税込ピッタリ30万円カーボンロードバイクで105というレジット・AC1に乗ってみた
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グローバルブランドとして着実に成長しているWINSPACE(ウィンスペース)。そのセカンドラインとして2025年に登場したのが(LEGiT)レジットだ。今回紹介するのは、その最新モデルとなる「AC1」。エントリーロード「L2」をベースにエアロダイナミクスを向上させ、さらにUCI認証を取得。試乗したのは機械式105コンポの完成車で、価格はジャスト30万円というから驚きだ。

レジット・AC1の特徴

レジット・AC1 BASE ●写真のカラー/ピンク ●試乗車サイズ/M ※こちらの試乗車は実際の完成車と異なる部品が含まれています
2025年4月にウィンスペースのセカンドラインである「レジット」が発表され、同時にエアロロードのL2と、オールラウンドレースバイクのL3という2モデルの受注がスタートした。レジットにおける最大の強みは、ウィンスペースを生産している自社工場のラインをフルに活用できること。単にスタイリングを真似ただけの廉価製品ではなく、最高水準の品質管理と先端技術を受け継いでいるのがポイントだ。
ここに紹介するのは、2026年2月に発表されたばかりの「AC1」だ。これはL2のアップデート版であり、最大のトピックはUCI認証を取得したことにある。これにより、公認レースへの出走が可能となったのはうれしい要素だ。もちろん、それだけではなく、フレームはよりエアロダイナミクスを最適化した形状となり、ジオメトリーも見直されている。
フレームセットの価格は24万8000円で、今回試乗した完成車は30万円だ。機械式105コンポをメインとしながら、プラス5万2000円で完成車が買えてしまうのはさすがウィンスペースだ。

フルカーボンフォークはMサイズ(未塗装)で約430gを公称する。先代にあたるL2ではスルーアクスルの穴が貫通していたが、AC1では非貫通式のステルスエンドとなっている

上下とも1-1/2インチのベアリングを使用したヘッドチューブ。正面から見ると緩やかなアワーグラス形状となっており、エアロダイナミクスを追求していることが分かる

フレームの素材は東レのT700で、これは先代のL2と同じだが、Mサイズ(未塗装)の重量は1099gから1050gへとダウン。最大タイヤ幅は30Cから32Cへとワイドになっている

ダウンチューブは、近年のエアロロードのトレンドを取り入れた断面形状となっている。試乗車のピンクはモニター越しに見るよりも発色が良く、塗装自体も非常にていねいだ

先代のL2と同様にドロップドシートステーを採用。完成車にインストールされるのはリムハイト30mmのアルミホイールで、タイヤはCSTのCZAR。トレンドを反映して28Cをチョイスする

FSAのケーブル内装システムであるACRヘッドセットを、先代のL2から引き続き採用。2019年に登場したシステムであり、今やフレームメーカー、パーツメーカーの多くがこれを導入している

BBの規格は、先代のBB86(プレスフィット)から、AC1ではスレッド式のT47に移行。異音発生などのトラブルが多かったためか、近年は多くのブランドがスレッド式に回帰している

最新のトレンドを反映して、リヤディレーラーハンガーにはUDHを採用。専用ハンガーは将来的にディスコンになる可能性が大だが、UDHなら入手性が高いので安心感が大きい

専用シートポストは約130gと非常に軽量だ。ヤグラはサドルの前後位置と角度がボルト1本で調整できるタイプ(画像のサドルは完成車に本来装着される製品ではないのでご了承ください)
レジット・AC1 BASEのスペック
●価格/30万円(税込)
●フレーム&フォーク/カーボン
●サイズ/390、420、450、480、510、540
●カラー/ブラック、ネイビーブルー、ピンク

