストレスが少ない乗り味だ。チェーンステー長を最大15㎜伸ばせる「ストラングルホールドドロップアウト」機構も面白い。試乗時は最も前にしていたが、後ろへスライドさせれば安定感が高まるため、完備されたアイレットなどを利用して荷物を積んだ際も心強い。

トレック

わずかにカーブしたスリムなフォーク。振動を和らげるIsoゾーンパッド付きのコンパクトフレアハンドルと相まって、上半身の快適性はトップクラス。

トレック

いかにも乗り心地がよさそうな扁平したトップチューブ。航空宇宙産業レベルと言われるOCLVカーボンの軽さと高い振動吸収性は定評があるところ。

トレック

シートチューブを積極的にしならせることでサスペンション効果を生むIsoスピードを装備。シートステー自体はオーソドックスな形状で、キャリアの装着にも対応する。

 

トレック

後輪及びブレーキ台座を前後15㎜の範囲でスライドできる「ストラングルホールド」。シングルスピードに対応させたり、求める軽快さと安定感に応じて調整できる。

インプレッション

オフロード:手足になじむバランスのよい走破性

トレック

だいぶ前から自分の自転車だったかのように自然に扱うことができる。トレックでは中級グレードとなる500シリーズのOCLVカーボンは、ここ一発で真価を発揮する軽さや硬さはないものの、適度な振動吸収性があって体を預けやすい。タイヤのノブは低いが、十分な幅と絶妙なしなやかさがあるため、林道で遭遇するであろうあらゆるシーンに対応できる。フレーム、メカ、タイヤが全部優秀。

オンロード:トレックならではのIsoスピードが快走に貢献

トレック

エンデュランスロードのドマーネに匹敵する快適さ。標準のタイヤでも十分にスムーズだが、より細いタイヤに換えればレーシングモデルとも遜色ない勢いでオンロードを快走できるだろう。Isoスピードによって路面からの突き上げは常にマイルドなので、タイヤの空気圧を高めることもできる。

SPEC

シマノ・GRX完成車価格:31万9000円(税抜)
フレーム:500シリーズOCLVカーボン
フレームサイズ49、52、54、56、58cm
フォークカーボン
カラーダークオリーブ
メインコンポーネントシマノ・GRXシリーズ
クランクセットシマノ・GRX RX600 46/30T
カセットシマノ・105 HG700-11 11-34T
ブレーキ シマノ・GRX
ホイールボントレガー・チューブレスレディ
タイヤボントレガー・GR1コンプ 700×40C
ハンドルボントレガー・エリートI soゾーンVR- CFアルミ
ステムボントレガー・エリート
サドルボントレガー・モントローズコンプ
シートポストボントレガー・アルミシートマストキャップ
試乗車実測重量9.5kg(ペダルなし)