ヤマハから新型eバイク「クロスコアRV」登場 街中からオフロードまでマルチに使えるモデル

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クロスコアRV

 

ヤマハ発動機はeバイク(スポーツ電動アシスト自転車)の新モデル「CROSSCORE RV(クロスコア アールブイ)」を3月7日から発売開始する。
CROSSCORE RVは同社の「YPJシリーズ」に属するモデルで、日常の街乗りから休日の冒険的サイクリングまで、使用シーンを問わずに乗ることができるマルチパーパスモデルとなる。

 

クロスコアRV

YPJシリーズの新作「CROSSCORE RV」。3月7日から全国で発売開始。メーカー希望小売価格は38万円

クロスコアRVのツーリング装備

純正アクセサリーとしてリヤキャリヤ、前後マッドガードを用意。ツーリングバイクとしてカスタマイズすることもできる。撮影車に装着しているバッグは社外品だが、こういうスタイルもかなり似合う

 

特徴としてはYPJシリーズの「CROSSCORE RC」から引き継いだオンロードの走行性能に加え、本格的なオフロードコースにも対応する要素が追加されている点だ。

その代表的な装備は、ストローク量を100mm確保しつつ、ストローク時の挙動変化が掴みやすいコイルサスペンション式のフロントフォークである。

 

フォーク

フロントフォークはコイルサスペンションを装備。標準状態では少し硬く感じたが、ソフトめに設定変更することで、フラットな未舗装路での走行安定性や乗り心地の良さの向上を体感できた。タイヤサイズは27.5×2.00でブロックパターン

マグラの油圧ディスクブレーキ

ブレーキは前後とも油圧ディスク。メーカーはMAGURA(マグラ)。フロントが4POT(ポット)でリヤが2POT。ローター径は203mm

 

次に、ドロッパーシートポストも特徴的な装備だ。これは手元のレバー操作でサドルの高さを変更できるもので、しっかり漕ぎたい時はサドルを高めに、下り坂ではサドルを下げて重心を低くするといった使い方をするものだが、この機能は街乗りにおいてもとても便利である。

スポーツバイクはペダリングのしやすさを優先したサドル高にセットするため、座った姿勢では地面に足が届かないことが多い。そのため信号で止まる際は、サドルから前に降りてフレームをまたぐようにして足をつくことになる。

これは動作としては簡単だが、停止が多い状況になると何度も降りたり座ったりするのが煩わしくなることもある。疲れている時はなおさらだ。

それに対してドロッパーシートポストは、停止する直前にサドルを下げることで、座ったままでも路面に足をぴったりつけることができる。また、サドルを下げておけば乗り降りの際も格段に楽になるだろう。

 

サドルを一番下げれば足がぺったりと着く

身長168cm、Sサイズに乗車。その条件でサドルを一番下げた状態ではご覧のように足がぺったりと着く

ライザーバー

ハンドルバーはライザーハンドルバータイプで、リラックスしたポジションを取ることが可能。手首や肩、首などにかかるストレスが軽減されるため、年齢を問わずおすすめできる装備だ

 

走りの装備は充実している

ドライブトレインはシマノ製のDEORE(デオーレ)リヤディレーラーを使う12速。ギア設定は10-51Tとワイドなので、舗装平坦路での巡航も容易なうえ、急な上り坂にも対応する。

ドライブユニットはヤマハ独自開発の「PWseries S2(PWシリーズS2)」。定格出力は250Wとなる。バッテリーはリチウムイオン電池で、スペックは36V/13.1Ah。充電時間は約3.5時間と、容量の割に短時間で充電が可能だ。

一充電あたりの参考走行距離は「HIGHモード/82km」「STDモード/94km」「ECOモード/130km」「ECO+モード/184km」「Automatic Assistモード/84km」という数値。ただしこれはあくまで参考値で、気温や道路勾配、乗員の体重などで変化する。

