宮城県で初開催された「SBAA オフロードバイクサミット2022」レポート

目次

フィールド開発のサポートや情報提供など、マウンテンバイク市場の活性化に取り組んでいる一般社団法人自転車協会。これまで、販売店に向けたMTBライディングスクールやメカニック講座などを積極的に開催してきた。

同協会では初の試みとして、2022年10月8日(土)に宮城県大河原町MTBスパークで、「SBAA オフロードバイクサミット2022」と題した一般ユーザー向けの普及イベントを実施した。晴天に恵まれた会場では、最新オフロードバイクの試乗、トップライダーによるライディングスクール、豪華ゲストによる楽しいトークショーなどが行なわれた。

自転車協会 SBAA オフロードバイクサミット2022

マウンテンバイクのみならず、グラベルバイク、E-MTBなど、会場には多数のオフロードバイクの試乗車が揃った

 

プロライダーが教えるマウンテンバイク上達への近道

イベント会場は、今年4月にオープンしたばかりの宮城県大河原町が運営する「大河原MTBスパーク」。白石川河川敷の広大な敷地にできた常設コースで、パンプトラック、ショートトラック、スキルアップエリアなどで構成されている。コースプロデューサーは、プロマウンテンバイカーの井出川直樹さん。「これからMTBをはじめる人が、山へ行く前にしっかり練習して、基本を覚えるために必要な動きを学べるコースレイアウトになっています」と話す。

自転車協会 SBAA オフロードバイクサミット2022

大河原MTBスパーク・コースプロデュサーの井出川直樹さん。わかりやすい説明で初心者を楽しませていた

自転車協会 SBAA オフロードバイクサミット2022

パンプトラックや丸太を埋め込んだセクションなど、オフロードライドで必要となる体の使い方をマスターできる常設コース

 

同イベントでは、井出川さんをはじめとする4人のライダーによる、初心者向けのレッスンが計3回実施された。キッズから大人まで、幅広い年齢層の方が参加。基本的なライディングフォームや、安全なブレーキングなどを丁寧に教わっていた。

自転車協会 SBAA オフロードバイクサミット2022

序盤は、平坦な場所でニュートラルフォームやブレーキングを教わった

自転車協会 SBAA オフロードバイクサミット2022

慣れてきたらパンプトラックやバンクを走って地形の変化を試してみる

 

最初こそ体重移動のコツがつかめずにフラついていた参加者も、わずか45分のレッスンを終了するころには、笑顔でパンプトラックを走り抜けていた。とくに子供たちの上達は早く、プロの指導、安全に楽しめる場所の大切さを目の当たりにした。こんな素敵なMTBパークが近くにあり、しかも無料で楽しめる大河原町と周辺の皆様が、ほんとうらやましい!

 

ステージイベントには、豪華ゲストも登場!

自転車協会 SBAA オフロードバイクサミット2022

トークイベントでは、笑いを交えながら、MTBで転倒しないコツなど役立つ話も聞けた。こちらは初回の様子

 

会場では、2回のステージイベントが行なわれた。最初のステージでは、安田大サーカス団長安田さん、難波ケンジさん、井出川直樹さん、清水一樹さん、品川真寛さん、山田将輝さんが登壇。安田さんを中心に、マウンテンバイクの楽しさをロードバイクなどと比較しながら、おもしろく紹介していた。また、選手たちは、それぞれのカテゴリーでどのようなトレーニングをしてきたかなどを披露した。

自転車協会 SBAA オフロードバイクサミット2022

2回目のトークイベントのテーマは自転車と旅。ここでも団長安田さんが笑いを巻き起こした

 

2回目のステージでは、安田さん、難波さんに加えて、アドベンチャーサイクリストでモデルとしても活躍する山下晃和さんが登壇。それぞれの旅の思い出話や、グラベルバイク、eバイクの魅力などを紹介。山下さんは、自転車でキャンプ旅をする際の上手なパッキング方法などを話していた。

自転車協会 SBAA オフロードバイクサミット2022

キャンプ道具を持ち込んで、自転車で旅する楽しさを紹介していた山下晃和さん

 

