ツール・ド・フランス2025 パリへの道を切り開いた機材【ロヴァール/スペシャライズド】
目次
真夏のフランスを一周し、7月27日にパリで閉幕を迎えたツール・ド・フランス。3週間にわたる戦いで使用され、選手たちを成功に導いたロヴァールのホイール、スペシャライズドのバイクを振り返る。
欧州王者の高速スプリントを支える相棒〜ロヴァール・ラピーデスプリントCLX
ROVAL RAPIDE SPRINT CLX
価格/19万3600円(前)、29万400円(後)
Spec
素材/カーボン
リム高/63mm(前)、58mm(後)
リム内幅/21mm
リム外幅/35mm(前)、34.4mm(後)
スポーク数/18本(前)、24本(後)
重量/640g(前)、755g(後)
カラー/グロスカーボン/グロスホワイト、サテンカーボン/グロスブラック
世界最高峰の舞台であるツール・ド・フランスには、当然世界最高峰のスプリンターが集結する。そのスムーズなライン取りと滑らかなスプリントで第3ステージと第9ステージを制したのがスーダル・クイックステップのティム・メルリール。エースの離脱で苦しい戦いを強いられていたチームに鮮やかな2勝をもたらした。そんな常時60km/hを超える高速な位置取り争いの末にトップスピード75km/hで決する集団スプリントでは、高速走行に特化したホイールが欠かせない。フロント63mm、リヤ58mmいうリムハイトを採用した「ラピーデスプリントCLX」はスプリンターにとって頼れる存在。スプリントの名前を冠しているが、追い風や横風区間での高速走行を見越して、平坦ステージではクライマーたちもこの新作を採用していた。
ロヴァール・ラピーデCLX III
ROVAL RAPIDE CLX III
価格/19万3600円(前)、29万400円(後)
Spec
素材/カーボン
リム高/51mm(前)、48mm(後)
リム内幅/21mm
リム外幅/35mm(前)、31.3mm(後)
スポーク数/18本(前)、24本(後)
重量/600g(前)、705g(後)
カラー/グロスカーボン/グロスホワイト、サテンカーボン/グロスブラック
ホイール選びにおいて前後1305gという軽さは正義。「ロヴァール・ラピーデCLX III」という名前が示す通り第3世代に進化した万能ホイールは、フロント51mm、リヤ48mmという決して低くないリムハイトながら、前作と比較して215gもの軽量化を果たしている。空力性能の高さはそのままに、ホイールの軽量化に大きく貢献しているのが小型化したハブと、1本あたり1.7g軽い専用カーボンスポークの採用だ。リム打ちしにくいフラットビードフックも備えているなど、実際にツールの舞台で活躍したこのホイールはアマチュアライダーにとっても大本命だと言える。
スペシャライズド・SワークスターマックSL8
SPECIALIZED S-WORKS TARMAC SL8
価格/179万3000円(完成車)、79万2000円(フレームセット)
※上の写真はメルリールのための特別塗装仕様。一般には販売されない。
Spec
フレーム/カーボン
フォーク/カーボン
サイズ/44、49、52、54、56、58(カラー、コンポにより展開が異なる)
カラー/サテンリキッドシルバー/マルチカラードライインパスト/グロスチームイエローティントほかフレームセットは全8色
軽量であり、速い。クライマーからスプリンターまで満足させる一台には、軽量性と空力性能の高さが求められる。集団スプリントで勝利を重ね、さらに総合表彰台まで獲得したバイクはプロトンの中でこの一台だけ。カテゴリーの異なるバイクを使い分ける他チームに対して、SワークスターマックSL8のオールラウンド性能が光っている。マイヨブラン(ヤングライダー賞ジャージ)を獲得した総合3位のフロリアン・リポヴィッツは、この万能バイクを駆ってレッドブル・ボーラ・ハンスグローエにチーム悲願の総合表彰台をもたらした。
BRAND INFO〜ロヴァールとスペシャライズドについて
1974年に創設されたアメリカブランドのスペシャライズドと、同社が手がけるホイールブランドのロヴァール。フレームとホイールまで包括的にデザインすることで高い性能を発揮し、ビッグレースで数多の勝利を重ねている。

