ブラック

ネイビーブルー

ピンク
●メインコンポーネント/シマノ・105 機械式12速
●ホイール/オリジナルアルミ
●タイヤ/CST・クザー 700×28C
●ハンドル/オリジナルアルミ
●ステム/オリジナルアルミ
●サドル/オリジナル
※このほかにフレームセット、レジット AC1 105 SPORTS(完成車)、レジット AC1 05 Di2 SPORTS(完成車)があります。
レジット・AC1試乗インプレッション〜プラス5万円で完成車となる良コスパ

インプレッションライダー:自転車ジャーナリスト 大屋雄一 モーターサイクルにも造詣が深いフリーランスライター。ヒルクライム、エンデューロ、ブルベ、シクロクロス、MTBレース、ママチャリ耐久、仮装レース、バイクパッキングなど、自転車遊びを一通り経験して今に至る
コロナ禍以降、欧米ブランドのロードバイクが急騰したことで、俄然注目されるようになったのがアジア発祥の新興ブランドだ。中でもウィンスペースは、同社がメインスポンサーを務めるフランス籍のUCIプロチームが、2025年のツール・ド・フランス・ファムに初参戦するなど(もちろんバイクはウィンスペースだ)、短期間で目覚ましい発展を遂げている。
今回試乗したのは、そんなウィンスペースのセカンドラインであるレジットの最新作、AC1だ。先代にあたるL2ですら昨今のエアロロードのトレンドを余すところなく盛り込んでいたが、AC1はUDHやT47 BBといった汎用性の高い規格を新採用。さらにUCI認証も取得するなど、本格的なレーシングバイクへと進化した。
試乗車はMサイズで、ペダルなしでの実測重量は8.65kgだった。今回の撮影に間に合うように急いで組んでもらったため、ハンドル、サドル、クランクセットが正規に採用されるものではなかったが、おそらく実際に流通する完成車もこれぐらいの重量になるだろう。
そんなAC1の走りは、レーシングバイクとしてかなりモダンであり、なおかつ非常に扱いやすい。筆者は2021年に、ウィンスペースのT1500というフレームセットを試乗したことがあるのだが、その乗り味は縦方向に硬く、まるで板にまたがっているかのような印象を持った。それに対してAC1は、当時のT1500を彷彿させるスタイリングでありながら、変に突っ張ったり、ヨレを感じるような部分がなく、ペダルを踏み込めばスムーズに速度を上げていく。そして、縦方向の硬さについては、ワイドなリム&28C以上のタイヤを前提とした設計に移行しているのか、今回の試乗ではほとんど気にならず、乗り心地は非常に良好だった。
AC1は脚力があるライダーほどポテンシャルを引き出せそうなバイクであり、時速30kmぐらいで巡航していると、その先の伸び代が見え隠れする。「これでカーボンホイールにすれば……」というのは、エントリーモデルのインプレによく登場する常套句だが、現状でもホイールの転がりはスムーズであり、まずはこれでトレーニングを積むことをお勧めする。
カセットスプロケットはシマノ純正ではなく、サードパーティーの12-32Tだ。105のスプロケットが11-34Tないし11-36Tなので、それらと比べるとギヤ比はクロス気味となる。変速フィールはシマノ純正と大きく変わらず、ここに不満を持つ人は少ないだろう。
ハンドリングは低速域から高速域までナチュラルであり、強いストッピングパワーを余裕で受け止めるほどフロント周辺の剛性が高い。フレームセットで24万8000円、それにプラス5万2000円でこの完成車が買えるというのは非常にお買い得であり、争奪戦になる可能性は大だろう。気になる人は早めにオーダーされることをお勧めする。
Brand Info〜レジットについて
大手ブランドのフレームやホイールのOEM生産で技術力を高めた中国の企業が、2008年に立ち上げたブランドがウィンスペースだ。開発から製造、組み立て、販売までを一貫して自社で行っており、世界で30以上のプロチームに採用されるブランドへと成長した。開発には世界各国の優秀なエンジニアが関与しており、2020年にはホイール専門ブランドの「ルン」を、さらに2025年にはウィンスペースのセカンドラインである「レジット」を設立している。











