秋ヶ瀬バイクロアでスナップ! グラベルライダーの構成要素Vol.2

目次

秋ヶ瀬バイクロア12に一同に会する多様なサイクリストたち

2011年、埼玉県さいたま市の秋ヶ瀬公園で「おとなとこどものじてんしゃ運動会」をテーマに初開催されたレースイベントのバイクロア。今では全国各地から引っ張りだこになるほどの人気コンテンツに成長したが、やはり最も盛り上がるのは、今回で12回目の開催となる「秋ヶ瀬の森バイクロア」だ。
基本的にはシクロクロスレースではあるものの、キャンプあり、ローカルフードあり、マーケットあり、そして親子で楽しめるコンテンツが豊富とあって、さまざまなスタイルのサイクリストが来場。近年は特にグラベルバイクを楽しんでいる人が増えており、そんな彼らに自転車との接し方やこだわりポイントについて話を聞いた。

 

秋ヶ瀬バイクロア12

 

フレームとバッグをグリーンで統一した1台

サーリー×宮田 悟さん

サーリー×宮田 悟さん

 

完璧なグリーンのコーディネートで板橋区から自走でやってきた宮田悟さん。後ほど紹介する徳永智久さんの友人で、彼にショップを紹介してもらい、ゆったりと長距離を乗れるというコンセプトで組み上げたのがこのディスクトラッカーだ。「最初は同じサーリーのクロスチェックにしようと思っていたんですけど、自分の身長に合うサイズがなかったので、このディスクトラッカーにしました。昔から濃緑系が好きなので、フレームとステムをグリーンに塗ってもらいました。バッグはアメリカのスイフトインダストリーズの製品で、サイドバッグは一時期だけ販売されていたグリーンのデッドストックをたまたまショップで出会い、すぐに買いました。フロントバッグはカスタムオーダーでグリーンにしてもらったんです。残念ながら今は生産拠点を東南アジアに移したとかで、もうオーダーを受け付けていないそうです」。2020年モデルでスルーアクスルとフラットマウント規格のディスクブレーキ台座となったディスクトラッカー。頑丈さをセールスポイントとするだけあって、ラインナップの中でも重い部類に入るが、宮田さんはそのタフさが気に入っているという。なお、当日は12時間耐久レースのARAKAWA12にもこれで出走したとのこと。

 

チューブスのフロントキャリヤを介してスイフトインダストリーズのサイドバッグを装着

ドイツのキャリヤ専門ブランド、チューブスのフロントキャリヤを介してスイフトインダストリーズのサイドバッグを装着する。フロントバッグはカスタムオーダーでグリーンに

GRX

駆動系はシマノ・GRXで、フロントは40Tのシングルをチョイス。よく見ればフラットペダルやスタンレーのボトルまでグリーンだ。「実は緑のスーツケースも持ってます(笑)」

テールランプ

テールランプのハウジングまでグリーンという徹底ぶり。このサーリーのディスクトラッカーというモデル、こうした小物が装着しやすいように各所にダボ穴が設けられている

 

フレームバッグは自作! ギアオタクの究極形

シエロ・バイ・クリスキング×リュータさん

シエロ・バイ・クリスキング×リュータさん

 

バイクパッキングというよりも、スタッキング(積む)という表現が似合いそうなリュータさんのバイク。フレームはシエロ・バイ・クリスキングで、7年ほど前に知人から譲り受けてシクロクロスのカテゴリー3に出場していたものの、コロナ禍をはじめ、結婚およびお子さんの誕生などが重なり、現在レースは休止中だ。「バイクロアでキャンプがしたくて、気が付けばこんな状態になっていました(笑)。ギアをたくさん積みたいので、パスアンドストーのフロントキャリアに大型ラックを載せました」と、リュータさん。テントやマット、シュラフといったキャンプ三種の神器をはじめ、バイクパッキングではあまり馴染みのないタープやエスプレッソメーカーまで積んでいるのだ。そして、注目してほしいのはフレームバッグで、何と手作りとのこと。「最初はタープを作りたくてジューキの家庭用ミシンを買いました。で、いろんな製品を参考にしてフレームバッグも作ってみたんです。今では子供用の通園バッグや甚平まで作れますから(笑)」。現状、かなりフロントヘビーではあるものの、キャンプで仲間と有意義な時間を過ごしたいという気遣いが、こうしたストロングスタイルを生み出したと言えるだろう。

 

