シマノMTBコンポ「DEORE XT」「DEORE」も電動ワイヤレスに

2025.06.19
新製品

シマノのMTBコンポーネントで最高峰の「XTR」に次ぐ「DEORE XT」が「M8200」シリーズにモデルチェンジ。また、「DEORE」には「M6200」シリーズが追加された。XTR M9200シリーズの技術とデザインを受け継ぎ、電動ワイヤレス変速のラインナップが拡大した。

DEORE XT M8200シリーズ

タフなドライブトレイン構造

XTR M9250リヤディレーラーで導入された技術を継承し、DEORE XT M8250 は新しいシマノ・シャドーESテクノロジーを採用。ロープロファイルのウェッジ形状デザインにより、XTR同様、スタビライザー機構をディレーラー本体にシームレスに統合。トレイル上の障害物にヒットしても滑らかに受け流し、衝撃を回避する。万が一衝撃を受けた場合でも、ディレーラーはその衝撃を吸収し、オートマチックインパクトリカバリーにより、瞬時に元の位置へと復帰する。また、XTRのカーボンケージとは異なり、堅牢なアルミケージを採用している。

RD-M8250ワイヤレスリヤディレーラー。このミッドケージのGSは9-45Tカセットに対応する。10-51Tカセット対応のロングケージのSGSもある

CS-M8200-12カセットスプロケットは、ロー側2枚がアルミ製、残り10枚はスチール製。歯数構成は9-45T と10-51T

DEORE XT M8200クランクセットは、 XTR M9200シリーズのデザインを踏襲し、剛性と重量のバランスを最適化している。トレイル、エンデューロ、クロスカントリー（XC）に対応する1 種類の構成で展開され、176mmのQファクター、55mmのチェーンライン、ダイレクトマウントチェーンリング設計、標準の24mmスチールアクスルといった特徴を備えている。

FC-M8200クランク。クランク長は160、 165、170、175mmから、チェーンリングは28Tから36Tまでの2T刻みから選べる

直感的に操作できるDi2シフトスイッチ

シマノ・ラピッドESを搭載したシフトスイッチは、長年の機械式変速の開発で培われた確かな操作感を提供し、XTR M9200の性能を継承している。新しいスイッチは取付位置が広範囲で、ボタンの機能を変更可能なため、ライダー好みの操作環境に細かくカスタマイズすることができる。

アイスペックEV仕様のDSW-M8250-IR。クランプバンド仕様のRも用意されている

パワフルなブレーキシステム

DEORE XT M8200は強力かつ信頼性の高いブレーキ性能を提供。スタイルやニーズに応じ、2種類のブレーキ構成が用意されている。

ブレーキレバーはシマノ独自のエルゴフローテクノロジーを搭載し、XTR M9200と同じピボット位置を採用することで、より自然なブレーキング動作を実現している。

さらに、再設計されたサーボウェーブトラックにより、スムーズかつ素早いパワー伝達が可能となり、アップデートされたキャリパーデザインと組み合わせることで、温度変化に左右されない安定した制動力を提供する。

ブレーキは、XTRで導入された新配合の低粘度ミネラルオイルを使用しており、広い温度範囲で安定した流動性を保つ。このオイルとシステム設計の組み合わせにより、ピストンの動きが安定し、滑らかで一貫したブレーキモジュレーションが可能になる。

耐久性の高いアルミ製レバーを採用したBL-M8220

エンデューロ、トレイル向けのBR-M8220ブレーキキャリパー

XC向けポストマウントのBR-M8200。フラットマウントのBR-MT805もある

ホイールとハブ

WH-M8200アルミホイールはエンデューロやXCに十分対応できる軽量かつ高耐久な設計だ。29インチと 27.5インチの両サイズをラインナップ。ハブ設計も改良されており、メンテナンスが容易で高いシーリング性能を持つ。また、3.5度のエンゲージメント角度、コースティング中の回転抵抗の低減、軽量構造を特徴とする。

WH-M8200のリムは、チューブレスタイヤに対応する、内幅30mmのフック付き。28本のステンレス製Jベンドスポークを採用する

ハブのシールは転がり抵抗を減らしながら、水やゴミの侵入を防ぐよう設計。長期間にわたるメンテナンスの容易さを提供する

DEORE M6200シリーズ

DEORE M6200シリーズは、XTR M9200シリーズおよびDEORE XT M8200シリーズで採用された最新のテクノロジーを継承。精密で直感的な変速体験をより多くのライダーに提供する。12速機械式変速のM6100シリーズと互換性があり、リヤディレーラーとシフトスイッチを導入すればワイヤレス変速が実現する。