リドレーから「ファルコンRS」登場 オールラウンドな新フラッグシップロード

リドレーから、これまでのエアロな「Noah(ノア)」、軽量な「Helium(ヘリウム)」という旗艦モデルではない、新しいロードバイク「FalcnRS(ファルコンRS)」が登場した。モデル名の由来は世界最速の動物とされるハヤブサ。あらゆるレースシーンに対応すべく、軽量性、空力性能、剛性の全てをバランスよく追求している。日本では限定カラーのフレームが8本のみ発売される。

ファルコンRS

ファルコンRSは、過酷な上り坂でアドバンテージを得るための十分な軽さと剛性を持ちながら、平坦や下り坂でも速く走れる優れた空力性能を持つバイクを開発することに重点を置き、LAB(Lightweight Aero Bike)プロジェクトとして始まった。

高いペダリング効率(剛性)を維持するという絶対的な条件の下に、可能な限り空力性能を追求しながらも軽量化するため、フレームに使用される余分な素材やチューブ形状によって重量増にならないように制限する必要があった。

「ノアファストディスク」と同等の空力性能を持ち、「ヘリウムSLXディスク」に匹敵するフレーム重量816g(Sサイズ)、フロントフォーク380gとなり、ヘリウムSLXディスクと比較して36gほど重くなるが、バイク全体の重量はおよそ7kg台前半で仕上げられる。

ファルコンRS

ジオメトリと重要ポイントとなる全てのチューブ形状を見直し、開発エンジニアと空気力学者が実際のフレーム設計を開始。CFD(数値流体力学)解析を使用してすべてのチューブセクションが最適化され、空力性能、重量、ペダリング効率のバランスを最適化した。

横風時の安定性を向上させるためトップチューブの形状にも変更を加えた。

ファルコンRSのフレーム構成

ヘッドチューブ付近の空気の流れを整え、空力性能を高めるチューブ形状を採用し、短めのヘッドチューブにより深い前傾ポジションも取りやすい設計になっている。

また、リドレー独自のD型形状に成形されたフォークコラム、F-ステアーの採用によりケーブル類は完全内装化。コックピット周辺で起こる空気抵抗を低減している。

ファルコンRSのヘッドチューブまわりの図

さらに、空力性能を最適化するために、CFD解析とリドレー自社の風洞施設バイクバレーで風洞試験を行った結果、フォーククラウンを通過する空気の流れが最適ではないことが判明。そこで注目したのは、空気が最初に触れるフロントセクションの設計、特にフロントフォークの空気の流れだった。

従来のフロントフォークの空気の流れ

従来のフロントフォークの空気の流れ

フロントフォークの空気の流れを最適化するために、レーシングカーでも用いられているディフューザーを採用してその形状を設計。フォーククラウン内側の空気の流速を速めるようにコントロールすることで、ダウンチューブ周囲の空気抵抗を最小限に抑えことに注目した。

ディフューザーフォークの空気の流れ

ディフューザーフォークの空気の流れ

ディフューザーフォークの空気の流れ

空気がダウンチューブを潜り抜けていく構造はヘッドチューブの後方部分で起きる空気抵抗を拡散させる役割も担っている。

ディフューザーの有無による空気の流れの比較

左がディフューザーあり、右がなし

優れた空気性能を発揮する形状を見つけるために、CFD 解析を使用してディフューザーのさまざまな形状をテスト。下の画像の右が最終形状となった。

テストされたフォークの形状

ディフューザーなしのフォークでは、フォーククラウン内側を通る空気の流れが妨げられるが、ディフューザーありのフォークでは空気の流れが改善され、ダウンチューブに空気が流れやすくなる。最終的にディフューザーなしのフォークと比較して、時速50kmで10%の空気抵抗低減に成功したという。

ディフューザーなし

ディフューザーなし

ディフューザーあり

ディフューザーあり

ディフューザーとして機能するように再設計されたヘッドチューブとフォーククラウンは、空力性能において最も重要な部分だ。ダウンチューブに空気が当たる前にバイクの上を通過する空気の流れに乱流をもたらし、空気の流れをスムーズにすることを目的としている。

シートチューブとシートステーも軽量でありながら可能な限り空力性能に優れた形状を採用。そして、ジオメトリも新たに設計された。このジオメトリは、ロット・デスティニーの選手によってテストされ、スピード、反応性、安定性のバランスを最適化したものだ。

わずかに短いヘッドチューブ、長いチェーンステー、低重心のハンガー下がり、少ないスタック、より長いリーチなど、よりアグレッシブなライディングが可能になり、安定性も向上している。

ファルコンRSのジオメトリ表

タイヤ幅は28mmで開発さたが、最大34mmまでのクリアランスを設けており、過酷な道でも快適性をもたらすことで、ロンド・ファン・フラーンデレンやパリ~ルーベのような荒れた石畳、過酷なモン・ヴァントゥーの上り、パリ・シャンゼリゼでのスプリントなど、より高速で滑らかな舗装路にも対応できるオールラウンドパフォーマンスバイクだ。

ディレーラーハンガーには、スラムの統一規格であるUDH(ユニバーサルディレーラーハンガー)を採用。フロントは取り外し可能なフロントディレーラーマウントになっており、1×または2×を選択でき、ダウンチューブには3ボルト仕様のボトルマウントを装備。ライダーはより低いエアロポジションと、手が届きやすいポジションを選択することができる。

UDH 取り外し可能なフロントディレーラーマウント

ダウンチューブのボトルケージ台座

国内販売される限定カラーは、カーボン素材の柄がそのまま見えるフレームカラー(ローカーボン)に、リドレーのロゴとトップチューブのデザインのみ光が当たると無数の輝きを放つプリスマティックシルバーで仕上げている。限定数での販売となるため、気になる人はリドレーの正規販売店に相談しよう。

ファルコンRS

Falcn RS(ファルコンRS)

フレームセット価格:82万5000円
バイククラフト価格:124万1900円(R9250 Di2)、106万3700円(R8150 Di2)、98万4500円(R7150 Di2)

サイズ:XXS、XS、S
カラー:D1083s(ローカーボンプリズマティックリミテッドエディション)
フレーム:エリートHMカーボン
フレーム重量:792g(XXS)、806g(XS)、 816g(S)
フォーク重量:380g
ヘッド:1-1/8 – 1-1/2
BB:プレスフィットBB86
対応コンポーネント:シマノDi2、カンパEPS、スラムeタップ
限定数:8本
入荷予定:2024年2月下旬

【付属品】
◆ハンドル/ステム:
フォルツァ・シラスプロロードインテグレーテッドコックピット 90mm-380/400mm(XXS 、XS)、100mm-400/420mm(S)
※ステム-STI/ドロップ(C-C)
◆シートポスト:
エアロシートポスト(セットバック6mm)
◆コラムスペーサー:
シラスプロインテグレーテッドスペーサー
◆コンピューターマウント:
ファストコンピューターマウント(ガーミン、ワフー、ミオ対応)

ファルコンRS
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