パスアンドストーの中空クロモリキャリヤに大型ラック

オークランドのハンドメイドラックブランド、パスアンドストーの中空クロモリキャリヤに大型ラックを装着。そこにキャンプギアを山のように載せている。右下にはマットも

自作のフレームバッグ

フレームの前三角にぴったり合うように設計されたバッグは、何とリュータさんが自作したもの。「いろいろな製品を参考にして作りました。生地は海外から仕入れたものです」

リュータさんのバイクの駆動系

シクロクロスに出場していたころからギヤ比構成は変わらず。フロントは38Tのシングルで、リヤは11-32Tと11-34Tを使い分ける。リヤディレーラーは稀少なアルテグラRXだ

 

レアなアントのフレームでチームラリーにも出走

アント・バイク・マイク×JaMさん

アント・バイク・マイク×JaMさん

 

1台目にサーリーのクロスチェックを購入し、カスタムして楽しんでいたというJaMさん。もう少し太いタイヤが履けるバイクが欲しくなり、ブルーラグのスタッフに相談したところ、紹介されたのがアント・バイク・マイクだったという。「そのスタッフの方、一周さんというんですけど、彼もアントに乗っていて、写真もいろいろ見せてもらい、2021年の10月ごろにオーダーしました。ビルダーのマイクさんは、インディペンデント・ファブリケーションの元メンバーなんです。こちらからお願いしたのは、650Bホイールで2.3インチのタイヤが入ること、トップチューブはホリゾンタル、ブレーキはディスク、あとはドロップハンドルのジオメトリーであること。この4点だけです。フレームが届いたのは今年の2月なので早い方だと思いますよ」と、JaMさん。カスタムしたクロスチェックもまだ手元にあるが、組み上がってからはアントばかり乗っているほど気に入っているという。「キャンプだけでなくチームラリーにも出るので、クロスチェックの方がいいかなと思ったんですけど、仲間がどうしてもアントを見たいっていうんで(笑)。はい、住んでいる港北から秋ヶ瀬まで約50km、自走で来ましたよ」

 

アント・バイク・マイクのヘッドバッジ

アント・バイク・マイクのヘッドバッジがお気に入りというJaMさん。アント(蟻)をモチーフとしたデザインで、ビルダー氏の手作りにより1枚ずつ色味が微妙に異なるという

日東のキャンピーM-1

フロントキャリヤは日東のキャンピーM-1。フォークブレードにはキングケージのメニーシングケージをUSB(ユニバーサルサポートボルト)で装着し、大量の荷物をマウント

アント・バイク・マイクのリヤディレーラー周り

美しいリヤエンドにシンプルなデザインのテールランプをマウント。ディレーラーハンガーはリプレーサブルだ。ディレーラーはアリビオで、これをバーコンで運用している

 

デモ車のグリズルでチームラリーを楽しむ

キャニオン・グリズルCF SL8サスペンション 1バイ×森本禎介さん

キャニオン・グリズルCF SL8サスペンション 1バイ×森本禎介さん

 

自転車輸入問屋TKCプロダクションズの代表であり、昨今はユーチューバーとしても活躍している森本禎介さん。キャニオンの大きなブースにいらしたので話を聞いたところ、このあとに「グリズルCF SL8サスペンション 1バイ」でチームラリーに出場するという。「これはデモ車なので、ホイールをシマノのGRXに交換したぐらいですね。タイヤはパナレーサー・グラベルキングSSの43Cで、バイク自体は50mm幅まで入りますね。このグリズルのいいところは、最初からロックショックスのグラベル用サスフォーク(ストローク30mm)と、ドロッパーシートポストが付いていることです。フロントシングルなので、ドロッパーが左側のSTIレバーで操作できるんですよ。ストローク量は大きくないんですけど、長い下りでサドルを下げると空気抵抗が減って、速度がスーッと伸びるのが分かりますから。この完成車で36万ですからね。マジでいいですよ」。

 

GRXのレバー

フロントシングルのため、左側のデュアルコントロールレバーをドロッパーシートポストの操作に利用。別途レバーを増設する必要がないので、コックピットがスマートになる

エキップトのサーディン

話題のスティック携帯工具、エキップトのサーディンをトップチューブ上面にマウントする。ケーブル類はダウンチューブに内装され、これにドロッパー用のワイヤも含まれる

グリズルCF SL8サスペンション 1バイの駆動系

ホイールはシマノのGRXカーボン(WH-RX870)で、これにパナレーサーのグラベルキングSSをインストール。リヤディレーラーはGRX RX812で、スプロケットは11-42Tとワイドだ

 

装備を厳選して冬キャンプとレースにチャレンジ

シエロ・バイ・クリスキング×徳永智久さん

シエロ・バイ・クリスキング×徳永智久さん

 

