ホイールまでカーボン&電動105がついて税込50万円前切り!?のロードバイク ウィンスペース・M6に乗ってみた

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Presented by WINSPACE JAPAN

中国三大レーシングブランドの一角であるウィンスペースから、エンデュランスエアロロード「C5エアロ」の後継となるニューモデル「M6」が発売された。車名の「M」はマイルマスターを意味し、勝つために走り切れることを目指して開発された。注目すべきは現実的な価格設定で、105 Di2コンポ+カーボンホイール+ワンピースハンドルバー仕様の完成車がアンダー50万円で用意されているのだ。

 

ウィンスペース・M6の特徴

M6

ウィンスペース・M6  【試乗車スペック】●メインコンポーネント/シマノ・デュラエース Di2 ●ホイール/ウナス・プロSE ●タイヤ/ミシュラン・パワーカップ 700×28c ●ハンドルステム/ウィンスペース・ゼロ SL ハンドルバー ●サイズ/M ●カラー/フロストグレー(非売カラー) ※実際の完成車と異なる部品が含まれています

 

最新のUCI規定に基づいて設計されたC5エアロの発売からわずか1年。その後継として登場したのが「M6」だ。トップチューブに記されているサブネームの「マイルマスター」とは、ロングディスタンスを戦い抜いたその先で勝利することを意味し、エンデュランスロードの流れを汲みつつコンペティティブ寄りに軸足を移したことを端的に表している。

フレーム&フォークについては、基本的なデザインをC5エアロから継承。その上で、エアロダイナミクスを改善するためにヘッドチューブをウェッジシェイプ化し、合わせてフォークブレードの扁平化を促進している。使用するカーボンについても見直され、一般的なT700やT800に加え、ミリタリーグレードのM40やM60といった高価な素材も惜しみなく投入。フレームの単体重量こそC5エアロと同等の900g(Mサイズ、未塗装)を公称するが、BBエリアで23.8%、フォークについては47.3%も剛性がアップしているという。

注目すべきは価格だ。フレームセットは30万8000円で、大手ブランドのミドルグレード並みのプライスとなっている。加えて完成車は、最も安い機械式105仕様ですらウナス・ハードSE(9万8000円)のカーボンホイールと、ゼロSL(5万9800円)という一体型カーボンハンドルバーを標準装着し、価格は44万8000円となっている。つまり、コンポおよびサドルやタイヤがほぼタダで付いてくるような計算なのだ。

完成車は一体型ハンドルバーのサイズが選べたり、8種類ものカラーバリエーションが用意されていたりと、小回りが利くところも大手ブランドにはない圧倒的なアドバンテージと言えるだろう。ウィンスペースという新興ブランドが誕生して18年、その集大成とも言える存在がM6なのだ。

 

ヘッドチューブ

ヘッドチューブは見るからに空気を切り裂きそうなウェッジシェイプとされる。FSAのケーブル内装システムであるACRを採用しており、ヘッドセットのベアリングは上下とも1-1/2インチとされる

フォーク

先代のC5エアロのデザインを踏襲しつつ、より扁平化したM6のフォーク。ハンドルをフルロックまで切ってもショルダーとフレームは干渉しない。公称重量はMサイズ(未塗装)で約450gとなっている

フロントのブレーキキャリパー

フォークエンドのウィングレットのような造型や、ドライブ側のステルスエンド処理などもC5エアロを踏襲する。スルーアクスルはフロント:M12×P1.0×114L、リヤ:M12×P1.0×163Lだ

前三角

使われているカーボンの種類は、C5エアロのT800+Mシリーズに対し、M6はT800/T700/M40/M60となっている。なお、Mサイズ(未塗装)の公称重量は、C5エアロと同じ約900gだ

BBまわり

BBの規格はC5エアロから変わらずT47-85.5を採用。こうしたスレッド式に安心感を覚える人は多いことだろう。なお、フレーム自体は電動式だけでなく、機械式コンポにも対応している

シートポスト

翼断面のカーボン製エアロシートポスト。公称重量は約130gだ。サドルの前後位置や角度の調整がボルト1本緩めるだけで行え、しかも固定力が高いという優れた構造だ

UDH

リヤディレーラーハンガーには、昨今のスタンダードであるUDHを採用。なお、105 Di2仕様に装着されるカセットスプロケットは11-34T(チェーンリングは50-34T)となっている

リヤ三角

アングルドTテールと名付けられた、水平尾翼を思わせるシートステー上端の接合部。チェーンステー長は全サイズで410mmに統一される。タイヤサイズは700×32Cまで許容

ゼロSLハンドルバー

完成車にはステム一体型のウィンスペース・ゼロSLハンドルバーが標準装着される。しかもオーダーの際、380-85から420-125まで16種類からサイズを選べるという神対応ぶりだ

トップチューブ

グラデーションを多用したものから単色まで、8種類ものカラーバリエーションが用意されているのもM6の特徴だ。試乗車はフロストブラックで、微細なグラフィックが実に個性的だ

