「浜街道グルメライド」福島沿岸部の復興とグルメを感じる
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福島県いわき市の沿岸部を走る復興サイクリングロード「いわき七浜海道」。この度、いわき七浜海道の全線開通1周年を記念したサイクリングイベント「浜街道グルメライド」が2022年3月26日(土)に開催された。
スタート地点は、JR常磐線の泉駅前。常磐線もまた、東日本大震災で被災し、9年の歳月を経て2020年3月、全線で運転を再開した。主催のJR東日本水戸支社が、「浜通りを元気にしたい!」(浜通りは福島県の沿岸地域の名称)という地域の人々と連携し「駅からサイクリング『浜街道グルメライド』」を企画した。
ウェルカムいちごがお出迎え
いきなり驚いたのは、受付で「ウェルカムいちご」が配られたこと。エイドステーションで、グルメが出てくることはあるが、受付でいきなりというのは初めてのパターンだ。
泉駅前をスタート
当日の天気は、雨はさほどではないが、午後から風がかなり強くなる予報が出ていた。当初77.7kmのコースが予定されていたが、約54kmに短縮されての開催となった。天候をものともしない27人が、複数のグループに分かれて泉駅をスタートしていった。
まずは太平洋へむかって小名浜港へと向かう。そこからは海沿いのいわき七浜海道を北上するルートだ。幸いにしてこの日は南風だったので、追い風をうけて快走! 霧が出るような天候だったので景色をあまり楽しめなかったのが残念だった。
エイドステーションで地元グルメを味わう
短縮されたコースでもエイドステーションが2か所用意された。一つ目はサイクリングロードからすぐの「いわき新舞子ハイツ」という宿泊施設。レストランスペースを使って地元グルメのメヒカリの天ぷら、おにぎり、アンコウ汁を楽しんだ。いわきは目の前に黒潮が流れる豊かな海があるので、魚介のおいしさは折り紙付きだ。
しばらく太平洋を右手に見ながら北上すると夏井川にぶつかる。そこからは川沿いに西へ。いわき駅周辺の市街中心部から、いわき湯本の温泉街を抜けてゆく。この頃から少し雨がぱらついてきて、温泉に入りたい欲にかられつつもペダルをこぐ。
そうして二つ目のエイドステーションは、いわきFCパーク内「いわき自転車文化発信・交流拠点ノレル?」に到着。地元サッカーチームの拠点がある建物で、自転車屋もテナントとして入っている。そして日本パラ競技連盟の事務局が置かれている場所でもある。それを象徴するように、建物内にはタンデム車が展示されていた。
無事に全員が泉駅にフィニッシュし、お土産として、ほっき飯やトマトジュースが参加者に配られた。
主催:JR東日本水戸支社
運営:株式会社ジェイアール東日本企画、FMいわき
協力:いわき市、福島県いわき地方振興局、いわき観光まちづくりビューロー
いわきにもう一泊
筆者は、翌日もいわき浜通りエリアをサイクリングで探索すべく、いわき新舞子ハイツに一泊。翌日は強風ながら快晴となった。チェックアウト後、ホテルの広大な駐車場に車をそのまま置かせてもらって、サイクリングへ。田んぼのあぜ道をグラベルロードよろしく走って、車通りを避けながら道路が川をそのまま通過する「いわきの洗い越し」を目指す。前夜のうちにガーミンコネクトのルート機能を使って、なるべくローカルなルートを引いておいた。ナビに従って到着。最後の分岐がわかりにくかったが、本当に道路が川を横断している。ロードバイクで突っ込むには勇気のいる見た目だが、無事に通過。
続いては、地元サイクリストにとっても知る人ぞ知るスポット「十文字の切通し」へ。途中、開発された住宅地を抜けていく。どの家も立派なものだ。この切通しへのルートはグーグルマップだけでは、わかりづらい。幸いホテルに情報があったのでたどり着くことができた。地層をまじかに見ることができ、石炭の生産が盛んだったころに思いをはせた。最後は田園エリアを強風に耐えながら走ってフィニッシュ。適度なアップダウンがあるルートを楽しんで帰路についた。
東京からは、車で2時間少々。一泊してサイクリングする選択肢にしてみてはどうだろう。