上で紹介したアント・バイク・マイク×JaMさんとは小学校時代からの友人という徳永智久さん。お互いに熊本から上京しており、自転車趣味も共通だったため、それならバイクロアで一緒にキャンプしよう(ついでにチームラリーにも出よう)ということに。「バイクパッキング用にできるだけ軽いキャンプギアをチョイスしたんですけど、やはり秋ヶ瀬の深夜は寒すぎましたね(笑)。結局、仲間たちと明け方まで焚き火をして寒さをしのぎました」。徳永さんのバイクは、自社製造のヘッドパーツやボトムブラケットで知られるアメリカのクリスキングが手掛けていたシエロサイクルズで、2008年から2017年の間しか生産されていなかった今や幻のブランドだ。「ヘッドパーツとハブはもちろんクリスキングで、クランクセットはホワイトインダストリーズですね。ギヤ比構成はフロントが44×36T、リヤが11-28Tだったかな。で、ディレーラーはシマノ・105です。普段走る分にはこれで十分だと感じています」。

 

シエロのフロントキャリヤ

シエロのカンチレバーブレーキのフォーククラウンは後方にしか穴が開いておらず、そのままではフロントキャリヤの装着が難しい。このバイクではステーを工夫して問題を解決

シエロの駆動系

変速システムはシマノ・105、クランクセットはホワイトインダストリーズのクランクセットだ。後者はカリフォルニアの高品質コンポメーカーで、スマートな見た目が特徴だ

シエロのサドルバッグ

使い込まれた大型サドルバッグにカップやライトを括り付けるスタイルからも、旅慣れている様子が伝わってこよう。なお、手組みホイールのリムは豪州生まれのベロシティだ

 

12時間耐久レースをソロで優勝した一台!

ギザロ×衣川佳輝さん

ギザロ×衣川佳輝さん

 

秋ヶ瀬バイクロアの名物レースの一つである「ARAKAWA12」は、何と夜19時から朝7時まで12時間をかけて開催される耐久レースだ。ライダーたちは公園敷地内の指定エリアの特設テントサイトにベースキャンプを設営し、そこでそれぞれのスタイルで夜を過ごしつつ、このナイトエンデューロレースを走り切る。4回目の開催となる本レースはソロ、チームといったカテゴリが設けられているが、ここで紹介する衣川さんはなんと一人で97周を走り切り、見事ソロ部門で優勝した猛者だ。
「京都での学生時代からの仲間達も応援やサポートに駆けつけてくれました」。と感謝とともに優勝の喜びを語ってくれた彼のバイクは、ギザロのカーボンシクロクロスバイク。「関西CXのC1カテゴリなどシクロクロスレースに出走しており、そのために仕立てた一台です。信頼しているショップさんによるアッセンブルとして、競技性と実用性を重視してもらいました。2週間前に導入したばかりのバイクでしたが、この12時間をかけてやっとバイクと仲良くなれたような気がします。」

 

ギザロのレバー

コンポーネントはSTIレバーにGRX機械式変速、そしてリヤディレーラーはシマノ・105の11-34Tの11段変速を採用している。ミックスコンポとして取り込みやすいGRXならはの組み方

ギザロのクランクとペダル

クランクはGRXのシングルギア40T。SPDペダルには軽量さや耐久性、泥はけ性能からXTRを選ぶ。「XTモデルとの価格差も考えるとこちらがベストでした」

ギザロの駆動系

ホイールはフロントにシマノ・RSシリーズ、リヤにシマノ・GRXのアルミモデルを採用。タイヤはIRC・シラクの700×33Cで、夜間の気温低下に備えて2.0BARで臨んだ

 

サイドバッグはあえて左のみ。右側に工夫あり

マジィ・スペシャーレランドナー×芝元 敦さん

マジィ・スペシャーレランドナー×芝元 敦さん

 

クロスバイクに乗っていて、そのステップアップとしてロードバイクの購入を検討していたという芝元敦さん。「最初はドロップハンドルならどれもロードバイクだと思っていましたからね(笑)。で、少しずつ調べていくうちに、タイヤは太い方がいいかもとか、ブレーキはディスクの方が良さそうだ、なんてことが分かってきました。あとは予算の都合でカーボンは無理なので、アルミかスチールから選ぶしかない。そうなると選択肢はかなり絞られてきて、最終的に残ったのがマジィのスペシャーレランドナーでした」。前後にフルフェンダーを装着していたり、ブルックスの革サドルに交換していたりと、かなり旅慣れている様子。中でも注目したいのはリヤキャリアだ。オルトリーブのサイドバッグは左側のみで、右側にはPALSテープの付いたプレートが装着されている。「これはドッペルギャンガーの付属品です。輪行する際、サイドバッグが二つあると大変じゃないですか。これならそのまま輪行袋に入れられるので便利なんですよ」と、ニッコリ。グラベル欲を満たすため、普段は河川敷の砂利道を走っているという芝元さん。制動力を高めるため、ブレーキキャリパーはイコールの製品に交換済みだ。

