シマノ・新型XTR M9200シリーズの実物をチェック!

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2025年6月に発表されたばかりのシマノによるMTB(マウンテンバイク)用コンポーネントの最高峰「XTR M9200シリーズ」。メディア向け発表会にて実物を確認&試乗する機会を得たので、速報的に紹介しよう。

シマノ新型XTR M9200シリーズの実物チェック

 

XTR M9200シリーズの細部

今回実物チェック&試乗したのはエンデューロ&トレイルバイク向けのセットだ。

RD-M9250-SGS

リヤディレーラー(RD-M9250-SGS。こちらは10-51T用ロングケージ)は電動&ワイヤレス化。バッテリーはディレーラー内蔵式だ。価格は9万6616円

新型XTRのリヤディレーラー

リヤディレーラーは横方向への張り出しが抑えられ、障害物への激突を防ぎやすくする設計だ

オートマチック・クラッシュリカバリー

岩や木の根などに激突し衝撃を受けてもディレーラーが元の位置に戻る「オートマチック・クラッシュリカバリー」を搭載。試しに蹴ってみると、たしかにそのあとでスッと動いてディレーラー位置が戻った

BL-M9220

ブレーキレバー。こちらはエンデューロ向けだ(BL-M9220)。価格は1万5312円(片側)

BL-M9220のレバー設計

ブレーキレバーはより自然に引けるように設計され、ライダーに合わせて細かな角度を調整できる機構も搭載する

ディスクブレーキ(BR-M9220)

ディスクブレーキ(BR-M9220)。こちらは対向4ピストン仕様。価格は2万4292円。なお、ブレーキローターは従来のもの(RT-CL900)を継続して仕様。価格は203mm径で1万2976円

SW-M9250-IR

電動&ワイヤレス化したシフトレバー(シフトスイッチ)で、こちらはI-SPEC EV対応のもの(SW-M9250-IR)。価格は3万1826円

CS-M9200

カセットスプロケット(CS-M9200)の形状も刷新されている。価格は7万2566円

CS-M9100

チェーン(CS-M9100)はM9100シリーズのものを継続して使用。価格は9922円

FC-M9220

クランクセットはエンデューロ向けとXC向けの2種類を用意。こちらはエンデューロ向けのもの(FC-M9220)で、大きな衝撃にも耐えられるよう設計される。価格は4万4734円

WH-M9220

新しく登場したカーボンホイール。こちらはエンデューロ向けのもの(WH-M9220)。価格はフロント12万7991円、リヤ14万6276円

XTR M9200シリーズのハブ

ハブのベアリングはカートリッジ式となった。なお、ハブ単品でも販売する。価格はフロント2万3943円、リヤ5万1369円

 

シマノ新型XTRを試乗してみた第一印象

シマノ新型XTRを試乗

サイクルスポーツ編集部・大宅宏幸。ロードバイク歴16年の後、30代後半からグラビティMTBを楽しんでいる

 

数時間程度であるが、編集部員が試乗を行ってみた。その第一印象をお伝えしよう。

まずは変速性能について。これは現行デュラエースがそのままXTRになった、という印象だ。どれだけ乱暴な扱いをしようとも速く・正確にビシッと変速する。

特筆すべきは、電動変速ながらワイヤ式のような自然な感覚でシフトチェンジできること。シフトスイッチは単純にワンクリックしかできないわけではなく、ぐっと押し込み続けるとスイッチがより深くまで物理的に2段階で入り込むような仕組みになっており、そこからスパスパっと多段変速する。これが非常に秀逸なのだ。これによって、電動変速であることを忘れさせるほどに自然なフィーリングが得られる。

シマノ新型XTRを試乗

そして、グラビティライダーにとって特に重要となるブレーキについて。試乗した日は本降りの雨でシビアなコンディションだったが、それをものともしないほどにガツンと利くすさまじい制動力だと感じた。深いドロップを飛んだあとでも狙ったとおりしっかりと制動できた。

一方、ガツンと利くだけでなくモジュレーションも容易になっており、がっつりと効く&微妙なブレーキコントロールもお手のもの、という、非常にバランスの良い作りとなっている印象だ。

今回は特に自分好みに調整しないまま使ったが、それでもブレーキレバーそのものの作りが良いためか、うたい文句どおりレバーを指で引きやすく、また引いたときのタッチ感も秀逸と感じた。

新登場のカーボンホイールも良い。上りは軽く、そして下りの転がりも軽いのだ。特にリヤハブのフィーリングがよく感じられ、滑らかに転がっていく感覚が得られるのが気持ち良い。

うーん、さすがはシマノ。これまた非常に完成度の高いコンポを作ってきた。

今回はさっと乗っただけだったが、より詳細なインプレッションはまた別の特集企画としてお届けしたい。