メリダの新型「リアクト」実物をチェック

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2026年3月6日、世界的スポーツバイクブランドのメリダが第5世代に刷新されたエアロロード「REACTO(リアクト)」を発表した。それに続き、日本国内ではメディア・販売店向け試乗説明会が開催され、実物を確認・試乗できる機会を得た。さっそくそのレポートをお届けしよう。

リアクトは2011年に初代が登場して以来、メリダのエアロロードを象徴するモデルとして進化を続けてきた。2013年の第2世代、2018年の第3世代、2021年の第4世代を経て、今回の新型は第5世代にあたる。空力性能だけでなく、快適性やハンドリングのバランスを重視した設計思想は歴代モデルを通じて受け継がれてきた。

 

旧モデルからの主な進化ポイント

新型リアクト

旧リアクト

今回の第5世代リアクトでは、先代モデルから空力性能や軽量性をさらに高めるため、フレーム各部の設計が見直された。大きな変更点のひとつがフロント周りの形状だ。ヘッドチューブやフォーク、コックピットの設計を最適化することで、フレームとフォークの交差部での空気の流れを改善。バイク前方の空気抵抗を低減し、空力性能の向上につなげている。

またタイヤクリアランスは従来の30mmから最大32mmへと拡大。タイヤ周囲には約5mmの余裕が確保され、快適性や路面追従性の向上にも寄与する。従来通り30mmタイヤも装着可能で、クリアランス拡大によってタイヤ選択の幅も広がった。

さらにシートポストの固定方法も変更され、調整や整備のしやすさが向上している。

 

空力・軽量・快適性を高次元で両立

今回の開発では次の4つの目標が掲げられた。
・世界トップレベルの空力性能
・UCI規定の6.8kgに近づく軽量化
・高い快適性の維持
・最大32mmタイヤへの対応

開発では数百回に及ぶCFD解析を行い、風洞実験によって性能を検証。ヘッド周辺やコックピット、フォーク形状などフロントセクションを中心に空力性能が磨き上げられている。

その成果は数値にも表れている。日本未導入の最上位モデル「リアクト ワン」はドイツの専門誌TOURの風洞テストで、時速45kmを維持するのに必要な出力として196Wを記録し、“200Wの壁”を突破した。国内でも展開されるフラッグシップ「リアクト チーム」でも203Wを達成し、先代の211Wから空力性能が改善された。完成車重量は7.1kg(サイズM)と、エアロロードとしては軽量な仕上がりとなっている。

 

コックピットやフォークなど4つの進化ポイント

新型リアクトでは、コックピット、フロントフォーク、タイヤクリアランス、シートポストの4点が大きく進化した。

新型ワンピースコックピットはフロント周辺の空力性能向上に貢献する設計となり、フォークはより薄く深い形状へと変更。ヘッドベアリングは上下とも1.5インチへ統一された。

タイヤクリアランスは従来の30mmから最大32mmへ拡大され、タイヤ周囲には約5mmの余裕を確保している。フレームとフォークの接合部の形状も見直され、交差部での空気の流れを改善することで空力性能の向上を図った。

シートポストも新設計となり、オフセットを0mmとすることで軽量化とポジション自由度の向上を実現した。Di2バッテリーの配置もBB下へ移され、整備性の向上にも配慮されている。

ディスクローターは放熱フィン付きタイプ。ブレーキング時に発生する熱を効率よく逃がし、安定した制動力を確保する。

 

フレーム設計はCF5とCF3の2グレード

フレームはCF5とCF3の2グレードを展開するが、フレーム形状とジオメトリーは共通。ヘッド剛性とBB剛性の設計目標も同じに設定されており、グレードに関わらずリアクトらしい走行性能を体感できるという。チェーンステー長は408mmから410mmへと変更され、タイヤクリアランスの拡大などに対応した。

 

メリダ・新型リアクトを試乗してみた

今回は編集部で短時間ながら試乗も行うことができたため、その印象をレポートする。試乗は海に面したコースで行われた。海風が吹き抜ける直線路に加え、コーナーや緩やかなアップダウンもあり、エアロロードの性能を試すにはうってつけの環境だ。

今回は最も手の届きやすいグレードとなる「リアクト 4000」から、上位モデルの「リアクト 9000」までを試乗。身長175cmの筆者はSサイズを選択した。会場には旧世代のリアクトも用意されており、新旧モデルを比較しながら走ることができた。

まず新型リアクトにまたがると、視覚的にもフレーム形状の変化を感じ取ることができる。走り出してみると、こぎ出しの軽さ自体は旧モデルと大きな差は感じない。今回試乗したリアクト 4000はシマノ105仕様にアルミホイールを装着し、重量は9.1kg(Mサイズ)というスペックだ。

コースに出て徐々に速度を上げていくと、新型の性格が見えてくる。向かい風のなかでも、踏み込んだ分だけスッと加速していく感覚があり、力のロスが少ない印象だ。直進安定性の高さと高速域でのアドバンテージが感じられた。

一方で、その剛性感から「レースバイク」であることも強く意識させられた。ライダーの出力にしっかり応えてくれる反面、自分の脚力ではこのバイクを活かしきれる感じがしない。その後、旧世代のリアクトにも試乗してまず思ったのが「こっちの方が乗りやすい」という感想。フレーム全体の剛性感が程よくマイルドに感じられ、脚当たりが優しい印象だ。

もちろん試乗車のコンディションや個体差もあるので一概に判断できないが、新型ではフレーム全体の剛性が一段と高められていることがよく分かる結果となった。こうした性格の違いもあるため、購入を検討している人はぜひ試乗をしてから選ぶことをおすすめしたい。

 

新型リアクトのラインナップ

日本での展開モデルは、フラッグシップの「リアクト チーム」を筆頭に、「リアクト 9000」「リアクト 6000」「リアクト 5000」「リアクト 4000」、さらにフレームセットをラインナップ。価格は42万9000円から176万円まで幅広く設定され、レース志向のサイクリストからハイスピードなライドを楽しみたいライダーまで、多様なニーズに応えるラインナップとなっている。

●リアクト チーム(シマノ・デュラエースDi2完成車)完成車価格/176万円
●リアクト 9000(シマノ・アルテグラDi2完成車)完成車価格/119万9000円
●リアクト 6000(シマノ・105Di2完成車)完成車価格/76万8900円
●リアクト 5000(シマノ・105Di2完成車)完成車価格/55万9900円
●リアクト 4000(シマノ・105完成車)完成車価格/42万9000円
●リアクト フレームセット価格/32万8900円