 

イコールブレーキ

完成車に装着されていたキャリパーの利きが悪かったため、イコールの製品に交換。「油圧式にすることも考えたのですが、輪行時のトラブルを避けるためにこれにしました」

スペシャーレランドナーのリヤキャリヤ

ドッペルギャンガーの大容量サイドバックパックの付属品のみをリヤキャリアの右側に装着し、そこに輪行袋とレインウエアを括り付ける。輪行時の荷物を減らすための工夫だ

 

大きな前カゴで買い物からサイクリングまで

ターン×柳箸研二郎さん

ターン×柳箸研二郎さん

 

ターンの26インチオールラウンダー、グリットで会場へやってきた柳箸研二郎さん。ウエアを含めたオールドスクールなコーディネートが見事だ。「10年以上ロードバイクやMTBから離れていたんですけど、2万円で買ったシングルスピードを経て半年ほど前にこれにたどり着きました。1990年代の自転車ってこんな感じだったよなぁ、というテーマで、ハンドルやステムを交換しています。シートポストとスタンドは前の自転車から移植しました」と、柳箸さん。注目はやはり巨大な前カゴだろう。「普段はママチャリとして買い物にも使ってますからね(笑)。今は三鷹に住んでいまして、多摩川や狭山湖、津久井湖あたりまでサイクリングにも行きます。そもそもこのグリットを選んだ理由は、26×1.95という太めのタイヤを履いているからで、これなら河川敷の砂利道や未舗装路も楽に走れますから」。リヤディレーラーは9Sのシマノ・アルタスで、シフターはエネシクロのフリクションタイプに交換されている。「これを買ったショップのスタッフがオールドMTB好きで、このサムシフターを勧められました。標準装着のシフターはインジケーター付きだったので、コックピットがだいぶカッコよくなりました」とのこと。

 

ターンの駆動系

駆動系は完成車の状態から変更なし。フロントは40Tのシングルで、スプロケットは11-36Tの9Sだ。「トップ側もロー側も足りないで、いずれフロントはダブルにしたいですね」

ターンのハンドル周り

シフターはシマノのインジケーター付きから、エネシクロのフリクションタイプに。ハンドル、ステム、グリップも好みのものに交換済み。米も積めるよう大型カゴを装着する

 

一目惚れしたフレームでツーリング三昧

リヴェンデル・バイシクル・ワークス×zumish.jpさん

リヴェンデル・バイシクル・ワークス×zumish.jpさん

 

以前からロードバイクに興味はあったものの、体が硬いためにクロスバイクを購入。流れで始めたツーリングにどっぷりとハマり、フラットバーで乗れる本格的なツーリングバイクを探していたところ、リヴェンデルのジョー・アパルーサにたどり着いたというzumish.jpさん。非常に長いチェーンステーが特徴的で、コミューターやツーリングバイク、はたまたオールドMTB風にと、アッセンブル次第でさまざまに楽しめるオールラウンダーなフレームだ。「もともとサーリーあたりでバラ完しようと思っていたんですけど、ショップに行ったらこれが展示されていまして、もう一目惚れですね(笑)」とのこと。手組みの650Bホイールに40mmという細めのブロックタイヤを組み合わせたり、各部のダボ穴を利用してヘッドライトやリヤキャリアを装着するなど、使い勝手のいいツーリングバイクへと仕上げている。「こだわりと言えばエネシクロのサムシフターでしょうか。インデクッスではなくフリクションなので、調整がめちゃめちゃ楽なんです。よく輪行をするものですから、運んでいる際にディレーラーがちょっとズレたとしても、適当な位置に動かせばとりあえず変速してくれますからね(笑)」

 

リヴェンデルのハンドル

リヴェンデルがニットーに別注したオールドスクールなブルムースバー。フロントバッグやステムバッグとの相性も抜群だ。ギヤ比構成はフロント44×34×22T、リヤ11-32Tだ

リヴェンデルのリヤキャリヤ

リヤキャリヤに載せられているのは、リヴェンデルのバイクエキップメントライン「サックヴィル」の大型サドルバッグ。本革のヤレ具合からも使い込まれていることが分かる

 