フレームサイズはSとMが設定されていて、車体全長は1775mm(S)、1785mm(M)。全幅は750mmと一般的なクロスバイクと同レベルなので、駐輪場所を選びにくい。そして車両重量は22.5kg(S)、22.7kg(M)。フレームカラーはコスミックブラックのみの設定だ。

 

PWシリーズS2

ドライブユニットはヤマハ独自開発の「PWseries S2」。ヤマハはオートバイメーカーでもあるため、アシスト特性の味付けには特にこだわりを持つ。足の力の入れ具合と頭で思い描く進み方のイメージがマッチするので、「速い」「強い」ではなく「スムーズ」という印象だ

リヤディレーラーまわり

ドライブトレインはシマノ製のDEOREリヤディレーラーを使う12速。フロントはシングル、リアは10-51T

ディスプレイ

ハンドル左側に付くコントロール部。表示が大きいので走行中のチラ見でも情報を確認しやすい。アシストモードは5つ設定されている。特性的にホームポジションは「Automatic Assistモード」だろう

 

いいコトしか書いてないのではなく、いいコトしか感じなかった

さて、今回は短い時間だがCROSSCORE RVに試乗することができたので、eバイクに初めて乗る人、不慣れな人の視点からその印象をお伝えしよう。

カテゴリーとしてはスポーツeバイクだが前傾はきつくなく、ドロッパーシートポストのおかげでまたがりも容易。スポーツバイク的なプレッシャーは感じない。停止時はサドルを一番下げておけば両足がぺったりと地面に着くので余裕を感じる。

ドライブユニット「PWseries S2」には5つの走行モードが設定されていて、乗り手は任意にどのモードで走るか選べる。ただ、eバイクに乗るのだから、わざわざアシストを弱くすることは一般的ではない。一方で、電動スクーターやオートバイではなく「自転車」を選んでいるので、常に最強モードで走るのも少し違う。

そう考えると、走行条件に応じてアシストを自動で切り替えてくれる「Automatic Assistモード」が自然な選択だろう。今回はそこにセットして走行した。

電動アシスト自転車というと、ペダルの漕ぎ始めから「グン」とトルクがかかる印象を持つ人もいるかもしれないが、CROSSCORE RVの「PWseries S2」はそういうフィーリングではない。

ペダルを踏んだ瞬間はアシストを強く感じないが、クランクが少し回転すると「ジワッ」とトルクが出てくる。そしてその立ち上がりが足の力とシンクロするので、飛び出すわけでもなく、遅れるわけでもない絶妙なフィーリングを体感できた。

 

クロスコアRVに乗る深田さん

ポジション的にもアシスト能力的にも「乗りやすい」と印象。若い世代だけじゃなく、50歳以上で運動不足を感じる人にも勧められる

 

それともう一つ触れておきたいのが「発進が楽である」ことだ。信号はもちろん「一時停止」も守らなければならない状況では、この「発進が楽」という点は非常に大きな意味を持つ。

正直なところ、漕ぎ出しにいちいち力を入れる必要があると「停まりたくない」と感じてしまいがちだが、CROSSCORE RVならそれがない。そして停止時にドロッパーシートポストで足つき性を高めるという合わせ技を使えば、一時停止が面倒なものではなくなるはずだ。

とにかくこのCROSSCORE RVは「乗りやすい」という印象なので、スポーツバイクに乗り慣れた人はもちろん、これからeバイクに乗る人、自転車に乗るのが久しぶりという人でも、納車されたその日からそれなりに乗りこなせるのではないだろうか。

 

キックスタンド

キックスタンドが標準装備というのもポイントが高い。走りに行った先でeバイクを背景に記念撮影をしたい場合、スタンドがあると構図の自由度が広がる

クロスコアRVで坂を上る山下晃和さん

こちらはカタログでライドモデルを務める山下晃和さんのライドシーン。勾配がきつい部分を走ってもらった。もちろん練習は必要だが、アシストがあればこうしたシーンもクリアできる