 

ウィンスペース・M6のスペック

●フレームセット価格/30万8000円

●シマノ・105スポーツ完成車価格/44万8000円【注目!】

●シマノ・105Di2スポーツ完成車価格/49万8000円【注目!】

●シマノ・アルテグラDi2完成車価格/72万8000円

●フレーム&フォーク/カーボン

●サイズ/XS、S、M、L、XL、XXL

●カラー/フロストブラック、フロストホワイト、クリムゾンフレイム、アイスブルー、カーボンブラック、ホワイト、ミスティックパープル、エメラルドレイク

 

ウィンスペース・M6試乗インプレッション〜現実的な価格帯、巡航性能に重きを置く

M6に乗る大屋さん

インプレッションライダー:自転車ジャーナリスト 大屋雄一 モーターサイクルにも造詣が深いフリーランスライター。ヒルクライム、エンデューロ、ブルベ、シクロクロス、MTBレース、ママチャリ耐久、仮装レース、バイクパッキングなど、自転車遊びを一通り経験して今に至る。今年は12年ぶりに富士ヒルにエントリーした

 

今回用意された試乗車は、フレームセットをベースにコンポはデュラエース、ホイールはウナスのプロSE(13万8000円、前後で約1400g)で組んだものだ。ちなみにタイヤはミシュラン・パワーカップ(28C、クリンチャー)、カーボン製のクランクセットはエックスケイディのパワーメーター付きだった。

7kg台中盤と思われる試乗車にまたがり、走り慣れた道をスタートする。ホイールの重量もあってか、特筆すべき感触の漕ぎ出しではない。だが、時速20km付近からのスピード上昇は明らかにスムーズで、大手ブランドの一世代前のハイエンドモデルを彷彿させる加速フィールだ。時速30kmから上の速度域では、エアロダイナミクスの効果だろうか速度をキープしやすく、巡航時の踏み心地も良い。特に斜め前方からの向かい風の中では、無理に抗うような操縦をしなくても素直に進行方向を維持できることから、50mmハイトのホイールとの組み合わせによる空気の抜けの良さに感心しきりだ。

フレーム剛性について記そう。私は2021年にM6の数世代前にあたるT1500というエアロロードに試乗しており、当時の剛性過多な印象と比べると、M6は踏み負けを感じさせないモダンな剛性バランスへと進化している。ヘッドチューブエリアは、進化したフォークやゼロSLハンドルバーとの相乗効果もあって強固であり、ダンシングで車体を左右に振ったときの反応が良い。また、強めのブレーキングからコーナーへ進入する際、狙ったラインをトレースしやすいのも、このエリアの剛性が効いているはずだ。対してリヤ三角は、この屈強そうな見た目にしてしなやかなに感じられ、突き上げ感の穏やかさやトラクションの抜けにくさにつながっている。それでいて、ペダリングの力が逃げたりとか吸収されたりといったマイナスの感覚はなく、いよいよウィンスペースは剛性バランスの勘どころをつかんだように思う。

試乗したMサイズのジオメトリを確認すると、先代のC5エアロ比でチェーンステー長は2mm、トレール量(32C)は3mm短くなっている。それでも同社のSLC5ほどピュアレーシングには振り切っていないので、比較的穏やかなハンドリングと、高速域での直進&旋回時の安定性を生んでいる。体力を温存した先で勝つというコンセプトに合致したジオメトリと言えそうだ。

ハイエンドのピュアレーシングバイクのような、胸のすくような加速感や俊敏さこそわずかに希薄だが、数多あるエンデュランスロードの穏やかさとは一線を画しており、低くなったスタックハイト(Mサイズで7mmダウン)からも目指したであろう目的が見え隠れする。今回試乗したのはフレームセットから組んだものだが、完成車なら機械式105コンポ仕様が44万8000円から用意されている。しかもシマノ・アルテグラC50とほぼ同重量のカーボンホイールと、一体型カーボンハンドルバーまで付いてくるのだ。50万円以下という現実的な価格帯の中ではトップクラスの潜在能力を秘めており、凡百のセカンドグレードモデルとは異なるステージにいるのがM6だ。ホビーレースでより良い成績を収めたい人や、ロングライドを快適かつ楽に走りたい人にお勧めしたい1台だ。

 

Brand Info〜ウィンスペースについて

厦門銀貝運動用品有限公司の創業者である蔡正昌氏が、中国人が誇りに思えるようなプロ仕様のレーシングブランドを目指し、2008年に立ち上げたのがウィンスペースだ。厦門(アモイ)カーボンクラスターと呼ばれる地域にオフィスおよび工場があり、設計から成形、検証までを自社で一貫して行っている。現在はウィンスペースを筆頭に、そのセカンドラインであるレジット、ホイールブランドのルンとウナスを展開。中国人の飽くなき探究心と職人技によって生み出された製品は、世界60カ国以上で販売され高い評価を得ている。