もうすぐ社会人、ファストクラスで5位に

ロッキーマウンテン×垣内優希さん

ロッキーマウンテン×垣内優希さん

 

ガチなクロスカントリーMTBでファストクラスに参戦し、トップから約7秒遅れの5位でゴールした垣内優希さん。伊豆CSCのオリンピックコースでもトレーニングしているというアスリートだ。「中学時代の仲間と来ました。ファストクラスは最後まで先頭パックにいられたんですけど、やっぱり皆さん強いですね。去年はチームラリーに出たんですよ。いつものレースと違って、バイクロアは雰囲気というかノリがいいですよね。バイクのこだわりポイントですか? そうですねぇ、トップチューブに櫻坂46のステッカーを貼っていることですかね。ドルオタなので、苦しい場面でこれを見てモチベーションを上げています(笑)」。

 

ロッキーマウンテンの駆動系

ホイールはDTスイスのX1700。カセットが簡単に交換できるのがポイントで、11S用を12S用に変更し、そこに10-51Tのスプロケットを組み込む。タイヤはマキシス・アイコンだ

 

パーツ交換よりも旅費優先な超ツーリング派

ジェイミス・レネゲード×日立木あゆさん

ジェイミス・レネゲード×日立木あゆさん

 

トレックの軽量ロード、エモンダでバイクパッキングにハマり、さすがに限界を感じてジェイミスのレネゲード エクスパットに乗り換えたという日立木あゆさん。「クロモリフレームで、しかもグリーン系の完成車となるとこれぐらいしかないんですよね。しかも在庫不足でなかなか買えない。仕方なく中古で入手しました」とのこと。ギヤ比構成はフロント50×34T、リヤ11-32Tで、完成車の状態から特に変更なし。「長いときで7泊8日とかのツーリングにも行くんですよ。だからメカを交換するよりも、その分を旅費に回したい派なんです。タイヤはグラキンSKの38Cですね。太くしすぎると、平地の巡航や上りが重くなってしまうので、これぐらいがいいバランスかと思います」

 

レネゲードのフォークブレード

フォークブレードとシートチューブにある等高線のグラフィックが、地図が大好きな日立木あゆさんの心を鷲掴みに。タイヤはパナレーサー・グラベルキングSKの38Cをチョイス

 

初のグラベル走行でバージンクラス5位に

メリダ・ミッションCX400×クラマタロウさん

メリダ・ミッションCX400×クラマタロウさん

 

バイクロアに出たくてメリダのミッションCX400を購入したというクラマタロウさん。完璧なバイクパッキングスタイルだが、土曜はバッグ類を全て外してバージンクラスに出場。グラベルを走ること自体が初めてながら、見事5位で完走している。本来、CX400のコンポはシマノ・105だが、「古いカーボンロードからパーツを全て移植しました。ボントレガーのシルバーのサドルもそうで、コンポも含め全体的に色調を統一できました」と、ご満悦の様子だ。タイヤについては、「バイクロア3日前にタイヤがないことに気付き(笑)、到着が間に合う銘柄を大手通販サイトで慌てて買いました。聞いたことのないメーカーの製品で、確か1本2000円以下だったかと思います」

 

ブラックバーンのフレームバッグ

お祝いで譲り受けたブラックバーンのフレームバッグ。前所有者が内部にカットしたプラ段を入れていたとのことで、大量に荷物を入れても横方向に膨らまないのがポイントだ

 

実用車ジュピターをオシャレにカスタム

ブリヂストン・ジュピター×今野 歩さん

ブリヂストン・ジュピター×今野 歩さん

 

ブリヂストンのジュピターという実用車をご存じだろうか。ロッドブレーキだった時代から2018年に生産が終了するまで、ほとんどスタイリングを変えずに半世紀もラインナップされていた名車だ。これを荒川区にある自宅から秋ヶ瀬まで自走でやってきたのは今野歩さん。「畑仕事用の荷物をどっさり積むために入手したんですけど、その畑仕事から離れたのでカスタムしました。といっても、ハンドルとサドルを交換して、頑丈なリヤキャリアとスタンドを外した程度ですが。ローラーブレーキはシマノ最強と言われるネクサスで、ワイヤを日泉ケーブルにしたらタッチが良くなりましたね。とにかく重くて、ギヤもシングルなのですが、乗り心地は気に入っています」。

 

ジュピターのハンドル周り

ハンドルを低い形状のものに交換。グリップとサドルはブルックスで統一。ハブダイナモと砲弾型LEDライトはジュピターに標準装着されており、オートライトなのも実に親切だ

 

シマノ・GRXをいかにして使いこなすか?グラベルライダーの構成要素Vol.1