スペシャライズドから新型トレイルMTB「スタンプジャンパー15」が登場

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スペシャライズドを代表するMTB(マウンテンバイク)で、トレイルバイクのStumpjumper(スタンプジャンパー)の新型が登場。その名も「Stumpjumper 15(スタンプジャンパー フィフティーン)」。トレイルバイクとしての軽快さとダウンヒルバイク並みの下り性能を同時に実現するという、にわかには信じがたい進化を遂げた。

スタンプジャンパー15登場

 

スタンプジャンパー15の特徴

スタンプジャンパー15

スタンプジャンパーは1981年に世界初の量産型MTBとして登場した、エポックメイキングなトレイルバイクだ。その名のとおり、今作で15世代目に当たる。

最大の特徴は、ショートトラベルバイクとしての性能とロングトラベルバイクとしての性能を両立しており、ほとんどのトレイルをこの一台でこなせてしまうという、従来では考えられなかったようなことを実現している点だ。

フロント150mm、リヤ145mmトラベル(S1サイズのみフロント140mm、リヤ135mm)ながら、“下り系トレイルバイク”の「スタンプジャンパーエボ」よりも衝撃吸収性能が何と16.3%、トラクション性能は57%も向上している(!!)。

よって、ノーマルなトレイルバイクとしてのスタンプジャンパーと下り系トレイルバイクとしてのスタンプジャンパーエボは統合され、スタンプジャンパー15の一本となる。

 

独自開発で特許取得のリヤショックユニット「ジーニー」

このような短めのトラベル量でロングトラベルバイクのような下り性能を発揮できる能力を実現するのは、スペシャライズドが独自に開発し(かつ特許も取得)フォックスが製造する新型のリヤショックユニット「GENIE(ジーニー)」だ。ジーニーとは、アラジンと魔法のランプで有名な精霊の名前に由来し、“あらゆるトレイルライダーの夢を叶える”という意味が込められている。

その夢とは、小さな衝撃力ではよく動き、大きな衝撃力ではボトムアウト(サスペンションのトラベル量を使い切ってしまう現象)しにくく、かつチューニングしやすく軽量である、ということだ。

ジーニーは内側と外側に独立した2つのポジティブエアチャンバーを備えており、序盤70%のトラベルまでは直線的なスプリング曲線を描き、後半30%ではプログレッシブ(グラフが跳ね上がるような)な曲線を描く。これは、序盤70%まではエアボリュームが大きい状態のためよく沈み込む作動感を発揮し、後半30%では外側のエアチャンバーが塞がれエアボリュームが小さくなることで大きな衝撃力に強くなりボトムアウトしにくい、という仕組みである。

ジーニーの仕組み

「ジーニーポート」は2つのエアチャンバーの弁の役割を果たす。ショックユニットがストロークし「ジーニーバンド」が押されていくと、終盤30%ではジーニーポートが塞がれて内側のエアチャンバーのみがアクティブな状態となる仕組みだ

ジーニーのスプリング曲線

スペシャライズドのエンデューロバイク「エンデューロ」、スタンプジャンパーエボ、新型のスタンプジャンパー15のリヤショックユニットのスプリング曲線を表したもの。1080Nの“衝突力”ではエンデューロとスタンプジャンパー15は100mmまでストロークするが、スタンプジャンパーエボは86mmだ。また、スタンプジャンパーエボはトラベル量を使い切っても2500Nの衝突力ではボトムアウトするが、スタンプジャンパー15は140mmまでストロークしなくてもそれに耐えられる(!!)

 

フレームがより軽量化

スタンプジャンパー15のフレーム

フレームも刷新。前作のスタンプジャンパーシリーズの象徴的なデザインだったトップチューブから伸びるサイドアームがなくなった。リンケージ部分を肉付けすることで十分な剛性を確保することができるようになったためだという。これにより、軽量化を果たした。

 

ジオメトリ調整機能も健在

スタンプジャンパー15のジオメトリ調整機構

ヘッドアングルをスティープ/ミドル/スラックの3段階、BBハイトをロー/ハイの2段階で調整でき、走る状況やコースによって乗り味を変えられる機能は継続して備える。

また、S3以上のサイズは初期で前後29インチだが、リンクを交換することでマレット仕様に変更も可能だ(S2以下のサイズはマレット仕様のみとなる)。

 

ダウンチューブのストレージ「スワット」も最新世代に

SWAT4.0

ダウンチューブ内部に設けられた独自のストレージ機構「SWAT(スワット)」はバージョン4.0の最新のものになった。よりスムーズに開閉可能で耐水性も高くなっている。

 

スタンプジャンパー15のラインナップ

Sワークスモデルはフレームセットのみ。完成車としては「エキスパート」グレードと「コンプ」グレードの2つとなる。ジーニーは全グレードで装着される(ショックユニット自体のグレード差はある)。

なお、コンプグレードについては「スタンプジャンパーエボ コンプ」よりもプライスダウンとなり、しかも電動コンポが標準搭載で、これはうれしいポイントだ。

入荷は本日から順次となる。

 

Sワークス スタンプジャンパー15 フレームセット

●価格/53万9000円
●サイズ/S2、S3、S4
●カラー/1種類
●フレーム素材/カーボン(145mmトラベル)
●リヤショックユニット/フォックス・フロートファクトリー スペシャライズド ジーニーショック

 

スタンプジャンパー15 エキスパート

●価格/99万円
●サイズ/S1、S2、S3、S4
●カラー/1種類
●フレーム素材/カーボン(S1:135mmトラベル、S2〜S4:145mmトラベル)
●メインコンポ/スラム・GXイーグルトランスミッション
●ブレーキ/スラム・メイヴン ブロンズ
●フロントフォーク/フォックス・フロート36パフォーマンス エリート 140mmトラベル:S1 / 150mmトラベル:S2〜S4
●リヤショックユニット:フォックス・フロートパフォーマンスエリート スペシャライズド ジーニーショック
●ホイール径/フロント:29インチ、リヤ:29インチ(S1、S2は27.5インチ)

 

スタンプジャンパー15 コンプ

●価格/71万5000円
●サイズ/S2、S3、S4
●カラー/1種類
●フレーム素材/カーボン(145mmトラベル)
●メインコンポ/スラム・S1000イーグルトランスミッション
●ブレーキ/スラム・メイヴン ブロンズ
●フロントフォーク/フォックス・フロート36リズム 150mmトラベル
●ホイール径/フロント:29インチ、リヤ:29インチ(S2は27.5インチ)