MTBコースで、サイクリングロードで、最新バイクを思う存分試乗

自転車協会 SBAA オフロードバイクサミット2022

会場にはメーカーブースが並び、最新のオフロードバイクの試乗ができた

 

会場には、メーカーのテントが建ち並んだ。テントの下には、MTBからeバイクまで最新の試乗車がずらり。会場となった大河原MTBスパークの横の土手の上には、サイクリングロードがあり、コースはもちろんアスファルトの上や坂道でも試乗ができた。フロントサスだけのMTBとフルサスの違いを乗り比べたり、メーカーごとに異なるeバイクの特徴を比較するなど、長時間、じっくりと試乗を楽しむ参加者が目立った。

自転車協会 SBAA オフロードバイクサミット2022

普段はなかなか触れる機会がないような100万円オーバーの高級モデルにも試乗できた

自転車協会 SBAA オフロードバイクサミット2022

初めてeバイクに試乗する方も多く、メーカー担当の方も「手ごたえがあった」と話していた

自転車協会 SBAA オフロードバイクサミット2022

土手の上のサイクリングロードで試乗を楽しむ参加者

 

オフロードを走る楽しさを実感できる一日だった

自転車協会 SBAA オフロードバイクサミット2022

デコボコのコースを繰り返し走るキッズたち。将来が楽しみだ

 

豪華ゲストによるトークから、レッスン、試乗まで盛りだくさんの内容だったこのイベント。蔵王連峰を見上げる素晴らしいコースで、たっぷりとマウンテンバイクやオフロードバイクの魅力に触れられる一日だった。大人も子どもも一緒になって土の上を走ることで、新しい自転車の楽しみ方を見つけられたのではないだろうか?

 

前日には、自転車で地域振興を目指す「サイクリングキャラバン」も初開催

オフロードバイクサミット開催の前日、10月7日(金)には、隣町にある「道の駅かくだ(宮城県角田市)」で、自転車協会が主催する「サイクリングキャラバン」が初開催された。

サイクリングキャラバンは、自転車協会、自治体、SBAA店が協力し、サイクリングを通して、その土地の魅力を広く一般に体感してもらい、地域振興につなげるためのイベント。宮城県仙南エリアにある2市7町(白石市、角田市、蔵王町、七ヶ宿町、大河原町、村田町、柴田町、川崎町、丸森町)が一致団結して、サイクリストたちを呼び込むために、サイクリングロードの紹介や情報発信など、様々な取り組みがスタートするそうだ。同時に、自転車協会では、自転車安全運転の啓蒙、SBAA事業の価値増進などを目指す。

自転車協会 SBAA オフロードバイクサミット2022

みやぎ仙南サイクルツーリズム推進会議を取りまとめる齋 清志大河原町長が、サイクリストを歓迎する地域の意気込みを力強く話していた

自転車協会 SBAA オフロードバイクサミット2022

あいにくの雨の中、井出川直樹さんを先頭にキャラバン隊がスタート。デモライドを実施した

 

この地から始まるサイクリングキャラバン立ち上げのセレモニーが終わると、参加者たちは自転車に乗って周辺を走るキャラバンライドに出かけた。当初は、道の駅かくだから、大河原町MTBスパークまでの約20㎞を走る予定が、大雨の影響でコースを大幅に短縮。阿武隈川沿いのサイクリングコースを走る往復ルートに変更された。

雨の中、いくつかのグループに分かれてのんびりとサイクリング。広い空と遠くの山並み。あいにくの天候のなか、仙南エリアの雄大な景色の片りんを垣間見た。仙南エリアに続き、こんなキャラバンが各地で開催され、サイクリストを歓迎してくれる地域が増えることに大いに期待したい。

自転車協会 SBAA オフロードバイクサミット2022

雨が降ってもこの景色。晴れた日にぜひ出かけてほしい

自転車協会 SBAA オフロードバイクサミット2022

束の間のサイクリングを終えて、皆様、無事帰着

自転車協会 SBAA オフロードバイクサミット2022

サイクリングキャラバンに参加した皆様。おつかれさまでした!

 

オフロードバイクサミット、サイクリングキャラバンの情報は下記をチェック。

 

問い合わせ先

一般社団法人 自転車協会
https://www.jitensha-kyokai.jp/